加藤じろう直営!「語りべ」通信
 
2022.01.14
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2009.01.26
HAPPY NEW HISTORY
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

昨年の9月20日に開幕した、アジアリーグのレギュラーシーズンは、
最終戦に勝利したアニャンハルラが、自力で首位の座を手にして、昨日、全日程を終了しました。

今季のハルラの戦いを振り返ると、
序盤戦は、なかなかチーム状態が上向かず、11月中旬には、5位までダウン。
オフェンス力は好調で、総得点とパワープレーの成功率が、リーグトップだった一方で、
総失点が4位、ペナルティキリングの防御率は6位と、デイフェンス面には課題が見られ、
決して、順風満帆だったわけではありません。

しかし、勢いだけでは、長いレギュラーシーズンを、トップで戦え終えることはできないだけに、
リーダーズフラッグを勝ち取ったのは、“実力ナンバーワンチームの証” だと言えるでしょう。

思い返せば、アジアリーグが産声を上げた 2003年11月15日。
ハルラ(当時はハルラウィニア)は、ラビッツ(当時はコクド)に、1−11と大敗

力の差を見せつけられ、ペナルティばかりを繰り返してしまっていたチームが、
戦うごとに腕を磨き続けて、
5年後に、レギュラーシーズン第1位となることを、一体、誰が想像したでしょうか?

これまでアジアリーグは、日本製紙クレインズと、SEIBUプリンスラビッツしか、
レギュラーシーズンのトップになったことがないだけに、
今季のハルラの躍進は、韓国勢初の快挙!

「韓国のアイスホッケーの歴史の中でも、大きな発展につながる素晴らしいシーズンだと思う」
とハルラの シム ・ウィシク 監督は、話していましたが、
アジアのホッケー界にとっても、新たな歴史の第一歩に。

くしくも今日は、旧暦で祝う韓国のお正月(ソルラル)。
しかし、アジアのホッケー界にとっては、HAPPY NEW YEARではなく、
HAPPY NEW HISTORY !

「変化」がなくては、「進化」していくことはないだけに、
これからも、アジアのホッケー界に、新しい歴史が刻まれ続けていくことを、期待しましょう!
      HAPPY NEW HISTORY
◆photo by ANYANG HALLA ICE HOCKEY CLUB
アジアリーグ | comments(5) | trackbacks(0)
2009.01.25
クイズ・LOVE HOCKEY !! 〜第13問〜
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

突然ですが、問題です!

次の5つのヒントから連想されるのは、一体、どこの街でしょうか?

市内中心部には、たくさんの高層ビル
<ヒント1>
周辺エリアを含めると、
人口約350万人以上のビッグシティ。
市内中心部には、たくさんの高層ビルが立ち並んでいます。
歴史を感じさせる建物
<ヒント2>
その一方で、16世紀頃から、街が歩み続けてきたとあって、
歴史を感じさせる建物が、
今もなお、到るところに残っています。
ヨーロッパの香りが漂う街並み
<ヒント3>
古くから門戸を開いて、
フランス系の移民を、多く受け入れてきたため、
あちらこちらから、ヨーロッパの香りが漂ってきます。
セリーヌ ・ディオンが結婚式を行なった大聖堂
<ヒント4>
セリーヌ ・ディオンが結婚式を行なった市内の大聖堂には、
世界でも屈指の規模を誇るパイプオルガンがあり、
毎日、観光客が訪れています。
ファンを沸かせてきた名選手たち
<ヒント5>
オリンピックやF1が開催されるなど、スポーツも盛んですが、
この街の一番人気は、何といっても、アイスホッケー!
数多くの名選手たちが、ファンを沸かせてきました。

皆さん、お分かりになりましたか?
もしかしたら、ホッケーファンの方には簡単だったかも !?

正解は、 こちらをクリック!
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QUIZ LOVE HOCKEY !! | comments(4) | trackbacks(0)
2009.01.24
超鬼門脱出なるか !?
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

いよいよ明日、アジアリーグのレギュラーシーズンが、クライマックスを迎えますが、
前回の記事でも紹介したように、最終日を前にして、
7チームのうち、6チームの順位が、まだ決まっていないという大混戦!

注目は、何といっても、レギュラーシーズンの首位争いですが、
リーダーズフラッグを、手にする可能性があるのは、
現在トップの アニャンハルラ と、2位の SEIBUプリンスラビッツ に絞られました。

現状では、2位のラビッツが、逆転でリーダーズフラッグを射止めるのは、
14時から始まる試合で、まず勝点3ポイント(第3ピリオド終了時での勝利)をマークした上に、
19時からの試合で、ハルラが、勝点を奪えなかった時しかないだけに、
ハルラが有利なのは、否めないところです。

とはいえ、首位のハルラが、vs High1(ハイワン)戦、
対してラビッツは、日光バックス戦というように、両チームとも、明日は下位チームと対戦しますが、
どんな結末が待っているのか、全く予想がつきません。

アジアリーグ最大のライバルバトル!モクトン(木洞)アイスリンクで行なわれる、
ハルラ vs High1の “韓国ダービー” は、
毎試合、両チームの闘志が激しくぶつかり合う、
アジアリーグ最大のライバルバトル!

既にHigh1は、5位が決まっているとはいえ、
このカードには、並々ならぬ意気込みで臨んでくるだけに、
ハルラは、息の抜けない試合となりそう。

一方のラビッツも、先週末に、地元ファンの前で快勝して意気上がる、
バックスが相手とあって、こちらも油断は禁物です。

ラビッツvsバックス戦は、ラビッツが26連勝中しかし、このカードの対戦成績を見てみると、
ラビッツが5戦全勝の上に、総得点27に対して、総失点6と圧倒。

さらに、アジアリーグ(プレーオフを含む)に加えて、
もう一つのビッグタイトルである 全日本選手権での対戦も含めると
2006年1月のアジアリーグの神戸での試合に、
バックスが、3−1のスコアで勝って以来、
ナント! ラビッツが、公式戦26連勝中 !!

その上、明日の試合の舞台となる、
ダイドードリンコ アイスアリーナ(旧東伏見アイスアリーナも含む)に限ると、
バックスは、西武鉄道(6季前に廃部)には、何度も土をつけたことがあるものの、
このカードでは、トップリーグ(日本リーグ&アジアリーグ)と、
全日本選手権の公式戦で、併せて22連敗中…。

最後の勝利は、ともにチームの前身である、
国土計画(現ラビッツ)と、古河電工(現バックス)時代まで遡って、
1984年10月29日 (「語りべ」も まだ中学生でした…)に行なわれた、
第19回 ・日本リーグでのこと。

長江肇選手と、大橋現(うつし)選手が、それぞれ2ゴールを決めるなどして挙げた7得点を、
GKの後藤日出男選手が守り切って(皆さん、ご存知ですか?)、7−5で勝利して以来、
ダイドードリンコ アイスアリーナでの このカードでは、
実に、足掛け24シーズンにもわたって、バックスが白星から遠ざかっているのです。

以前の記事で、お伝えしたように、アジアリーグがスタートしてから、
ダイドードリンコ アイスアリーナでのラビッツ戦で、同じように11連敗中だったハルラは、
先月17日の試合で白星を手にして、ついに鬼門脱出を果たしましたが、
最下位脱出もかかる明日の試合で、バックスは、“超鬼門脱出” となるでしょうか?

余談になりますが、スポーツ中継を担当するアナウンサーの間では、
「記録のことを話すと、それが途切れる」
というジンクスが、昔から言い伝えられていますが、
果たして、そのジンクスどおりに(?)明日の試合で、バックスが意地を見せるのか !?
それとも、ラビッツが連勝記録を伸ばして、リーダーズフラッグ獲得へ、望みを繋ぐのか !?

レギュラーシーズンのクライマックスに ふさわしい、好ゲームを見せて欲しいですね!
アジアリーグ | comments(8) | trackbacks(2)
2009.01.23
3年目への期待感
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

アジアリーグのレギュラーシーズンは、
今週末(25日)に行なわれる3試合をもって、全日程が終了しますが、
5位が確定しているHigh1(ハイワン)以外は、
最終日の結果によって、順位が決まるという大混戦。

お気に入りのチームが、何位でフィニッシュするのか?
そして、プレーオフの組み合わせは、どうなるのか?
気になってしまって、ついついヤキモキ!
という人も、いるのではないですか?

そんなホッケーファンの気持ちとは別に、20日の試合をもって、
チャイナシャークスだけは、一足早く、シーズンオフを迎えました。

2年目の戦いを終えたシャークスですが、
開幕前に掲げていた「プレーオフ進出」という第一目標は、達成することができずじまい…。
昨季は7戦全敗だったHigh1に今季は勝ち越したシャークス
しかし、試合内容に目を転じると、
1年目は、勝機を見出すことさえもできなかった
SEIBUプリンスラビッツに、ホーム開幕戦で土をつけただけでなく
昨季は7戦全敗だったHigh1戦に至っては、4勝2敗と勝ち越して、
「本当にレベルアップしたと思う」
とキャプテンの#9 ソン ・チヨン選手を、感心させたほどでした。

そんなシャークスのレベルアップぶりは、
先日の記事でも紹介したように、ディフェンス力の向上に表れています。

というのも、今季は7つの白星をマークしましたが、
いずれも、相手チームを2点以下に抑えて、守り勝ったもの。
昨季の通算成績と比べてみると、
1試合の平均失点が、5.3点 から 3.6点 へ、
ペナルティキリングの防御率も、66.43% から 78.29% へ、それぞれ大幅に改善しました。

シャークスのディフェンス力向上の立役者フラハティ選手(手前)とマッケンナ選手(奥)その立役者は、GKの #33 ウェド ・フラハティ 選手と、
DFの #29 スティーブ ・マッケンナ 選手。

特にマッケンナ選手は、
リーグ随一のアイスタイムを強いられながら、
疲れも見せず、フル回転。
全試合に出場して、獅子奮迅の活躍を披露したのに加えて、
若手選手の指南役としても、存在感を発揮していました。

この2人が、助っ人らしい働きをしたのに対して、
デレック ・アイスラー ヘッドコーチが、辛口の採点をつけたのが、FWの外国人選手たち。
「来季は、もっと強力な外国人選手が必要だ」 と話しているだけに、
1試合平均1.7点しか奪えず、7つも完封負け喫してしまった オフェンス力のアップへ向けて、
オフの間に、どんな補強をするのか、クリス ・コリンズGM の手腕に、注目が集まります。

コリンズGMの手腕といえば、スンタレーカップを4度も手にした経験を誇る、
クロード ・ルミュー選手(現サンノゼシャークス)をはじめ、
今季も、シーズン途中に、緊急補強を実施。

特に、リーグ規定によって、外国人選手の扱いとならないことから、
日本人選手には、積極的にアプローチをするなど、
コリンズGMは、何としてもプレーオフのチケットを手にしようと、最後まで奔走していました。

その中から、契約に至った #14 佐藤画(かく) 選手(写真左)は、
シーズン半ばからの出場ながら、チーム5位の得点をマーク。

#2 佐藤正和 選手(写真右)も、終盤に肩を負傷してしまったものの、
言葉の壁を物ともせず、中国人選手たちとのコミュニケーションを心掛け、
チームに、なくてはならない存在となっていただけに、
来季は、さらに多くの日本人選手を獲得する可能性が、あるかもしれません。
      チーム5位の得点をマークした佐藤画選手  中国人選手たちとのコミュニケーションを心掛けていた佐藤正和選手

このように、シャークスの戦いを振り返ると、
やはり助っ人選手たちが、キープレーヤーであったことは否めませんが、
活躍が光っていた中国人選手も、見られました。

「レベルアップのために、常に競争をさせた」
というアイスラー ヘッドコーチの言葉どおり、今季のシャークスは、
中国代表でもプレーした経験を持つ イン ・カイ 選手や、前キャプテンの ジョウ ・ユディー 選手、
さらに、ケガに泣かされた ジャン ・ウェイヤン 、ワン ・ジーチアン の両FWら、
実績のある選手でも、満足のいく働きができないようだと、戦力に みなされないことも。

しかし、それとは対照的に、
昨季は、シャークスのメンバーに選ばれなかった #12 チェン ・レイ 選手が、
スペシャルプレーに起用され続けたことに応えて、
中国人選手では、最多ポイントをマークする働きをするなど、アピールした選手も。

シーズン途中にDFへコンバートされたリウ・ホーナン選手その筆頭が、#18 リウ ・ホーナン 選手!
本来はFWのリウ ・ホーナン選手ですが、DFが手薄なチーム事情から
アイスラー ヘッドコーチに白羽の矢を立てられ、
開幕して間もなく、突然のコンバート指令。

「DFをやったことが一度もないから、かなりのプレッシャーだよ」
と苦笑いしながらも、シーズン終了まで、DFとしてプレーし続け、
ゴール前で、必至に守っている姿が見られました。

激しい競争の成果もあってか、
中国代表の指導経験もある ワン ・ベンユ コーチの口からは、こんな言葉が──。

「外国人選手に頼っているのは事実ですけれど、
シャークスになってから、いろいろな指導を受けて、中国人選手も成長しています!」

まだまだ時間が かかるかもしれませんが、
“3年目への期待感” を漂わせて、チャイナシャークスは、今季の全日程を戦い終えました。

◆photo by YONSU

★本日の小ネタは…
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アジアリーグ | comments(4) | trackbacks(0)
2009.01.20
Yes We Can !
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

昨年の9月20日に開幕した アジアリーグのレギュラーシーズンは、
残すところ、あとわずか。
既にプレーオフへ進むことができる、5枚のチケットの行方は決まりましたが、
ホームアドバンテージを懸けた上位争いが、いよいよ大詰め。

そんな中、アニャンハルラが、レギュラーシーズンのナンバーワンチームに与えられる、
リーダーズフラッグ獲得まで、あと一歩に迫っています!

今季のハルラの原動力は、何と言っても、リーグナンバーワンの攻撃力ですが、
その象徴ともいえる試合が、一昨日のSEIBUプリンスラビッツとの最終戦

前日の完封勝利から一転して、この日は、3点を先制されてしまったものの、
第2ピリオドに入ってから、#96 ソン ・ドンファン 選手(写真左)が、
ゴール左の わずかなスペースに、パワープレーゴールを決めて、反撃を開始すると、
中盤には、#25 ブロック ・ラドゥンスキ 選手(写真右)が、リバウンドを叩いたのに続いて、
ノーマークになったソン ・ドンファン選手のゴールが飛び出し、わずか33秒間で、一気に同点!
     ラビッツとの最終戦で2ゴールをマークしたソン・ドンファン選手  ラビッツとの最終戦で初のハットトリックを達成したラドゥンスキ選手
その後、再び リードを許してしまいますが、
試合終了26秒前に、#36 パク ・ウサン 選手の ゴール前でのスクリーンプレーを活かし、
ラドゥンスキ選手が、起死回生の同点ゴールをゲットして、試合を振り出しに戻すと、
最後は、ゲームウイニングショット戦で、ラビッツを振り切って逆転勝利!

「3点以内に抑えないと」
アニャンに乗り込む前に こう話していた、ラビッツの若林クリス監督のゲームプランを、
ハルラの攻撃力が打ち破り、4−0、6−5のスコアで、2連勝を飾りました。

これでハルラは、25日の最終戦(vsHigh1)で、勝点を1ポイントマークするか、
唯一、逆転首位のチャンスが残されているラビッツが、
明日(vsHigh1)と、25日(vsバックス)の試合で、
ともに勝点3ポイント(第3ピリオド終了時での勝利)を挙げることができないと、
リーダーズフラッグを、手にすることに。

昨季までの5年間は、日本のチームが、いずれもリーダーズフラッグを獲得してきただけに、
もしもハルラが、今季のレギュラーシーズンを1位で戦い終えると、
アジアリーグ発足以来、初めて海外(韓国、中国、ロシア)のチームが、
“実力ナンバーワン” の座に輝くことになります。

今季のハルラは、序盤戦こそ、なかなかエンジンが掛からなかったものの、徐々に調子を上げていき、
12月以降は、13勝3敗(OT、GWSでの結果も含む)と、一気に加速しましたが、
チームリーダーの #5 キム ・ウジェ キャプテンは、その要因を、「気持ち」だと話しています。

ハルラのチームリーダー キム・ウジェ キャプテン「(11戦全敗だった)東伏見のラビッツ戦(12月17日の試合)で、
初めて勝ったことが、
選手たちにとって、大きな自信になっています。

浮かれることなく、気持ちを引き締めて、戦い続けてさえいけば、
どのチームが相手でも、いい試合ができるはずなので、
何としても、レギュラーシーズンを1位で戦い終えたいです。
日本のチームと同じくらいのレベルまで、成長できたと思います」

ハルラは、海外チームでは唯一、アジアリーグに初年度(2003−04)から参戦していますが、
思い返せば、最初の試合で、コクド(現ラビッツ)相手に、1−11と大敗・・・。

しかし、試合を戦うごとに力をつけていったハルラ(当時はハルラウィニア)は、
1年目から、3位になったのに続いて、
3年目以降は、今季まで4年続けて、プレーオフにコマを進めています。

ハルラだけでなく、High1も、昨季のレギュラーシーズンで、2位の好成績を収めたり、
チャイナシャークスも、2年目の今季は、ラビッツやクレインズから、白星をマークしたりするなど、
各チームのレベルが、どんどん拮抗してきました。

Yes We Can!

今日(現地時間)、アメリカ大統領就任式に臨む バラク ・オバマ氏が、
選挙戦の際に掲げたスローガンのように、
韓国と中国のチームが、どんどん力をつけていくことで、
アジアリーグは、これから もっと見逃せなくなっていきそうですね!

◆photo by YONSU
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2009.01.18
進化し続けるレフェリー
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

ジャパンパラリンピック アイススレッジホッケー競技大会」は、
カナダが2連覇を飾って、全日程が終了しました。

4日間にわたって、ビッグハットで激しい戦いを繰り広げた、
カナダ、アメリカ、日本、ノルウェーの選手たちの健闘ぶりは、とても印象的でしたが、
各国の選手だけでなく、「語りべ」が、健闘を称えたい人たちがいます。
それは、レフェリーの皆さんです!

残念ながら日本には、スレッジホッケー専門のレフェリーがいないため、
日本アイススレッジホッケー協会からの依頼を受け、
日本アイスホッケー連盟に登録されているレフェリーの方々が、ホイッスルを吹きましたが、
それと同時に、スレッジホッケー特有のルールがあることから、
大会期間中に、海外からやってきたレフェリーを招いて、講習会が行なわれました。

レフェリー講習会には、長野オリンピックや、世界選手権のトップディビジョンで、
ラインズマンとしても活躍した経験を持つ 高橋裕一(ひろかず)氏や、
昨年の大会で、全試合レフェリーを務めた 高野弘貴氏に、
長野パラリンピックでもホイッスルを吹いた 後藤哲彦氏らとともに、
岡谷市の やまびこスケートの森 にお勤めの 笠原芳文 さんの姿も!

笠原芳文レフェリー笠原さんが、スレッジホッケーに携わるようになったのは、
日本が初めて出場権を得た、1998年の長野パラリンピックに先駆けて、
選手の育成と強化を目的に、
日本で初めてのクラブチーム ・長野サンダーバーズが誕生した時のこと。

サンダーバーズが、勤務先のアイスアリーナを練習場にしていたため、
「アイスホッケーのプレー経験があったので、練習を手伝うようになった」
のがキッカケだそうです。

その後、アイスホッケーのレフェリー登録をした笠原さんは、
スレッジホッケーの試合にも、積極的に携わるようになり、
2002年のソルトレイク パラリンピックでは、決勝戦のラインズマンを担当。

そんな経験を買われて、今大会では審判長に任命され、5試合に出場しましたが、
レフェリースーパーバイザーとして、アメリカから来日した ジョナサン ・モリソン氏からも、
高い評価を受けたように、しっかりと大役を務めあげました。

しかし笠原さんの表情は、決して緩むことがありませんでした。
というのも笠原さんには、こんな大きな目標があるからです。

「バンクーバー パラリンピックで、またレフェリーをやりたいんです」

前回のトリノ パラリンピックでも、レフェリーを担当した試合があったそうですが、
「あの雰囲気に のまれてしまって、納得いくジャッジができませんでした」
と笠原さんは、悔やんでいるだけに、
今大会中も、いろいろな人からのアドバイスに、真剣に耳を傾けている姿が見られました。

勤務先のアリーナでは、サンダーバーズだけでなく、日本代表の合宿も行なわれますが、
早朝どころか、深夜未明の時間から練習が始まることも、珍しくありません。

にもかかわらず笠原さんは、
「その時間に合わせて、出勤しなければいけないですから、
ハッキリ言って、かなり眠いですけど(笑)、
選手たちが頑張っていますから、眠いだなんて言えないですよ」
と言って、いつも笑顔で、選手たちを迎えています。

「選手たちが高い目標を持っている以上は、
レフェリーも高い目標を持って、レベルアップしていかないと!」

決して強い口調ではなかったものの、こうハッキリと言い切った笠原さん。
選手やチームだけでなく、大きな目標に向かって “進化し続けるレフェリー” にも、
心からエールを送りたいですね!

◆photo by HATAPYON
パラアイスホッケー(スレッジホッケー) | comments(4) | trackbacks(0)
2009.01.17
進化し続ける日本代表
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

昨季の世界選手権の上位4ヶ国が、熱戦を繰り広げていた、
ジャパンパラリンピック アイススレッジホッケー競技大会」は、
昨日をもって幕を閉じましたが、予選リーグ3位の日本は、
最終日に、ノルウェー(予選リーグ4位)との3位決定戦を戦い、2−0で勝利。

残念ながら、1つも勝つことができずに最下位に終わった、昨年の大会とは打って変わって、
長野パラリンピックで優勝し、昨季の世界選手権でも準優勝した実績を誇る、
強豪 ・ノルウェー相手に2勝をマークして、銅メダルを獲得しました!

スレッジホッケー日本代表・中北浩仁監督しかし、日本の 中北浩仁(こうじん)監督からは、
銅メダルを手にした選手たちへの称賛とともに、
「明確に課題が見えました」 という言葉も聞かれました。

決勝戦進出のチケットを争うヤマ場となった、予選リーグの最終戦で、
カナダに黒星を喫してしまったあと、
「大事な試合に勝つために、モチベーションを、どうやって高めるか」
「ミスをしないためには、どういったフォーメーションがいいのか」
などのポイントを挙げたのに続いて、
中北監督が掲げた最大の課題は、ズバリ 「決定力」!

今大会の日本は、予選リーグから通じて4試合を戦い、2勝2敗でしたが、
黒星を喫した2試合のスコアを見てみると、
アメリカ戦は、0−0のまま決着がつかず、シュートアウトでの敗戦。
さらに、続くカナダ戦は1−3と、両試合とも、オフェンスが振るいませんでした。

とはいえ、どちらの試合も、完全にオフェンスを封じられてしまったわけではなく、
決して多くはなかったものの、決定的なスコアリングチャンスも!

それだけに中北監督は、
「数少ないチャンスの時に、ゴールに(パックを)押し込められるかが、メダルの壁だと思います」
と言って、決定力を最大の課題に挙げたのです。

もっとも、これは今に始まったことではありません。
世界の列強に比べて、どうしても体格で引けをとり、シュートの威力に差が出てしまうだけに、
アイスホッケーと同様に、「決定力」は、日本代表にとって長年の課題。

それだけに、スレッジホッケー日本代表も、決定力不足解消のために、
様々なシュート練習を行って、得点力アップに取り組んでいますが、
今大会の直前合宿では、こんなユニークな練習が行なわれていました。
   視覚的効果を狙ったシュート練習 視覚的効果を狙ったシュート練習

シュートを打つ時は、ゴールの四隅を狙え!
と指示を出すだけでなく、いろいろなアングルからの目線で、
どこにシュートを放てば、得点につながるのかを、
ロープを使うことで、視覚的に覚えてもらおうというもの。

このように、監督、コーチ、そしてスタッフの皆さんが知恵を出し合って、
スレッジホッケー日本代表は、世界の頂点を目指して、進化し続けているのです!

小さい頃からバックを追っていた、アイスホッケーのトッププレーヤーたちと異なり、
スレッジホッケーの選手たちは、
プレーを始めるまで、ホッケーを見たことすらなかったという人が、珍しくありません。

それだけに、昨年も紹介しましたが
「ほとんどの選手が、ホッケーのことを知らずに始めたから、フォアチェックの練習をする前に、
フォアチェックとは何か? というところから教えないとダメなので、大変ですよ」
青木栄広(よしひろ)コーチが、思わず苦笑いをしてしまうほど。

しかし、裏を返せば、ホッケーキャリアが浅い分、
一気に才能が開花することもあるだけに、大きな伸びしろを、秘めているかもしれません。

日本代表の選手たちは、今月末に、再び強化合宿を行い、
2月末からは、バンクーバーで開催される パラリンピックのプレ国際大会に参加。

そして、いよいよ5月には、
バンクーバー パラリンピックの出場権を懸けた、世界選手権(チェコで開催予定)に挑みます。

世界の列強を相手に、これから どんな戦いを繰り広げていくのか !?
“進化し続ける日本代表” の躍進を、期待したいですね!

尚、M38さんがコメントをしてくださったように、
カナダが5−0でアメリカを下して、V2を達成した決勝戦と併せて、
3位決定戦の模様は、こちらのサイトで見ることができます。

◆photo supported by JAPAN ICE SLEDGE HOCKEY ASSOCIATION
パラアイスホッケー(スレッジホッケー) | comments(0) | trackbacks(0)
2009.01.16
進化し続ける守護神
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

長野市のビッグハットに、世界のトップ4が集まって繰り広げられている、
ジャパンパラリンピック アイススレッジホッケー競技大会」は、
昨日をもって、予選リーグが終了。

前回の記事で紹介したように、ノルウェーとの初戦で、完封勝利を収めた日本は、
続くアメリカ戦と、カナダ戦に臨みましたが、結果は2連敗…。
残念ながら、決勝戦に進むことができませんでした。

とはいっても、決して悲観する試合内容ではありません。
「バックチェックさえ しっかりやれば、十分(互角に)戦える」
という 須藤悟 選手の言葉どおり、
昨季の世界選手権で優勝したカナダ相手に、1−3。
アメリカ戦(同大会3位)に至っては、0−0のまま、GWS戦まで もつれた末の惜敗とあって、
試合終了後には、スタンドのファンから、惜しみない大きな拍手が送られていました。

進化し続ける守護神・永瀬充選手そんな試合を演じた立役者が、GKの 永瀬充(みつる) 選手!
初戦で、ノルウェー相手に、シャットアウトを演じた永瀬選手は、
その後の試合でも、ガッチリとゴールを死守。

特にアメリカ戦では、思わず目をつぶってしまうようなピンチを、
何度もビッグセーブで凌ぎ、
パワフルな選手が揃うアメリカのオフェンスを、
延長戦終了まで、無得点に封じてみせました。

文字どおり “守護神” としての働きを披露した永瀬選手ですが、
その働きは、相手のシュートをブロックしていただけに、とどまりません。

「DFとは、常にコミュニケーションをとるようにして、
相手のカウンターアタックの時の守り方などを、確認しています。
それと、ゴーリーは、試合中に全体のプレーが見れるので、
パックに寄り過ぎたりしないように、積極的に声を出すよう心掛けています。
理想は、全員で守って、シュートを1本も打たれないことですね」

日本人初のNHLプレーヤー 福藤豊 選手(ECHLベーカーズフィールド)は、
「GKは氷上のボスだと思っている」
と話していましたが、永瀬選手も、まさに “日本代表の氷上のボス” であるかのように、
日本の守りを、ガッチリ支えているのです。

1998年の長野パラリンピックでは、アメリカを相手に、
続く2002年のソルトレイク パラリンピックでは、カナダに対して、
それぞれ日本が金星を挙げた時に、ゴールを死守していたのを筆頭に、
長年にわたって、守護神の座に君臨し続けている永瀬選手。

そんな実績に加え、カナダのオタワに留学して、腕を磨いた経験もありながら、
「今までは、感覚だけでプレーしていた」のだと言います。

しかし最近は、ビデオを見たりすることで、様々な角度からホッケーを研究。
どうやって失点を防ぐのかを考えて、アイスホッケーのGKと同様に、
「しっかりポジションをとれば、点は取られないはず」
と積極的に前に出ることを、心掛けたりするなど、レベルアップに余念がありません。

その表れは、永瀬選手が使っている用具にも見られます。
スレッジホッケーは、その名のとおり、
選手たちが、スレッジ(そり)に乗ってプレーするのですが(写真左)、
スレッジには、ホッケーシューズと違って、スケートエッジが2本があります(写真右)。
  スレッジホッケーはスレッジ(そり)に乗ってプレー スレッジにはスケートエッジが2本

ところが、永瀬選手が使っているスレッジのエッジを、よーく見てみると、
両方のエッジの真ん中に、白い部分が…
    エッジとエッジの間にプラスチックが入った特製のスレッジ
実は、この白い部分は、プラスチックで、
こうすることによって、「横の動きがスムーズになる」ことから、
特製のスレッジを、作ってもらったのだそうです。

長野パラリンピックから11年。
日本のゴールを守り続けてきた永瀬選手の口からは、こんな言葉が飛び出してきました。

「最近になって、GKのおもしろさが分かってきました!」

もうすぐ33歳の誕生日を迎え、そろそろベテラン世代の仲間入りとなる永瀬選手ですが、
まだまだ腕を磨いていこうと、意気盛んな様子。

“レベルアップし続ける守護神” は、
銅メダルを賭けてノルウェーと戦う、今日の3位決定戦でも、
ガッチリとゴールを死守してくれるに違いありません!

 〜豆知識〜
 今回はGK用のスレッジを紹介しましたが、プレーヤー(FW&DF)のエッジは、もっと間隔が短く、
 なかには俊敏な動きができるように、エッジが1本だけしかない選手もいるそうです。

◆photo supported by JAPAN ICE SLEDGE HOCKEY ASSOCIATION
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2009.01.14
前向きモードのキャプテン
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

カナダ、ノルウェー、アメリカ、日本という世界のトップ4が、
長野市のビッグハットを舞台に激突する、
ジャパンパラリンピック ・アイススレッジホッケー競技大会」が昨日開幕。

日本は、ノルウェーと顔を合わせましたが、
4−0のスコアで、会心のシャットアウト勝利を収めました!

チームの全得点をマークして、インタビュー攻めに遭う上原選手体調不良によって、チーム1のポイントゲッターが、来日しなかったため、
ペストメンバーだとはいえないものの、
昨季の世界選手権で準優勝したノルウェーを相手に、
見事に快勝した立役者は、
何といっても、キャプテンの 上原大祐 選手。

第1ピリオド4分半に決めた先制ゴールを皮切りに、
ナント! チームの全得点をマークする、4ゴールの大活躍を披露して、
試合後は、テレビや、地元の新聞からの、取材攻めに遭っていました。

今季から、キャプテンに就任した上原選手ですが、
最初の試合となった、11月のカナダでの国際大会では、
初戦の立ち上がりで、いきなり指を負傷…

しかし、こんな大きなアクシデントに見舞われながらも、
上原選手は、すぐさま気持ちを “前向きモード” に切り替えて、
「自分が へこんでしまうと、チームも へこんでしまうと思って」
と話し、大きな声で、ペンチから、チームメイトに声援を送り続けていました。

そんな上原選手のキャラクターを知っているだけに、
日本代表の 中北浩仁(こうじん)監督も、
「彼が得点すると、チームが盛り上がりますからね」
というように、ポイントゲッターとしての上原選手の働きに、大きな期待を寄せています。

とはいえ、「今でも感覚がないところも、あるんですよね」
との本人の言葉どおり、11月にケガをした指は、決して完治したわけでは、ありません。

にもかかわらず、上原選手の表情は、常に笑顔。
「ノルウェーと違って、(今日対戦する)アメリカは、どんどんチェックにくるチームですけれど、
勝たないと、おもしろくないですし、勝たないと、自信にならないですからね」
と言うように、あくまで “前向きモード” で、強敵に挑みます。

果たして、上原選手が、どんな活躍を見せてくれるのか !?
“前向きモードのキャプテン” の働きに、大きな期待が集まります!

尚、大会や日本代表の情報は、今大会に合わせてリニューアルされた、
日本アイススレッジホッケー協会のオフィシャルホームページ に掲載されています。
ぜひ、アクセスしてください!
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2009.01.12
ラビッツクラシックを見て思ったこと
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
シーソーゲームを制したラビッツの勝利
昨日、西東京市東伏見のダイドードリンコ アイスアリーナでは、
ラビッツクラシック」と銘打たれた、
SEIBUプリンスラビッツ vs 王子イーグルス6回戦が行われました。

試合は、二転三転のシーソーゲームとなりましたが、
4−3のスコアで、ラビッツが勝利!
4点差で黒星を喫した前日のリベンジを、果たしました。
初雪が降ったり、強風が吹き荒れたりした、ここのところの悪天候とは打って変わって、
昨日の東京地方は、朝から穏やかな冬晴れとなり、絶好のお出掛け日和!
のはずだったのですが、東伏見での試合観戦の際に、多くの人が利用する西武新宿線が、
車両故障によって運行停止に…。

西武線運行停止のアクシデントがありながらスタンドは満員に
そんなアクシデントがあったにもかかわらず、
満員となったスタンドを前にして、、、
    「指定席のチケットが売り切れてしまって、
    キツキツの通路に立ちながら、
    試合を見ていたことがあったなぁ…」

と学生時代の記憶が蘇ってきたり──
白い西武と赤い王子のジャージは東伏見のリンクになぜだかハマる(?)
白い西武と、赤い王子が、
揃って練習している姿を目の当たりして、、、
    「この2つのジャージが揃うと、
    なぜだか東伏見のリンクにハマるなぁ…」

という思いが浮かんできたり──
藤田選手より号泣していた心優しき栗林イクイップメントマネージャー
試合終了後の藤田選手の引退発表セレモニーで、
メッセージを読み上げる藤田選手本人よりも、
通訳をした栗林豊イクイップメント マネージャーが、
大粒の涙を流していたのを見て、、、
    「西武鉄道時代から、同じチームで、
    ともに戦ってきた “Hockey Family” は、
    熱い友情で結びついているんだなぁ…」

ということを、 あらためて感じさせられて、
何だか、うれしい気持ちになりました。


この笑顔に、また会うことができました!しかし、それより何より「語りべ」が、うれしかったのは、
リンクで、しばらく見掛けなかった人たちと、また会えたこと!

西武鉄道を応援していたファンの人たちは、
6年前をもって、チームがコクド(現ラビッツ)に吸収される形で、
その歴史にピリオドを打ってしまってから、
なかなか見掛けられなくなり、
元気なのかな? と思っていた人も、多くいらっしゃったのですが、
そんな人たちとも、また会うことができました!

「東伏見のリンクから、ホッケーの灯が消えようとしているのは、とても残念に思います。
これからも東伏見でホッケーが見られることを、願っています!」

試合後に行われた藤田選手の引退セレモニー試合後の引退発表セレモニーで、
藤田選手は、ファンの人たちに向かって、
こんなメッセージを残しました。

彼の言葉を耳にして、
ホッケーによって、知り合うことができた人たちと、
ホッケーによって、
また出会えた人たちがいるということを、
あらためて感じさせられました。

ラビッツクラシックを見て思ったこと、それは やっばり、この言葉です。

            「LOVE HOCKEY !!」

★本日の小ネタは…
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前略、「語りべ」より | comments(15) | trackbacks(0)
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