日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
今週末に開幕するアジアリーグの各チームを紹介している
「語りべ」通信・アジアリーグプレビューも、今回が6回目。
初めて開催されたアジアリーグ主催のカップ戦で、
見事に優勝を飾った、
アニャンハルラの戦力を、見てみましょう!
【
2007−08ロースター】 〜アニャンカップのロースターなどを参照しています〜
監 督 オタカー・ヴェイヴォダ
コーチ キム・チャンボム (新コーチ → 元DF。2年ぶりチーム復帰)
ペ・ヨンホ (新コーチ → 元FW。2年ぶりチーム復帰)
──────────────────────────────────────
GK 30 パク・ジュンス
31 キム・ソンギ (昨季途中新入団)
33 ソン・ホソン (旧カンウォンランドから移籍)
DF 4 チャン・ジョンムン
5 キム・ウジェ (2年ぶりチーム復帰。今季からキャプテン)
7 イ・スンヨブ (昨季途中新入団)
15 コ・ビョンヒ (昨季途中新入団)
19 フィリップ・ステファンカ (Filip STEFANKA=新外国人選手)
24 パク・ソンミン
44 イ・クォンジュン
45 クァク・ジュンホ (昨季途中新入団)
61 パトリック・フチコ (Patrik HUCKO=新外国人選手)
79 ユン・キョンウォン
92 チョン・サンヒョン (昨季途中新入団)
FW 2 キム・グンホ
6 キム・ホンイル
8 キム・ウォンジュン (昨季途中新入団)
11 イ・ユウォン (昨季途中新入団)
14 佐藤 正和 (バックスから移籍)
16 イ・クォンジェ (旧カンウォンランドから移籍)
17 キム・ギュホン (旧カンウォンランドから移籍)
18 チョン・ジンホ
27 ピョ・ジャンウォン (今季はFW登録)
43 パトリック・マルティネツ
55 ミラン・コペツキー (Milan KOPECKY=新外国人選手)
71 キム・ドユン
81 キム・ホンイク (昨季途中 旧カンウォンランドから移籍)
89 キム・ハンソン
96 ソン・ドンファン
【
「語りべ」の注目ポイント】
前回の王子製紙編でも触れましたが、この夏、取材のために足を運んだ時、
とても強く印象に残った2チームのうちの、もう1チームが、アニャンハルラ!
昨季はケガ人が多く、苦戦を強いられてしまったことから、
今季は、例年にも増して、厳しいトレーニングが続いていましたが、
どの選手も、歯を食いしばって、全てのメニューに取り組んでいる姿が、見られました。
その甲斐あって、選手たちの基礎体力がアップ。
さらに、若手選手たちも、目に見えて腕を上げているのに加え、
このオフ、積極的に戦力補強を行ったことで、
昨季と比べて、はるかに選手層が厚くなっています。
ポジションごとに見てみると、
まずGKは、韓国代表の守護神 ソン・ホソン選手の加入で、安定感が増しそう。
さらに、それに負けじと、パク・ジュンス選手も、
夏から好調をキープしているので、万全の体制です。
続いてDFも、キム・ウジェ選手の復帰に加え、外国人DFが 一人増えたことで、
昨季とは打って変わって、頼もしい顔ぶれ。
サイズを買われて、昨季はDFにコンバートされていた、ピョ・ジャンウォン選手が、
本来のFWで、選手登録されていることでも分かるように、
今季は、DFのコマも揃っています。
DF以上に、コマが揃っているのがFW陣。
1つ目と2つ目のラインは、どのラインとマッチアップしても、全くヒケをとらない顔ぶれ。
3つ目と4つ目のラインも、しっかり守ることができる選手が揃っているので、心強い限り。
こんな強力な布陣に加えて、現在 兵役任務期間中の、ソン・ドンファン、チャン・ジョンムン両選手が、
今季中に、復帰できる可能性もあるとのこと。
そして、戦力面だけでなく、
アニャンカップでは、ベテラン選手も体を張って、シュートブロックをする姿が見られるなど、
今季のハルラの選手たちは、気持ちも充実しているだけに、
レギュラーリーグ リーダーズフラッグ獲得の最有力候補!
それだけに、今季のハルラは、
プレーオフに入っても、高いチーム力を発揮して、日本以外のチームで初めてとなる、
アジアリーグ チャンピオンに輝くことが できるかどうかに、注目です。
【
新戦力紹介】
★FW
17 キム・ギュホン 選手
(1982年10月17日生まれ 179cm 75kg 延世大学−カンウォンランド出身)
昨季は、得点とポイントのランキングで、リーグ3位と大活躍。
日本のファンの皆さんにも、すっかり お馴染みとなりましたが、
カンウォンランド本社の 選手への対応が良くなかったことを理由に、
チームメイトの二人とともに、ハルラへ移籍しました。
攻撃面がクローズアップされがちなキム・ギュホン選手ですが、
ペナルティーキリングなど、守りでも貢献できる選手。
「ハルラの練習はキツイけど、それもいいプレーをするため」
と張り切って練習に取り組み、準備万端の様子だっただけに、
新天地でも、攻守両面で活躍してくれそうです!
(「語りべ」注 : アジアリーグの日本語公式表記が、
「キム・ギュヒョン」から、韓国語の発音に近い「キム・ギュホン」に変更となりました)
★GK33
ソン・ホソン 選手
(1982年11月23日生まれ 180cm 78kg 延世大学−カンウォンランド出身)
昨季は、安定感を欠いてしまったポジションだけに、
キム・ギュホン選手以上の活躍が、“韓国ナンバーワンGK” には期待されます。
やや繊細な面も併せ持っているため、新しい環境に移ったことの影響が気になるところですが、
「ハルラは家庭的な雰囲気があるし、小さい頃から知っている選手も多いから大丈夫」
と話しているので、心配なさそう。
学生時代からペイントしている、イーグルをデザインしたマスクを、チームカラーの青に改め、
「尊敬している。最高のGKだよ」
と常に口にしている、
パトリック・ロワ氏 (=NHL通算勝利記録を持つ元GK)同じ、
背番号「33」のジャージで臨む 、今季のソン・ホソン選手は、
ハルラの守護神として、しっかりゴールを守ってくれそうです。
★FW16
イ・クォンジェ 選手
(1983年1月15日生まれ 182cm 93kg 延世大学−カンウォンランド出身)
大学時代から一緒にプレーし続けている、キム・ギュホン選手と、ソン・ホソン選手に比べると、
日本での知名度はイマイチですが、イ・クォンジェ選手も、韓国代表メンバーの一人。
これまでの成績を見ると、目立った活躍はしていませんが、
チェックやチームディフェンスで、貢献しているのに加えて、明るいキャラクターも魅力の選手。
チームが勝つために必要不可欠な、貴重な新戦力だと言えるでしょう。
★DF5
キム・ウジェ 選手
(1979年11月25日生まれ 178cm 85kg 延世大学−ハルラ−フィンランド・ヤッコアイカ出身)
一昨季まで、ハルラの主力としてだけでなく、常に韓国代表メンバーに選ばれたり、
日本リーグのオールスターゲームにも出場していた、韓国ホッケー界を代表するDFですが、
かつてハルラに在籍した エサ・ティカネン氏の推薦で、
昨季は、フィンランドの2部リーグで、プレーをしていました。
「チームで最初の東洋人だったので、あまり評価されなかった部分もあったけれど、
スケーティングに関しては、十分に通用しました。
韓国よりも、優れていた部分が多かったので、自分のためになりました」
と振り返ってくれた、昨季の財産を活かして、
DFの柱としてだけでなく、チームリーダーとしても、期待されています。
★DF61
パトリック・フチコ 選手
(1973年1月6日生まれ 191cm 90kg チェコ出身)
昨季まで、ハルラの守りを支えていた ヤロスラフ・ネドベド選手に比べると、
サイズは少しだけ見劣りするものの、リーチも長く、リンク上での存在感は抜群。
ヴェイヴォダ ヘッドコーチが、
「パワープレーのキーマンになってくれるはず」と話しているように、
チェコのトップリーグなどでプレーしてきた実績を武器に、攻守両面で活躍してくれそうです。
★DF19
フィリップ・ステファンカ 選手
(1980年9月9日生まれ 186cm 93kg チェコ出身)
★FW55
ミラン・コペツキー 選手
(1981年5月11日生まれ 183cm 83kg チェコ出身)
この二人を、一緒に紹介するのには、理由があります。
実は、「語りべ」が取材に赴いた時、
丁度、ヴェイヴォダ ヘッドコーチと 外国人4選手が、チェコからやってきて、
チームに合流した日と重なったので、
早速、自らスカウティングにあたったヴェイヴォダ ヘッドコーチに、
新しく加わったチェコ人選手のことを、聞いてみました。
すると、マルティネツ、フチコ両選手に比べて、やや実績で見劣りするせいか、
(といっても、ともにチェコのトップリーグでプレーした経験がありますが)
この二人に関しては、「まだ若い選手です…」と、ややトーンダウン気味。
そこで、「でも、ベストチョイスですよね?」と尋ねると、
「そんなことが、誰に分かるというのですか!」
とヴェイヴォダ ヘッドコーチは、思わず 声を荒げました。
そんなシーンがあっただけに、
「もしかしたら、思ったようなスカウティングが、できなかったのかも?」
と心配していたのですが、それから1ヶ月後に行われたアニャンカップの時に、
「新しい外国人選手は、どうですか?」と、恐る恐る(?) 聞いてみると、
今度は一転して、ヴェイヴォダ ヘッドコーチの表情に、満面の笑みが!
その笑顔にウソはなく、ステファンカ選手と、コペツキー選手は、アイスタイムも多く、
しっかりチームに貢献していたので、
開幕後も、助っ人として、勝利を呼び込んでくれそうです!
★FW14
佐藤正和 選手
(1976年9月23日生まれ 182cm 87kg 釧路緑ヶ岡高校−クレインズ−日光バックス出身)
ハルラの新戦力紹介のトリを飾るのは、今季から韓国に渡った 正和選手!
移籍が決まって、チームに合流した時には、既に、ハルラの練習が、本格化していたとあって、
「クレインズの時の練習よりもキツイです」と言って、悲鳴を上げていましたが、
もう13年目のシーズンとなるだけに、
しっかりコンディションを整えて、来月2日の開幕を迎えられそうです。
当初は、他の韓国人選手がつけていたため、リクエストが受け付けられませんでしたが、
その選手が、背番号を変えたことで、弟の
匡史選手(クレインズ)と同じ、「14」番をつけることに!
正和選手は、3つ目、または4つ目のラインでの起用が 予想されますが、
匡史選手とは一味違う “いぶし銀の働き” で、アピールして欲しいところ。
2年間、ハルラでプレーした
瀬高哲雄選手(現バックス)から、
愛用していた自転車を 受け継いだ正和選手ですが、
それだけでなく、リンクの上でも活躍して、
瀬高選手が築いた、ハルラの中での日本人選手の存在感を、
さらにアップさせてくれるような働きに、期待しましょう!