日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
アジアリーグのプレーオフが、ついに開幕!
先の週末、苫小牧と釧路では、ファーストラウンドの戦いが繰り広げられましたが、
王子製紙と日本製紙クレインズが、ともに連勝し、
セミファイナル進出に、王手をかけました。
「ずっと語りべ通信を見ているんですけど、
いつになったらボクのことを載せてくれるんですか?」
昨日の試合前、笑顔を見せながら、こう話し掛けてきたのは、
王子のキャプテン ・齊藤毅選手。
「1戦目は(弟の)哲也(選手)に いいところを持っていかれたから、今日は決めますよ(笑)」
と「語りべ」に、“活躍宣言” をして、試合に臨んでいきましたが、
その言葉どおり、チームに3点目を呼び込むゴールに加えて、
先制点のアシストをマークするなど大活躍して、有言実行!
なかでも、第2ピリオド終了間際の18分53秒に決めた得点は、
スピードに乗って、ゴール裏から周りこもうとしたところで、
GKの橋本三千雄選手が、ヒザをついた瞬間にできた、
わずかな隙間を見逃さずシュートした、技ありのゴール。
2−1とリードしながらも、バックスの積極的なチェックの前に、
試合の流れを、なかなか引き寄せきれずにいただけに、まさに値千金!
CS放送 ・
EXスポーツの中継で、解説を担当された日本代表の坂井寿如(としゆき)GMも、
「1点差のまま 第3ピリオドに入っていたら、バックスが流れをつかんだかもしれなかったので、
この試合のカギになるゴール」
と太鼓判を押すほどの、貴重な得点となりました。
勝利の立役者となった齊藤毅選手は、
「3ピリに入ってから、(第1戦に続いて)また先に失点してしまったので、
苦しい試合になりましたけど…」
と言って、少しだけ渋い表情を垣間見せましたが、
「でも、プレーオフでは、何より勝つことが大事なので、良かったです。
逆転されないのが、去年(のプレーオフ)との違いですね」
と すぐさま笑みを取り戻して、リンクを後にしました。
ところで「違い」といえば、ここのところの王子は、
シーズン序盤とは、まるで別のチームのように、安定した戦いぶりを披露していますが、
その要因を、齊藤毅選手は、
「早いバックチェックが徹底されたこと」 だと教えてくれました。
「アタッキングゾーンまで攻め込んだ選手も、
相手にパックを取られたら、すぐに戻ってきて、ニュートラルゾーンでバックチェックをする。
数的優位の状況を作らせないようにすれば、失点する危険性は減りますから」
齊藤毅選手が話してくれたように、
「早いバックチェック」がチームに完全に浸透した 12月中旬のナショナルブレイク以降は、
王子の戦いぶりが一気に好転。
レギュラーシーズン終盤の12試合で、勝点を奪えなかったのは 1試合のみ。
平均失点は、わずかに1.75だったのに加えて、完封勝利が4試合もあるなど、
安定した戦いを続けていたことが、数字でも証明されています。
昨季のプレーオフでは、ファーストラウンドで不覚をとってしまった王子製紙。
その屈辱を晴らすべく、新たに就任した城野正樹監督と山中武司コーチが、
異口同音に、チームリーダーとして名前を挙げたのが、齊藤毅選手でした。
しかし、齊藤毅選手は、
「子供が生まれるのも近かったので、妻に相談しました。
キャプテンは大変な仕事だから、引き受けることになったら、
家のことを、手伝ってあげられなくなってしまうので…」
と首脳陣からのキャプテン就任の要請に、即答を控えたのだそうです。
しかし、「誰でもやれる仕事じゃないんだから、ウチのことは気にしないで、やってみれば」
という奥様の後押しを受けて、キャプテン就任を決意。
「もし今季も ファンの人たちに応えられなかったら、監督やコーチと一緒に、ボクも辞めます!」
とまで言い切って、齊藤毅選手は、新たなシーズンを迎えたのです。
桜井邦彦選手や、岩田康範選手といったベテランの働きが際立っている一方で、
ベテランと若手の橋渡し役として、チームをまとめ続けてきたキャプテンの力がなければ、
今の “強い王子” の姿は、見られなかったはず。
前半戦は、ため息さえ耳にすることもあった王子の応援席からは、
ここへ来て、目に見えて、期待感が大きく感じられるようになってきています。
「昨季のプレーオフのリベンジだけじゃなくて、ボクたちは、もっと上を目指しているんです。
全日本選手権だって、試合内容では絶対に負けていなかったし、
間違いなく、ボクが王子に来てからは、一番強いチームになっているはずです!」
王子ファンからの大きな期待感を受けて、
齊藤毅選手は、こんな風に話してくれました。
試合前の “活躍宣言” どおり、
昨日の第2戦では、チームを勝利に導いた齊藤毅選手。
今度は、「もっと上を目指す」という言葉も現実のものとして、
プレーオフを勝ち抜いていけるのか !?
“有言実行のキャプテン” のリーダーシップに、期待が集まります!
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