日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
昨日、日本アイスホッケー連盟は、記者会見を開き、
11月に開催される「バンクーバーオリンピック予選」の、
日本代表候補選手として、
男子35名、女子28名を、それぞれ発表しました。
日本アイスホッケー連盟の坂井寿如(としゆき)強化本部長(写真中)が、
「上手な選手の寄せ集めではなくて、勝てるチームに必要なのは、どういう選手かを考えた」
と選考理由を説明したように、代表候補の中には、必ずしもスター選手だけでなく、
おっ! と思わず目を引く選手の名前も。
その一人が、男子代表候補に名を連ねた、
王子イーグルスの 河本(かわもと)彰仁選手!
河本選手といえば、日本のホッケー界には珍しい、横浜生まれ。
決して練習環境に恵まれているとはいえない中でも、腕を磨き続け、
U20日本代表メンバーとしても活躍。
高校を卒業する時には、実業団チームから、誘いの声が掛かったものの、
それを断って北米に渡り、現地のカレッジリーグや、マイナーリーグなどに在籍し、
掛け値なしのタフな環境の中、バックを追い続けてきました。
しかし、一昨年の夏に、
縁あってイーグルス(当時は王子製紙)の練習に、トライアウトを兼ねて参加したものの、
ロナルド ・アイバニー監督のおメガネにかなわず、不合格に…。
ところが、昨夏に再び練習に参加したところ、
今度は、就任したばかりの城野正樹監督から、高い評価を受け、
26歳にしてアジアリーグにデビューした、異色の経歴の持ち主なのです。
そんな河本選手に与えられている役割は、サードラインのウイング。
昨季の成績を見ても、
レギュラーシーズンの全試合に出場して、6ポイントのみながら、
「ウチのチームにはないものを、もたらせてくれた」
と城野監督が絶賛したように、
チェックや運動量を武器に、チームに勢いを与える、
ハードワークが身上のフィジカルプレーヤーとして、真価を発揮!
「(齊藤)哲也や、百目木(政人)みたいにプレーしろって言われても、できるわけがないから、
自分の役割として、相手にイヤがられるプレーをしているだけですよ」
河本選手は、普段と変わらない表情のまま、事もなげに話してくれましたが、
日本代表候補に選ばれたことを尋ねると、今度は一転して、
「やっぱり うれしいですよ。
北京オリンピックを見てて、こういうところでやってみたいなぁって思ったし、
オリンピックに出られれば、ホッケーも注目されるでしょうからね」
と言って、口元をほころばせました。
さらに、「最近は、今までと違ったキャリアの選手が、少しずつ増えてきましたけど、
もし、日本代表に選ばれるようなことになったら、
ホッケーが盛んじゃないところで頑張っている子供たちにも、自信になるかもしれないですね」
とも話してくれました。
その思いを示すかのように 河本選手は、
昨日の日本製紙クレインズ戦でも、持ち前のハードワークを存分に披露。
足を負傷した齊藤毅キャプテンが欠場する 緊急事態の中、Aマークをつけて出場し、
フィジカルなプレーで、新生・イーグルスのアジアリーグ初勝利に貢献しました。
実は、開幕シリーズの2連戦には、
このオフに結婚したばかりの奥様が、
ご自宅のある名古屋から、はるばる応援にやって来てくれたそうですが、
「いきなり開幕戦で負けてしまったら、
こんな試合を見るために、わざわざ苫小牧まで来たんじゃない!
って怒られましたから、勝てて良かったです(笑)」
と思わずニッコリ。
マーク・マホン男子日本代表監督によれば、
「これから2週間くらい、アジアリーグの試合をスカウティングして、
オリンピック予選のメンバーを決めるつもり」とのことだけに、
河本選手は、これからも持ち前のハードワークを披露し続けて、
勝利の報告に続いて、今度は奥様に、日本代表メンバー入りの報告をできるでしょうか?
“横浜からバンクーバーへ”
もしも、河本選手のホッケーキャリアが、このようになっていったら、
彼を目標とする子供たちが、全国各地に現れて、
きっと日本のホッケー界の裾野が、もっと広がっていくに違いないはず。
それだけに、これからの河本選手の活躍に、期待したいですね!