日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
今季限りで、現役生活にピリオドを打った、
日本製紙クレインズの 竹内元章 選手と、小林弘明 選手の長年の功績を称え、
加藤じろう直営!「語りべ」通信では、これまでに紹介した記事の中から、
竹内選手と小林選手のベストセレクションを、お届けしていますが、
昨日の竹内選手編に続いて、今日は “氷上の鉄人” 小林選手編です!
━━━【「語りべ」通信セレクション<2>小林弘明選手編〜2008年1月4日掲載】━━━
皆さんは、どんな お正月を過ごされましたか?
もしかしたら、まだ正月気分が続いているという人も、いるかもしれませんが、
アジアリーグの各チームの選手たちは、早くも臨戦態勢。
明日から再開される試合に備えています。
今週末に行われる2008年最初のカードは、
SEIBUプリンスラビッツ−日本製紙クレインズ と、
日光バックス−王子製紙の顔合わせ!
レギュラーシーズンも残りわずかとなっているだけに、
プレーオフをにらんだ激しい戦いに、注目が集まりますが、
その一方で、この週末は、偉大な金字塔が打ち立てられようとしています。
その記録とは、
小林弘明選手の400試合連続出場 です!
堅実なDFとして、クレインズの守りを支えている小林選手は、
以前の記事でも紹介したように、
釧路江南高校から日本製紙に入社して7年目の、
1996年11月23日に行われた、
第31回 ・日本リーグの対古河電工6回戦以来、
足掛け12シーズンにわたって、
トップリーグ(日本リーグ&アジアリーグ)の全試合に出場中!
18シーズン目となる今季も、ケガに泣かされるチームメイトが多い中で、ここまでフル出場。
11月末に、36歳の誕生日を迎えましたが、
衰える気配を全く感じさせず、ハードなプレーを披露し続ける姿は、
まさしく、“氷上の鉄人” です!
しかし、鉄人とは言っても、身長171cm 体重78kg と、
小林選手は、決してサイズに恵まれているわけでは ありません。
しかも、DFというポジションだけに、
体を張って守らなくてはならない場面も多いため、ケガとは常に背中合わせ…。
にもかかわらず、1試合も休むことなくプレーを続けられる源は、
ハンパではない、その練習量。
「コバさんはスゴイ!」
という言葉を、多くのチームメイトから聞くように、
常に、体をいじめ続けてきたことで培われた強じんな肉体が、
“氷上の鉄人” のキャリアを支えています。
そんな小林選手にとって、転機となったのが、
日本リーグに、外国人選手が再び解禁された、12シーズン前のこと。
体が大きくて強い猛者たちと、マッチアップする機会が増えたことで、
「何度も吹っ飛ばされたので、こいつらに負けないようにしようと思って、
それまでよりも、ずい分と練習するようになりましたね」
と振り返ってくれました。
さらに、小林選手は、
「もし、その時に、
今のような反則のジャッジになっていて、
体が大きい選手が相手でも、スケーティングやスキルで交わすことができていたら、
一生懸命 練習しなかったかもしれないから、もう引退していたかも」
と言って、表情を ほころばせました。
このような転機を基にして、強じんな体を築き上げた小林選手は、
明日のプリンスラビッツ戦に出場すれば、ついに、400試合連続出場!
「語りべ」も、以前から、いろいろな方に話をうかがったり、調べたりしたのですが、
残念ながら、日本リーグ創設当初の、正式な試合出場記録が残っていないため、
「日本ホッケー界初の記録!」だと断言することはできません…。
(往年の選手は引退するのも早く、年間の試合数も少なかったので、
“おそらく” 日本で初めてだと思うのですが)
ただ、日本リーグ時代に、400試合連続出場を達成した、
元クレインズコーチの
重野賢司 さんによれば、
「自分の記録が、チームではナンバーワンのはず」
とのことなので、小林選手が、クレインズ記録を達成するのも、秒読み段階!
ちなみに重野さんは、当時の首脳陣の方針で、
400試合連続出場を一区切りとして、翌日の試合では、ベンチから外されてしまったため、
小林選手が、明日の試合に続いて、明後日の試合にも出場すれば、
そうそうたる顔ぶれが揃う 十條製紙&クレインズの選手の中で、単独トップとなります!
海の向こうに目を転じると、
モントリオール カナディアンズのコーチを務めている、
ダグ ・ジャービス氏が、NHL史上ナンバーワンの「964」。
また、コロラド アバランチで活躍中の、
カーリス ・スクラスティンス選手が、NHLのDFではトップとなる「495」
という連続試合出場記録を樹立し、小林選手の数字は、それには及ばないとは言うものの、
賞賛に値する、「偉大な金字塔」であることは間違いありません !!
派手な活躍こそないものの、チームを支え続けてきた “氷上の鉄人” が、
「偉大な金字塔」を打ち立てるかもしれない プリンスラビッツ−クレインズの2連戦は、
FMくしろ で実況生中継の予定です。
残念ながら、その瞬間を目の当たりにすることができないファンの方は、
ラジオの前で、大きな拍手を送ってください!