加藤じろう直営!「語りべ」通信
 
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2014.04.04
Here is The HOCKEY NATION
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

今年の春は、暖かな日が続いているところが多く、
例年以上のスピードで、桜前線が北上中。


一方、道東の釧路は、まだまだ風が冷たく感じられるそうですが、
寒さを吹き飛ばしてくれそうなイベントが、6日に行われます(予定)。

既に、ご承知の方も多いでしょうが、
今季のアジアリーグで、5季ぶり4度目のチャンピオンに輝いた、
日本製紙クレインズの優勝パレードを開催!



蝦名大也(えびな ひろや)市長の呼び掛けから、
実現の運びになったという優勝パレードは、
市役所をスタートしたあと、市内中心部へ。

釧路駅前から幣舞橋へ通じる幹線道路の一部を、片側二車線通行止めにして、
大々的に行われます。


このような市を挙げての優勝パレードが催されるのは、
釧路市のホームページで告知されているように
全日本選手権と合わせて、実に7季ぶりとなる二冠達成を祝ってのもの。

天気が心配されますが、優勝パレードのあと、
二冠達成祝賀会、ファン感謝祭と続く明日の釧路は、
「チーム創設以来、4度目の機会にして、初めて釧路のファンの前で優勝!」
という一週間前の興奮が、よみがえってきそうですね。

Michihiro Sato




ところで、「語りべ」 通信では、ファイナルの開幕前に、
イーグルスと、クレインズの視点から
それぞれ期待感を込めたプレビューを紹介しました。

くしくも、クレインズの視点からのプレビューで触れた、
「アジアリーグでは2回目となる、セミファイナルをスウィープしたチーム同士のファイナル」を、
またまたクレインズが制して、
「歴史は繰り返す」との言葉どおりのフィナーレに。



だからというわけではないのですが、
二冠を達成したクレインズの選手の中から、「語りべ」がスポットライトを当てるのは、
プレビューの中でも紹介した 佐藤博史 選手です!

Hiroshi Sato



どうして佐藤選手の名前を、ファイナルの前に紹介したかと言うと、
7季前にクレインズが初の二冠に輝いた際は、
全日本選手権でMVPに選ばれた飯塚洋生選手(現マネージャー)が、
ファイナルでも、11年にして初めてハットトリックを決めるなど大暴れして、優勝に大きく貢献。

       余談になりますが、飯塚マネージャーは、
       「選手とマネージャーで二冠に輝いたのは、アジアで初めて!」
       だと豪語(!?)していました(笑)

それだけに、今季の全日本選手権でMVPを受賞した(リーグ登録)12年目の佐藤選手も、
大活躍しそうな期待感が、漂っていたからです。



佐藤選手の貢献度は、数字だけを見ると、際立ったように思えないかもしれませんが、
持ち味である、攻守両面での働きを存分に披露。

ポイントでは測りきれない活躍で、クレインズをアジアの頂点へ導いたとあって、
優勝決定後の佐藤選手は、
「これまでチームは優勝しても、自分が活躍して勝った年はなかったので、長かったです」
と静かな口調で、振り返っていました。

さらに続いて、初めて釧路で優勝を決めたことを尋ねると、
「長かったです」
との言葉が、再び聞かれました。


というのも、佐藤選手は釧路生まれで、
お父さまの 道博 氏が、岩倉組でプレーしたあと故郷へ戻り、
(クレインズの前身の)十條製紙の監督を務めていたとあって、
小さい頃から、ずっと十條の試合を見ながら育ってきたのです。

当時の十條は、優勝争いには加われず、
「応援しに行っても、半分くらい負けてましたね」
と佐藤選手が苦笑いするほど。

しかしながら、佐藤選手の胸の内には、
大きくなったら、このチームでプレーしたい!
との強い想いがあったのは明らか。


「今だから言いますけれど」
こう切り出して、お母さまが教えてくださった話によると、
佐藤選手は、西武鉄道からの誘いを断って、
高校卒業後は、早稲田大学へ進学するつもりでいたとのこと。

しかし、クレインズからのオファーが届くと、
大学進学の道を自ら断ち切って、
小さい頃から見続けてきたチームの一員になったのです!



クレインズに入った1年目に、スウェーデン留学へ派遣されるなど、
大きな期待を寄せられながらも、
すぐさま応えることはできなかった佐藤選手。

とはいえ、一年々々自らの存在をアピールし続け、
デビュー11年目の昨季に、初めての二ケタ得点。
そして今季は、30歳にして、全日本選手権のMVPを受賞したのを筆頭に、
チームを二冠に導く働きを見せました。


このようなキャリアを送ってきただけに、
「長かったです」との言葉にも重みを感じずにいられませんが、
だからと言って佐藤選手は、決して浮かれることはなく、こんな決意を口にしていました。

これからですね。

勝ち続けていくほうが難しいですから。

Hiroshi Sato


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負けました。嫌になるほど負けました。

二冠を達成した直後に、さらなる目標を掲げていた佐藤選手と正反対に、
こんな言葉を口にされていたのが、佐藤選手のお父さまの道博氏。

前述したとおり、岩倉組でプレーしたあと故郷へ戻り、釧路工業高校の監督を歴任。

その後、十條7代目の監督にして、
日本リーグ参戦初年度から、5季にわたって指揮官を担った道博氏は、
「胃潰瘍にもなりましたよ」
と振り返られたほど、厳しい戦いを強いられたそうです。


そもそも十條は、日本リーグ参戦に寄与された中島繁男 元オーナーの言葉によると、、、、
   「最初に会社の方針ありきでチームが、生まれたのではなく、
   アイスホッケーがメシより好きな男達が、自然発生的に寄り集まり、
   戦後の食料すらままならぬ中で、
   ただひたすら強くなりたい、勝ちたいために、
   勤務前の早朝に、勤務後の夕刻に、手造りのアウトドアリンクの中を駆け回って、
   チームを築いていった先輩たちの涙ぐましい努力が、
   そのルーツであることが特色であろう」(句読点筆者)
という歴史があるだけに、
日本リーグに参戦してからも、時に金星を上げることはあっても、優勝争いには程遠い成績。

ちなみに、日本リーグ参戦初年度の開幕戦を振り返ると、
王子製紙に「1-13」のスコアで大敗。

そんなチーム事情を目の当たりにした道博氏は、
「勝つのは自分の時代ではない」
との方針を貫き続け、チームの土台を築きつつ、若い新戦力の育成に尽力。

その中から、日本のホッケー界を支える名選手が生み出され、
引退後には指導者へ転じることで、
今度は名選手を生み出す役割を、担っていくようになっていったのです。


このようなプラスの流れを、確立したともいえる道博氏は、
のちに釧路アイスアリーナの近くに、ホッケーショップを開店。

子供から大人まで、あらゆる世代の選手たちの声に応え続け、
今度は別の角度から、釧路のホッケー界を支えられました。




残念ながら道博氏が故人となられたあとも、
佐藤選手のお姉さまが、ショップを支え続けていらっしゃいますが、
今季のファイナルの最中に、あるファンの方から、こんな話を耳にしました。

     「忙しいから申し訳ないなと思いつつ、見やすい席で見たいから、
     (ショップで販売を代行しているクレインズの試合の)チケットを、
     電話でお願いするんですけれど、
     いつも快く対応してくれて、本当に助かっています」


佐藤選手のお姉さまも、釧路のホッケー界を支えていらっしゃるようですね。


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今季のファイナルを戦った「イーグルス vs クレインズ」の激突を、
プレビューの中で、このように謳いました。

それは、以前の記事でも触れたとおり
数え切れないほどの名選手を輩出してきたのはもちろん、
各世代の指導者や、レフェリー、ラインズマンなどにも多くの人材を送り込み、
日本のアイスホッケー界を支え続けているとあって、誰もが認めるところですよね。


今回の記事では、今季の最後の戦いの舞台となった釧路の話題を紹介しましたが、
もちろん苫小牧にも、愛情をもってホッケーを支え続けている方が、
数えきれないほど、いらっしゃいます。


偶然にも、飛行機での帰路をご一緒させていただいた、ある選手のお父さまは、
苫小牧にご自宅がありながら、お仕事の関係で転勤が多く、
以前は札幌まで、毎日遠距離通勤を続けられたり、単身赴任をされていたり・・・。

にもかかわらず、お話をうかがうと、
息子さんの学生時代の試合には、ほとんど足を運ばれたそうで、
今季のファイナルも、年度末の超多忙な中、
苫小牧と釧路へのトンボ返りを繰り返してまで、リンクに駆け付けられたのだそうです。



紹介したエピソードは、一握りに過ぎず、
イーグルスとクレインズのファイナルになったことで、
あらためて日本のホッケー界を支える二つの街の奥深さを、
「語りべ」は、垣間見ることができました。

日本のホッケー界が、ジリ貧の様相を呈しかけている中で、
苫小牧と、釧路が、真のホッケータウンとして、、、
もとい、力強いエネルギーの発信地として、「ホッケーネイション」と呼ばれる時代が、
やってきて欲しいですね!



〜「語りべ」より〜

本文中に記載しました十條製紙時代のエピソードにつきましては、
「アジアリーグ オールスターゲーム」のオフィシャルプログラムに、
内ヶ崎誠之助(うちがさき せいのすけ)氏が寄稿された記事を、参照させていただきました。

また、佐藤道博氏の写真についても、
同プログラムに掲載された内ヶ崎氏より許可をいただき、掲載を致しました。

カナダをベースにしてフォトジャーナリストとして ご活躍中の内ヶ崎氏は、
以前の記事でも紹介したとおり
ソチ オリンピックでのスマイルジャパンのプレーシーンなどを、
ご自身のサイト 「Sei Spo Press」で、紹介されていらっしゃいます。

写真のオーダーも、受け付けていらっしゃるそうなので、
スマイルジャパンの選手やご家族。
さらに、ホッケーファンの方は、こちら から、コンタクトされてみては、いかがですか?


尚、記事をアップした際の日付と時間が、ブログに当初表示された日時と異なっていたため、
本文中のパレード開催日の表記を改めました。





アジアリーグ | comments(6) | trackbacks(0)
2017.11.18
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この記事に関するコメント
クレインズのファンになって30年。
釧路にもホームを持つスポーツチームがあると言う事で、
愛する気持ちで応援し続けて来ました。

ここまで来るのに長くて1段1段とゆっくりでしたが、
ホームでようやく優勝を決める事が出来て、
本当に夢じゃなかったんだと涙しました。

釧路は盛り上がるイベントがしずらいと言われていますが、
ご理解があって、この場を与えてくれた事に感謝します。
| 隠れ雛(かくれヒナ) | 2014/04/05 16:07 |
じろうさん、こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。クレインズの関係者の皆様、ファンの皆様おめでとうございます。ところで、今日4/5現在、国際アイスホッケー連盟のサイトのトップページにてアジアリーグのクレインズ優勝が伝えられています。写真はなぜか日本代表のユニフォームを着た重野選手の写真が使われていますが。英語のサイトですが、英語の勉強だと思って電子辞書片手に翻訳してみてはいかがでしょうか?新しいニュースが入れば、トップページも差し替えになりますのでお早めに。1人でも多くのクレインズファンに見てもらいたくて、この場を借りましてお知らせできたらと思いました。あと今季台風の目としてアジアリーグを盛り上げたサンムの記事も載ってました。
| ジャッキー | 2014/04/05 16:12 |
じろうさん こんにちは。
釧路でも名実況、お疲れ様でした。

他チームの歓喜の舞台となってきた丹頂アリーナでしたが、
ようやくクレインズの優勝を見ることができました。
「ついにやったぞ!!」って感じです。

実は、第4戦の2日前、記事中のホッケーショップで
佐藤選手にばったり会ったんです。
「土曜日、大丈夫ですよね?」って尋ねたら
「はい」と力強く答えてくれました。
「5戦まであると思ったらやられると思います。土曜日決めます」
という言葉が印象的でした。

残念ながら、パレード&祝賀会には出られないのですが、
優勝の余韻にもう少し浸りたいと思います。
| jimmy | 2014/04/06 13:58 |
皆さん、コメントありがとうございます。

>隠れ雛さん
30年来の想いがかなって、よかったですね!
パレードや祝勝会にも多くの人が集まって盛況だったようで何よりです。
どうぞ楽しいオフシーズンをお過ごしください!。

>ジャッキーさん
アジアのホッケーが注目される機会は、残念ながらめったにありませんから、
ディビジョン1のホストにもなる今春は、
世界のホッケーファンに向けての情報発信の機会になればいいですよね。

>jimmyさん
おめでとうございました!
「遠征観戦時の勝率ほぼ10割」が効かなかったことが、
今にして思えば、いい厄払いになったのかもしれませんね(?)
「優勝の余韻」でご飯3杯くらい食べられそうでしょうから(笑)、
おいしい食事とホッケーを肴に、美酒に酔われてください!
| 「語りべ」 | 2014/04/07 20:38 |
じろうさん 深い記事ありがとうございます

社長には我々特に自分は応援から人生論まで教えられました。

そのおかげあってここまで長く活動を続けられたと思います。

その息子である選手会長の博史とともに活動できたのも運命に感じます。

今回釧路はホッケータウンの賞より価値のあるものを手に入れたと思っています。
そしてここからが本当に大事な時期かと思います。釧路も苫小牧も。

来季はすこし形を変えながら、応援に携わりくしろをさらに盛り上げて行きたいと思います

今季もありがとうございます。
| Tera | 2014/04/08 23:05 |
>Teraさん
コメントありがとうございます。
こちらこそ楽しませていただいて、感謝しています。
釧路でホッケーに携わってきた方たちの総力の結集によってもたらされた結果だったと思いますよ。
楽しいオフを過ごされてください!
| 「語りべ」 | 2014/04/10 09:36 |
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