日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
先週末に、アジアリーグが開幕し、
24日に初戦を迎えるチャイナドラゴンを除く6チームが、
アニャン、苫小牧、釧路の3都市で、熱戦を繰り広げました。
昨季に続いて、開幕で顔を合わせた、
アニャンハルラ vs High1(ハイワン)の “韓国ダービー” は、
1勝1敗に終わり、星を分け合いましたが、
2試合で、実に23回のゴールシーンが飛び出すという、
壮絶な点の取り合い!
激しいゴール前でのバトルが、何度も繰り広げられ、
アニャンアイスアリーナのファンは、大いに沸き上がりました。
先日の記事でも紹介しましたが、
この両チームは、ともにオフェンス力に長けた選手が揃っているとあって、
開幕2連戦を終えた段階での パワープレーの成績は、
High1が、50%! ハルラも、40%! と驚異的な成功率 !!
今季は、パワープレーの成績が、これまで以上に、勝敗を左右することが予想されますが、
High1では、#11 トレバー ・ギャラント 選手がハットトリックを達成しただけでなく、
#6 山田佑哉 選手と、#18 上野拓紀 (ひろき)選手 も、ゴールをゲット。
対するハルラでも、
注目のルーキー #87 チョ ・ミンホ 選手が、
第1セットのウイングとしてデビューを飾り、初ポイントをマークするなど、
どちらも新戦力の活躍で、攻撃力がアップしているだけに、
レギュラーシーズンは、この2チームが、リードしていきそうな予感が漂います。
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一方、苫小牧で行なわれた、
王子イーグルスと日光バックスの試合も、
1勝1敗に終わりましたが、
特筆すべきは、
昨日の試合で、
バックスが、見事に接戦を制したこと!
先制点をゲットした、2年目の 福沢直哉 選手が、
「初めて王子に勝てたので、スゴくうれしいです!」
と試合後に、満面の笑みを浮かべていたように、
このカードでは、一昨季以来の白星とあって、
勝利の瞬間は、どの選手も喜びを隠し切れませんでした。
勝ち越しゴールを決めた 鈴木貴人 選手も、
自らのスティックで、移籍初勝利を呼び込んだとあって、
「これまでのキャリアの中でも、印象に残る試合です」 と記者会見でコメント。
鈴木選手は、この日の試合前に、
「開幕戦は、いい試合だったけれど、それで満足してはダメ。
いい試合をするのは当たり前のことで、
それに勝利がついてこないと、いけないんだ」
とチームメイトに、ゲキを飛ばしたそうですが、
「前日よりも、いい試合をできたことが収穫だと思います」
と言って、選手たちが、60分間ハードに戦ったことを評価。
さらに、「バックスは、どのチームよりも努力しないと、
勝つことができないと思います」と初勝利に浮かれることなく
今後の戦いに、気持ちを切り替えていました。
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そして、今季の開幕カードの中で、最大のトピックスは、東北フリーブレイズの大健闘!
中心DFの スティーブ ・マン 選手をケガで欠く、厳しい台所事情にもかかわらず、
ディフェンディング チャンピオンの 日本製紙クレインズを相手に、
初戦は、2−4。
2戦目も、4−5と連敗を喫したものの、
昨日の試合は、ゲームウイニングショットの末の敗戦だったため、勝点1ポイントを手にしました。
開幕前に危惧されていた、「戦力不足」の声を払拭するような、大健闘を見せたフリーブレイズを、
外国人選手とともに牽引したのは、やはりアジアリーグでのプレー経験がある、移籍選手たち。
GKの 橋本三千雄 選手(元バックス)が、再三再四の好セーブを見せれば、
FWの 奥山章文、鈴木雅仁 両選手(ともに元イーグルス)と、石岡敏 選手(元ラビッツ)は、
ゴールを決めて、釧路までやってきたフリーブレイズファンを、沸かせていましたが、
なかでも、イキイキとしたプレーを見せていたのが、鈴木選手!
実は、鈴木選手は、イーグルス(当時は王子製紙)に入った年に、
自身のデビュー戦で、いきなり初ゴールを決めましたが、
フリーブレイズでも、またまた最初の試合で、
しかも、歴史に残るチーム初得点をゲット!
「自分でも理由は分からないですけれど、
ホントに初めての試合に強いですね」
と鈴木選手は笑っていましたが、
学生時代から定評のある得点センスが、
健在であることを披露してくれただけに、
これからもポイントゲッターとして、
次々と得点をもたらせて、チームに貢献してくれそうです。
イーグルス時代は、なかなか力を発揮し切れなかった鈴木選手ですが、
「これまでの苦しかった経験があるからこそ、今の自分があるので、
やらなくちゃいけない! やれるんだ! と信じて、後悔しないようにプレーしていきたいです」
と言って、やる気満々の様子。
そんなやる気は、氷の上だけでなく、それ以外の部分でも見られ、
「アジアリーグでプレーする選手として、憧れてもらえるような存在にならないと。
だから、自分のことだけじゃなくて、ちゃんと周りの気持ちも考える。
たとえば、練習をさせてもらっているリンクの人たちにも、感謝をするとか、
ゴミが落ちていたら、自分の近くじゃなくても、ちゃんと拾うとか、小さなことも大事だと思います」
と話しているように、新しいチームを、“
前へ !!” 導いていこうと、高い意識を持っています。
鈴木選手をはじめ、実績のある選手たちが、
チームにやってきたこともあって、
ルーキーたちも、グングンと力をつけてきて、
FWでは、貞宗(さだむね)謙太郎 選手(写真右)。
DFでも、菊池秀治(=しゅうじ 写真左)選手や、
今城(いまじょう)和智 選手に、八戸出身の 原優人 選手は
開幕戦から、スペシャルプレーにも登場。
まだまだ伸びしろがありそうな選手も多いだけに、
今後の戦いからも、目が離せそうにありません。
開幕カードを見る限り、まさに “戦国時代の幕開け!” を予感させる、今季のアジアリーグ。
これからも、手に汗握るエキサイティングな試合が、たくさん見られそうですね。