日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
今日は、皆さんに、お聞きしたいことがあります!
もし、あなたが応援しているチームのキャプテンが、
FA(フリーエージェント)の権利を行使し、ライバルチームに移籍してしまいました。
その選手が、移籍後 初めて、かつてのホームリンクにやって来た時、あなたなら、、、
大きな拍手で歓迎しますか?
それとも、おもいっきりブーイングをしますか?
そんな究極の(というのは大げさですが…)選択を強いられたのは、
カナダのトロントにあるエアカナダセンターに詰め掛けた、ホッケーファンたち!
以前の記事でも紹介しましたが、カナダ最大の放送局 ・
CBCは、通常のNHL中継に加えて、
年に一度、「
HOCKEY DAY IN CANADA」と銘打って、
各地で様々なイベントを催すのとともに、NHLの試合を、トリプルヘッダーで生中継しています。
今季の「HOCKEY DAY」となった昨日(現地時間)は、
NHLの計らいで、カナダにフランチャイズを置く6チームが、
モントリオール、トロント、エドモントンの3会場で激突しましたが、
注目は、何といっても、
マッツ ・サンディン 選手が、エアカナダセンターに凱旋した、
トロント メイプルリーフス vs バンクーバー カナックス戦!
サンディン選手といえば、1917年に創設されて以来、常に注目を集め続けている、
名門中の名門 ・リーフスの長い歴史の中、
カナダ人以外(スウェーデン出身)で、初めてキャプテンに任命されたほどのスーパースター。
目の肥えたトロントのホッケーファンから、絶大な支持を集め続け、
ナンバーワンの人気を誇った、まさに、“ミスター ・リーフス” !
しかし、サンディン選手は、各チームからのオファーを受けて、悩みに悩んだ末、
12月18日にカナックスと契約。
昨日の試合で、移籍後 初めて、トロントに乗り込んで、
カナックスのジャージに袖を通してからは初めてとなる、リーフス戦に臨みました。
エアカナダセンターに詰め掛けたリーフスファンも、複雑な心境だったようで、
「おかえりなさい!」というボードを掲げているファンもいれば、
「リーフスを捨てやがって !!」と、ブーイングをするファンもいるなど、反応はまちまち。
しかし、そんなファンのベクトルを、一つにしたのが、ある映像でした。
第1ピリオド6分22秒。
この試合の最初のテレビCMタイムアウトに、エアカナダセンターの大型ビジョンで、
サンディン選手がリーフス時代に活躍したシーンがハイライトで流され、13年間の功績が称えられると、
スタンドのファンだけでなく、リーフスベンチの選手までもが立ち上がって、
スタンディングオベーション!
これにはサンディン選手も、少し目を潤ませながら、大声援に応え返していました。
それにしても、印象的だったのは、リーフスの対応です。
強い残留の要請を振り切った上に、
よりにもよって、同じカナダのライバルチームに移籍したにもかかわらず、
その功績を、しっかり称えたのには、恐れ入りました。
もし、あなたがリーフスのチームスタッフだったなら、こんな演出をすることができますか?
ところで、肝心の試合の結末はと言うと、カナックスが勝利。
しかも、サンディン選手が、GWS戦で決勝ゴールを決めて、ファーストスターに選ばれました!
ビジターチームの選手は、ファーストスターに選ばれても、
試合後、リンクに戻ってくることはないのですが、
この日のサンディン選手は、再び姿を現して、
最後までスタンドに残っていたリーフスファンに対して、
投げキッスをしたあと、深々と頭を下げてから、ドレッシングルームに帰っていきました。
それにしても、まるでドラマのストーリーのような試合って、あるんですね〜!