日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
いよいよ明日から、アジアリーグのプレーオフ ・ファイナルが始まります。
今季のチャンピオンを決める 最終ステージに挑むのは、
王子製紙と、日本製紙クレインズの両チーム!
ともにファーストラウンドから勝ち上がり、
勢いに乗っているだけに、
どんな戦いが繰り広げられるのか、楽しみです!
ところで、日本のホッケー界に、もうすっかり定着したプレーオフ制度ですが、
トップリーグに初めて導入されたのは、日本リーグが25回目の節目を迎えた、17季前のこと。
6チームによるレギュラーシーズンで1位か2位になれば、無条件でプレーオフに出場。
また3位のチームも、2位と勝点10ポイント差以内ならば、プレーオフへ進出できるというものでしたが、
3位の十條製紙(現クレインズ)は、惜しくも勝点が及ばなかったため、
1位の国土計画(現プリンスラビッツ)と、2位の王子製紙による、
5回戦制のファイナルで、王座を争いました。
当時の日本リーグは、この年を含めて、前後の14年間にわたって、
国土(1992-93シーズンからはコクド)と王子が、優勝を分け合っていた “二強時代” とあって、
初めてのファイナルも、この2チームが つばぜり合いを演じ、2勝2敗で最終戦へ!
そんな激しい戦いにピリオドを打ったのが、王子の
城野正樹 選手 (現監督)でした。
まだ入社2年目の19歳だったにもかかわらず、
C Fとして、レギュラーシーズンからフル出場していた城野選手は、
ともに王手をかけて迎えた第5戦で、貴重な先制点をゲット。
さらに、両チームが点を加え、3−3の同点で迎えた第3ピリオド終盤には、
王子に優勝を呼び込む決勝ゴール!
ベテランと呼ばれる世代に差し掛かった頃に、その話をすると、
「昔のことなので、もう忘れましたよ」と城野選手は笑っていましたが、
「語りべ」は、身動きするのも大変なほどの観客で埋まった東伏見のリンクが
ゴールの瞬間に大きく揺れたことを、今でも鮮明に覚えています。
現役時代に、初めてのプレーオフで、
“ミスターファイナル” と、誰もが認める活躍を見せた城野選手が、
監督として臨む初めてのファイナルで、どんな采配を披露するのか、注目が集まります。
対して、クレインズにも “ミスターファイナル” と呼ばれる活躍をしてきた選手がいます。
それは、
桑原ライアン春男 選手!
3シーズン前、アジアリーグにプレーオフが導入されて以来、
クレインズは、毎年 ファイナルを戦っているだけに、
“ミスターファイナル” の候補が、たくさんいますが、
その中でも、桑原選手の働きは、群を抜いています。
コクド時代に、優勝決定試合でハットトリックを達成するなど、
これまで、日本リーグとアジアリーグのファイナルでは、
36試合にプレーして、14ゴール24アシストと大暴れ!
昨季も、セミファイナルでは、全くポイントに絡むことができなかったにもかかわらず、
最終ステージを待っていたかのように、
ファイナルに入ると、4試合で7ポイントをマークして、優勝に大きく貢献した、
クレインズの “ミスターファイナル” なのです。
ところが、そんな桑原選手も、今季は開幕から不完全燃焼気味。
プレーに今までのようなキレが感じられず、思わず 「?」 と、首をかしげてしまうよう時も…。
しかし、ファイナルを前にして、転機になりそうな出来事がありました。
それは、プリンスラビッツとの
セミファイナル第4戦でのこと。
同点に追いついたクレインズは、第2ピリオドが残り5分となった時に、
タイソン ・ナッシュ選手の力強いドライブから、相手の反則を誘って、
ペナルティショットのチャンスを得ました。
「(ペナルティショットをもらった)ナッシュにしようか、
でも(伊藤)雅俊もいるし、(三谷)ダーシもいるし…。正直言って迷いました」
と相沢浩二監督が、誰をシューターに起用するか、考えを巡らせていたところに、
三谷選手から、こんな声が掛かったのだそうです。
「ライアンがいいよ!」
残念ながら、桑原選手のペナルティショットは、GKに阻まれてしまいましたが、
なかなかエンジンが掛からずにいた自分を指名してくれた、
チームメイトと監督の思いに応えるかのように、
その後の桑原選手は、持ち前のフィジカルなプレーを随所に発揮。
「ついにライアン覚醒!」という雰囲気を漂わせて、セミファイナルを締めくくっただけに、
今季も “ミスターファイナル” となりそうな期待感が高まります。
明日から始まる最終ステージで、
果たして、誰が “ミスターファイナル” と呼ばれる活躍を見せるのか !?
そして、今季のチャンピオンの座を勝ち取るのは、どちらのチームか !?
プレーオフ ・ファイナルの模様も、
FMくしろ で、全試合生中継します!
どうぞ、ご期待ください !!
◆photo supported by
YONSU