日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
今月2日から、熱戦が繰り広げられていた、
「
世界女子アイスホッケー選手権 ・ディビジョン1」は、日本が全勝優勝を飾り、
来年、中国で行われる予定の、
トップディビジョン再昇格を決めて、幕を閉じました。
「いいチームでした。勝因は強いチームワークです」
チームを率いた佐藤弘一監督が、こう話していたように、
直前合宿の時から、一致団結していた女子日本代表の選手たちは、
昨日、栃木県庁と日光市役所を表敬訪問したあと、
金メダルを手土産に、それぞれの地元へと凱旋。
そんな女子日本代表の選手たちと同じように、
昨日、日光をあとにした二人がいます。
それは、今大会のテレビ中継の解説者を務めてくれた、
佐藤理絵 さんと、
大森(旧姓佐藤)
雅子 さんの姉妹です。
「母が大好きだった影響で」ホッケーを始めたという、
お姉さんの理絵さん(写真右)と、
「姉が始めたので」ホッケーをやるようになったという、
妹の雅子さん(写真左)。
ホッケーの盛んな苫小牧で生まれた1歳違いの二人は、
理絵さんがDF、雅子さんがFWと、
ポジションこそ違うものの、
ともに日本代表のキャプテンを務めたほどの名選手!
1990年に初めて開催された「女子世界選手権」に、揃って出場したのを皮切りに、
1998年の「長野オリンピック」や、2000年の「世界選手権Aプール(現トップディビジョン)」など、
数多くの国際大会で、日の丸のジャージを着て戦った、
まさに、女子ホッケー界を支え続けた姉妹なのです!
日本戦全5試合の解説をしてくれた雅子さんは、
直前合宿の取材のために、開幕の1週間前から、早くも日光入り。
連日、朝早くからリンクにやってきて、各国の練習を取材していたのに加えて、
積極的に話掛けて、日本の選手たちの様子を、しっかりチェック。
「初めてなので、どうしよう…」
と放送前に話していたのとは対照的に、
今大会が、解説者デビュー戦だとは信じられないほどの、
的確で分かりやすいコメントの連続には、「語りべ」もビックリでした。
その雅子さんが、「雨女なんですよ」と話していた理絵さんは、
週末を利用して、7日から日光に駆けつけてくれましたが、
雅子さんの言葉どおり、それまでは天気に恵まれていた日光地方が、
理絵さんの到着に合わせたかのように、雨模様…。
ただ、理絵さんが連れてきたのは、雨雲だけではありませんでした。
それまで3連勝ながら、課題の残る試合が続いていた日本の戦いぶりは、
理絵さんが、解説者として放送席に座ってくれた途端に、
パワープレーで、おもしろいようにゴールが決まるようになったりと、一気に好転。
フランス戦とチェコ戦の快勝を呼び込んだ、
“放送席のラッキーレディー” になってくれました!
「辛口解説者ですよ(笑)」と声を揃えていたように、
二人の口からは、時折、厳しいコメントが飛び出す時も。
しかしそれは、現役時代に、何度も厳しい戦いを経験してきた二人からの、
後輩たちへのエールに他なりません。
その証拠に、試合中、日本がチャンスやピンチを迎えると、
「ゴール前が空いてる!」
「逆サイドから来てるよ!」
と思わず声が出てしまうシーンも。
そんな後輩思いの二人なだけに、選手たちからの信望も厚く、
試合終了後、放送席で、番組のエンディングを収録していると、
リンク内の通路を、クールダウンのために走っている選手たちから、
いつも笑顔で手を振られたり、声を掛けられたりしていました。
「今回の優勝に満足することなく、これからも頑張って欲しいですね」(理絵さん)
「今大会で優勝したことで、きっと女子の強化に力を入れてくれるはずだから、
それに応えられるように、努力しないといけないですね」(雅子さん)
「後輩たちに、何かメッセージはありますか?」
日本の優勝が決まったあとに、こんな質問をしてみると、
二人は、金メダルを手にした選手たちを、思いやるような静かな口調で、
こう答えてくれました。
現役時代に、女子ホッケー界を支え続けてきた姉妹は、
きっとこれからも、女子ホッケー界を支え続けてくれるでしょう!