日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
「ダックスの強さが目立った試合でしたね」
今日の試合の生中継に “緊急ゲスト出演” してくれた、
日本人初のNHLプレーヤー
福藤豊 選手が、こう振り返っていたように、
「
スタンレーカップ ・ファイナル」
第5戦は、
3勝1敗と王手をかけていた
アナハイム ダックス が、
オタワ セネターズ を相手に、6−2と大勝。
チーム創設14季目にして、悲願の初優勝を飾りました!
試合終了後のセレモニーでは、
NHLの ゲーリー ・ベットマン コミッショナーから、
プレーオフMVPにも輝いた キャプテンの
スコット ・ニーダマイヤー 選手へ、
スタンレーカップが手渡されると、
その後は、首脳陣やフロント、
さらに裏方の人たちも含めた ダックスのオールメンバーが、
スタンレーカップを、順番に手渡しでリレー。
誇らしげに高々と掲げたり、歓喜のキスをしたりして、
17000人の地元ファンとともに、喜びを分かち合いました!
「ポジティブに考えろ!」
「アグレッシブなプレーを!」
「自分勝手なプレーはするな!」
「言い訳をしない!」
「全ての選手がリーダーだ!」
放送でもお伝えしましたが、チャンピオンに輝いた ダックスのドレッシングルームには、
プレーオフに入ってから、こんな言葉が掲げられていました。
これは、チームを率いる
ランディ ・カーライル ヘッドコーチが、
選手たちに説いた “プレーオフの心得”。
現役時代は、NHLのベストDFにも輝いた名選手としての経験と、
ワシントン キャピタルズの アシスタントコーチや、
AHLのチームなどで、ヘッドコーチを務めていた時に学んだという この教えは、
ダックスの選手たちに、しっかり浸透していました。
番組の解説者の
ジェイムス ・イエローリーズ 氏(カナダ教育連盟日本代表)が、
「GKもDFも、よく頑張っていたし、FWも、全てのラインが仕事をした。
ダックスの優勝は、チームとしての勝利」 と話していたように、
全ての選手が、自分の役割を果たしていたダックスは、接戦になると無類の強さを発揮。
このプレーオフであげた16勝のうち、実に12勝が1点差勝利という、
NHLタイ記録をマークしました。
それに加えて、同じく解説者の
信田憲司 氏(元日本代表GK)が、
「ベンチに入っていない選手のパフォーマンスも、よく把握して、
選手の特性を活かしたベンチワークが、見事でしたね」 と分析していたように、
NHLキャリアのない若手選手を、いきなりプレーオフで起用してみたり、
状況に応じた細かいラインチェンジなどのベンチワークは、まさに圧巻。
その一方で、カーライル ヘッドコーチは、
「勝利を喜ぶのは、試合終了後10分間だけ。10分経ったら、次の試合のことを考えろ!」
という “10分ルール” を設けて、
選手たちに、スタンレーカップ獲得という最終目標を、常に意識させながら、
2ヶ月間に及ぶプレーオフを、戦い続けました。
このように卓越した手腕を発揮して、
ダックスをチャンピオンへと導いた カーライル ヘッドコーチですが、
丁度 一年前、ファイナルを目前にして、エドモントン オイラーズに敗れた後、
こんな誓いを立てたのだそうです。
「平凡なチームには、ならないぞ!」
というのも、近年のNHLでは、勢いに乗ってプレーオフを勝ち上がった翌年に、
失速してしまうチームが、よく見られます。
そんな一年限りのチームとは違う! ことをアピールしようと、
今季は、レギュラーシーズン序盤から、首位を快走。
中盤戦に入って、主力選手にケガ人が続いてしまったこともあって、
デトロイト レッドウイングスに、トップの座を譲ってしまったものの、
ウエスタン カンファレンス第2位という好位置で、プレーオフへ。
NHLで最も失点の少なかった ミネソタ ワイルド、
鉄壁の守護神 ロベルト ・ルオンゴ 選手を擁する バンクーバー カナックス、
さらに、優勝10回を誇る名門 レッドウイングス、
そして、ファイナルでは、イースタン カンファレンスの覇者 セネターズと、
プレーオフで 並み居る強豪チームを倒しての、スタンレーカップ獲得は、
ダックスが、「平凡なチーム」ではないことの、何よりの証となりました。
実は、カーライル ヘッドコーチには、もう一つ、
一年前に立てた誓いがあるのだそうです。 それは…、
「勝ち続けるチームを作る」 こと。
今季限りで、契約が切れてしまう選手もいるのに加えて、
サラリーキャップ(チーム年俸総額規制)制度もあるため、
優勝したあとのオフは、契約が難航し、主力選手の流出が相次ぐことも。
しかし、それでもカーライル ヘッドコーチは、
プレーオフで破ったライバルチームを例に挙げて、
「レッドウイングスのように、毎年 優勝を狙えるチームを作っていく」
と “常勝チーム” を目指しています!
「平凡なチーム」ではなくなったことを証明した その瞬間、
「勝ち続けるチーム」へ向けての、ダックスの 新たな戦いが始まったのです。
★本日の小ネタは…