日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
前回の記事で、ディビジョン1残留を目標に、
かつてない強化体制を予定して、4月に開催される世界選手権へ臨む、
韓国代表チームの話を紹介しましたが、
代表監督も歴任する、High1の キム ・ヒウ 監督は、
現在 「バンクーバー オリンピック」 を視察中とのこと。
オフの間は、カナダで暮らしていることから、現地には知人も多いそうで、
オリンピックブレイクを有効に活かし、精力的にスカウティング活動をしているようです。
ところで、そのキム ・ヒウ監督が、
オリンピックブレイク中に、どうしても実現させたかった試合がありました。
それは、アイスホッケーの 「日韓代表戦」!
多くの移動時間や遠征費をかけずに、試合を行えることから、
「こちらが日本に赴いてもいいし、日本代表に、韓国へ来てもらってもいい」
と言って、日本の関係者へアプローチ。
12月に High1 が、郡山で試合をした際には、
日本代表の マーク ・マホン ヘッドコーチ(HC)に、直談判までしましたが、
返ってきた答えは、、、 残念ながら 「No」
その理由を、マホン HC に聞いてみたところ、
「
長野カップ」の対戦国とスケジュールが、既に決まっていたことと、
「今の日本には、上位チームとの対戦が必要」 だからと話していました。
現在の
世界ランキングを見ると、
日本 の
21位 に対して、
韓国 は
30位。
世界選手権トップディビジョンへの昇格を目指す日本にとっては、
ランキングが下回る韓国ではなく、
長野カップのように、格上の強豪国との試合を増やして、腕を磨くべきだというのです。
それだけに、マホン HC は、長野カップ終了後、来季の強化プランとして、
▼9月に、若手選手による日本代表と、アジアリーグのチームとの試合をする
▼2月に、冬季アジア大会に参加する。
というアジアでの強化とともに、
「11月のインターナショナルブレイクを利用して、ヨーロッパに遠征し、1週間で4試合ほど戦う」
との青写真を描いていると、教えてくれました。
マホン HC は、長年ドイツでプレーし、国籍も取得していることから、
ヨーロッパに、数多くの人脈を持っているそうで、
これまでにも、その人脈を有効に使って、「ドイツカップ」などの国際大会に参戦してきました。
さらに、マホン HC によると、
「各国から、日本は評価されているので、対戦相手には困らない」
とのことなので、青写真を現実の物にするのは、容易なことのように思われますが、
その一方で、マホン HC の口からは、こんな言葉が。
「全ての強化には、予算が必要になってくる」
地理的な条件から、日本代表が、海外遠征をするには、
バス移動も可能なヨーロッパ諸国よりも、はるかに多くの時間と予算が、必要になります。
しかも、鳩山政権が発足してからの動きを見る限り、
盛んだとは言えないスポーツ競技に対しての強化資金の配分は、
減らされてしまう気配が濃厚…。
それだけに、マホン HC は、以前から、マーケティングの重要性を口にしていますが、
昨今の経済情勢を考えると、
短期間で、一気に強化予算が増えることは、望めそうにありません。
そこで注目したいのが、キム ・ヒウ監督が提案した、「日韓代表戦」です!
「ハルラとの試合のほうが、疲れますよ」
という長野カップで、ある日本代表のDFが口にした言葉や、、、
「セミファイナルのほうが、キツかったですね」
という昨季のファイナルの最中に、クレインズの選手たちが話していた言葉が示すように、
アジアリーグに参戦してからの、ハルラと High1 のレベルアップは、誰もが認めるところ。
しかし、それは、日本のチームよりも、多く在籍している外国人選手たちの力だけではなく、
韓国人選手たちがレベルアップしていることも、見逃すわけにはいきません。
しかも、日本に比べて韓国は、ジュニア世代の指導が、確立されていないそうなので、
若手選手たちには、まだまだ伸びしろがありそう!
それだけに、多くの時間と予算をかけずに行なえる 「日韓代表戦」 を繰り返して、
韓国代表が、さらにレベルアップしていけば、
やがて日本代表のレベルアップにも、つながっていくのではないでしょうか?
それに加えて、キム ・ヒウ監督が、日本の関係者へアプローチしていた際に話していた、
こんな意見にも、耳を傾けなくてはなりません。
「お互いをライバルだと思っているから、必ず日韓代表戦は盛り上がっていくはず。
アジアのホッケー界全体のためにも、絶対にいいことだと思う」
サッカーや野球のように、
ホッケーでも、日本と韓国が、国際的な競争力を高めながら、
定期的に、試合を開催し続けていけば、だんだん注目を浴びるようになって、
いずれは、興行面での期待もできるようになるのでは、ないでしょうか?
2年前に、「
アジアの春」と題したシリーズ記事でも論じましたが、
「語りべ」が取材をしていて、耳にした意見を集約すると、
各カテゴリーの指導者の方たちが、尽力してきた甲斐あって、
日本の選手たちのレベルは、間違いなく上がっているようです。
にもかかわらず、世界ランキングが、目に見えて上がっていかないのは、
他の国も、日本と同じか、それ以上に、レベルアップしているのです!
前述のような事情を考えると、これからの日本代表の強化は、
限られた予算の中で、的確かつ効率的に行なう必要性が高まってくるはず。
それだけに、バンクーバーで、世界各国が金メダルを目指して戦っている今、
「日韓代表戦」の実現を、真剣に検討するべきではないでしょうか?
というようなカタイことを言う前に、、、 ホッケーファンの皆さん!
2003年9月の西東京での対戦以来、日本では行なわれていない “氷上の日韓戦” を、
見てみたいと思いませんか???
サッカーや野球の両国の対戦のように、
“氷上の日韓戦” が、スポーツファンの注目を集める日が、やってくることを願いたいですね。