加藤じろう直営!「語りべ」通信
 
2022.01.14
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2010.04.30
APRIL TRANSACTIONS
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

ゴールデンウイークに入りましたが、いかがお過ごしですか?

今月は、冬に逆戻りしてしまったような日が、続きましたけれど(寒かったですよね〜)、
ここへ来て、ずい分と春めいてきましたね!

ところで、春といえば、就職や転勤に、入学や引越しなど、新たな生活がスタート!
という人を、多く見掛ける季節ですが、
シーズンを戦い終えたアジアリーグの各チームからは、
新たな動きを知らせるニュースが、伝わってきています。

「語りべ」通信の読者の方からも、お問い合わせメールが、たくさん届きましたので、
4月の各チームの新たな動きを、まとめて紹介しましょう!


以前の記事でも紹介しましたが、
王子イーグルスは、21日に、 城野正樹 監督の退任と、
桜井邦彦岩田康範多田恭平追切慎吾 各選手が、チームロースターから離れ、
代わって、成澤優太 (GK・東洋大学)、 久慈修平金子亮介 (ともにFW・早稲田大学)、
三田村康平 (FW・白樺学園高校)4選手が新加入。
併せて、山中武司 コーチの 監督昇格、及び 桜井選手のコーチ就任を、
メディアリリースしました。


そのイーグルスを倒して、日本一に輝いた 日本製紙クレインズ は、
一昨日、釧路市内で記者会見を開き、
相沢浩二 監督をはじめ、 三谷ターシタケシ山野由宇佐藤匡史原武大輔
ピエール・オリビエ・ボーリュー土塚修平 6選手の退団と、
新たに、東洋大学から、 坂上太希 (FW)、 蛯名正博 (DF) 両選手と、
明治大学から、 江端勇人 (FW)、 坂田駿 (DF) 両選手の入団に加えて、
佐々木博明 コーチの 新監督就任を、発表したそうです。


また、クレインズに先駆けて、
日光アイスバックス は、 中西翔一 選手。
東北フリーブレイズ は、 中村卓也伊藤慶介倉田龍一 3選手の退団を。
さらに、High1 (ハイワン)は、 キム ・ユンソン コーチが、
来季からは、監督としてチームを率いることを、
それぞれ オフィシャルホームページ などを通じて、発表しています。

尚、チーム名をクリックすると、
各チームのホームページにアクセスできますので、ご確認ください。
アジアリーグ | comments(4) | trackbacks(0)
2010.04.29
大本命の敗退

日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

NHLのプレーオフは、昨日(現地時間)の試合をもって、
ファーストラウンド(カンファレンス クォーターファイナル)が終了しました。

第一関門を突破したチームを見てみると、、、

ウエスタン カンファレンスでは、
2年続けてファイナルまで勝ち上がっている デトロイト レッドウイングス に加えて、
サンノゼ シャークスシカゴ ブラックホークスバンクーバー カナックス と、
各ディビジョンのトップチームが、順当にセカンドラウンドへ進出。

対して、イースタン カンファレンスは、
昨季の覇者 ピッツバーグ ペンギンズ こそ、シリーズを制したものの、
ワシントン キャピタルズニュージャージー デビルスバッファロー セイバーズ
というディビジョンのチャンピオンに輝いた3チームが、いずれも敗れてしまう波乱が!

なかでも、最大の波乱と言えるのは、ワシントンの敗退です。


今季のワシントンは、順調に勝点を重ねて、
レギュラーシーズンのナンバーワンチームに与えられる プレジデンツ トロフィーを獲得。

以前の記事でも お伝えしましたが、
終盤戦に差し掛かってからは、トレードによる戦力補強や、ラインの組み替えを実戦で試し、
「プレーオフへの備えをしてきた」
ブルース ・ブードロー ヘッドコーチ(HC)が、言い切るほどの充実ぶり。

アレックス ・オベチキン 選手(写真右)や、アレクサンダー ・セミン 選手(写真左)をはじめ、
20ゴール以上をマークした選手が7人も揃う、自慢の攻撃力を武器に、
リーグトップの得点と、パワープレー成功率を記録したことも手伝って、
「優勝候補の大本命」 との呼び声が高まりました。
      アレックス・オベチキン Alex Ovechkin 選手とアレクサンダー・セミンAlexander Semin 選手

イースタンカンファレンス第8位の モントリオール カナディアンズ と、
ファーストラウンドで顔を合わせたワシントンは、
初戦こそ、オーバータイムの末に敗れたものの、第2戦から3連勝して、一気に王手。

前評判どおり、このままモントリオールを、すんなり退けるかと思われましたが、
そこに立ちはだかった選手がいました。

それは、GKの ヤロスラフ ・ハラク 選手です!


ハラク選手が、どれほど活躍したかを示すのが、この数字 → 「131本」

これが何の数字なのか、分かりますか?
実は、王手を掛けられたあとの3試合で、ハラク選手がセーブしたシュート数 なのです。

第3戦で、第2ピリオド途中までに3点を失って、KOされてしまったハラク選手は、
第4戦こそ、バックアップに回ったものの、
第5戦から、再び先発マスクを託されると、汚名返上とばかりに、好セーブを連発!

第5戦 → 38本! 第6戦 → 54本 !! 第7戦 → 42本 !!!
と矢継ぎ早のシュートを、浴び続けたにもかかわらず、
ワシントンの強力オフェンスを、3試合続けて、1点のみに抑える大活躍。

スロバキアのゴールを守ったオリンピックでのプレーを凌ぐ、
ハラク選手の好セーブのおかげで、モントリオールは、
わずか16本のシュートしか打てなかったにもかかわらず、白星を手にした(第7戦)、
NHLタイ(珍?)記録を達成しました。

一方、第4戦までに4得点していた オベチキン 選手は、第5戦以降、1ゴールのみ。
レギュラーシーズンで、40ゴールをゲットした セミン選手に至っては、
7試合で44本ものシュートを放ちながら、無得点…。

屈指の二枚看板を封じられてしまったワシントンは、まさかの3連敗を喫してしまい、
ファーストラウンドで、敗れ去ることになりました。


さらに、もう一つ、ワシントンが苦しめられたものがあります。

見逃すことができないのは、この数字 → 「182回」

これが何の数字なのか、分かりますか?
実は、ファーストラウンド7試合での モントリオールのシュートブロック数 なのです。

昨日の第7戦では、ワシントンの選手が、打ちも打ったり 94本 ものシュートを放ちましたが、
そのうち、ハラク選手に浴びせたショッツ オン ゴールは、42本。
ゴールの枠から外れたミスショットが、11本。

それ以外の 41本 はと言うと、、、
モントリオールの選手が、体を張ってシュートブロックしたもの!

第7戦を筆頭に、モントリオールのシュートブロック数は、シリーズを通じて、実に 182 回。
1試合平均 26 回のシュートブロック数は、ワシントンを 10 回も上回っています。

この数字が示すように、オベチキン選手をはじめとした、得点力の高い選手に対しては、
タイトなマークを徹底して、スペースを与えないようにしたり、
ディフェンディングゾーンでは、
シューターとGKの間に選手が必ず入って、シュートコースを封じたりするなど、
モントリオールは、文字どおり、体を張った守りを展開。

これに苦しめられたワシントンは、
レギュラーシーズンで 25.2% を記録した パワープレーの成功率が、
ファーストラウンドでは、わずか 3%(33回で1得点)にダウン。

レギュラーシーズン終盤での「プレーオフへ備えてきた」ことを活かそうと、
パワープレーのメンバーや、選手のポジションを変えて、活路を見出そうとしましたが、
結果が出ないまま終戦。

「今季は(スタンレー)カップを手にするピッグチャンスだったのに…」
と言って、ブードローHCは唇を噛んでいましたが、
スター選手たちの力量を上回る、気持ちのこもったプレーが、勝敗を分けたのかもしれません。
      自慢の得点力を取り戻すために手を打ち続けたブルース・ブードロー Bruce Boudreau ヘッドコーチ

昨季の サンノゼ シャークス に続いて、
プレジデンツトロフィーを獲得したレギュラーシーズン ナンバーワンチームが、
ファーストラウンドで敗退。

“大本命の敗退” で終了したファーストラウンドに続いて、
NHLのプレーオフは、両チームのHCが 師弟対決 を繰り広げる、
「サンノゼ vs デトロイト レッドウイングス」のシリーズを皮切りに、
今日から、セカンドラウンド がスタートします!

NHL | comments(9) | -
2010.04.23
立ち上がりの泣き笑い
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

先日の記事で紹介したように、「世界選手権ディビジョン1」は、
2つのグループに分かれて、熱戦を繰り広げていましたが、
一足早く、17日に開幕した グループBは、今日 最終日を迎えました。

このグループには、昨季のディビジョン2で優勝した、韓国代表が参戦していましたが、
ともに白星のないクロアチアとの “最終決戦” を、5−2 のスコアで制して、
「何としても、ディビジョン1に残留する!」
という目標を、見事に達成しました。

「若い選手たちが、一生懸命にプレーしてくれた」
とキム ・ヒウ監督は、大会を振り返って、成長著しいヤングパワーを称えていましたが、
見逃すことができないのは、今大会のメンバーの中では最年長となる、
ソン ・ドンファン 選手(アニャンハルラ #96)の存在です!
        ソン・ドンファン選手

ソン ・ドンファン 選手は、
ともに24歳の キム ・ギソン (ハルラ #1)、パク ・ウサン(ハルラ #36)両選手とともに、
第1セットのFWとして起用されましたが、
若いラインメイトに負けじと、チームトップの4得点をマーク。

なかでも圧巻だったのは、クロアチア戦で見せた、試合序盤での連続ゴール。
ディビジョン1残留を懸けた大事な試合で、チームに勢いをもたらせた活躍ぶりは、
さすが、アジア屈指のゴールスコアラー!

ジュニア時代に、世界選手権の最多記録となる「1試合33得点」を叩き出し、
その試合に着ていたジャージが、ホッケー殿堂入りしたほどの実績は、ダテではありません。

ソン ・ドンファン選手は、このオフに、新婚旅行の予定があるそうですが、
楽しい旅行になりそうですね〜♪ (お幸せに !!)


一方、19日からオランダで行なわれている グループA に臨んでいる日本代表は、
最大のヤマ場と見られていた 昨日のオーストリア戦に、1−3 で敗戦。

ソン ・ドンファン選手の連続ゴールで、序盤から波に乗った韓国代表とは逆に、
この試合の日本代表は、第1ピリオドの8分半までに、
2回のショートハンドを守りきれず、連続失点する厳しいスタート。

「開始早々の2失点は痛かった。第2ピリオドからは持ち直しただけに、残念でならない」
とマーク ・マホン ヘッドコーチも、悔しがっていた様子で、
日本アイスホッケー連盟からのリリースに書かれているとおり、
目標に掲げている、「(トップディビジョンへの)昇格争いから一歩後退」しまいました…。

“立ち上がりの泣き笑い” によって、韓国代表とは対照的に、
日本代表は、苦しい立場に追い込まれてしまいましたが、
最終戦まで、全力で戦い抜いてくれることを期待しましょう!
アイスホッケー | comments(11) | trackbacks(0)
2010.04.22
支持率89%!
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

今月10日に、たちあがれ日本 が結党されたのに続いて、
明日には、舛添要一 前厚生労働相が中心となって、
(事実上の)新党を旗揚げする見込みというように、
ここのところ、日本の政治界では、新しい動きが続いていることから、
世論調査を元にした各政党の支持率が、テレビのニュースなどで、よく報じられています。

そんな中、ある番組の中で、ナント! 支持率 89% !
という驚異的な数字が発表されたことを、ご存知ですか?

といっても、政治の話ではなく、ホッケーに関する数字です。


プレーオフが始まったのに合わせて、
NHLの ゲーリー ・ベットマン コミッショナーが、試合会場に足を運んでいますが、
先日のフェニックスに続いて、
昨日(現地時間)は、ロサンゼルスの ステイプルズセンター を訪問しました。
     ステイプルズセンター STAPLES CENTER

会場では、8年ぶりにプレーオフへ勝ち進んだ ロサンゼルス キングスと、
バンクーバー カナックスとの試合を取材に訪れた メディアからの質問に応じていたのとともに、
地元のテレビ局 FOX SPORTS NET WEST(FSN-W)の生中継に、ゲスト出演!

文字どおり、NHLのトップパーソンがやってくるとあって、
FSN−Wは、視聴者への質問を紹介して、電話投票を実施したのですが、その質問とは、、、
 2014年に開催される ソチ オリンピック に、NHL選手が出場するのを支持しますか?

これまでNHLは、1998年の長野オリンピックから、
今年の2月に行なわれたバンクーバーまで、
4大会連続でレギュラーシーズンの日程を中断し、オリンピックブレイクを設けて、
各チームの所属選手が、母国の代表としてプレーするための アシストをしてきました。

しかし、この取り決めは、バンクーバーまでのもの。
4年後のソチ大会に関しては、現時点で白紙となっています。

母国ロシアでのオリンピック出場を熱望する アレックス ・オベチキン 選手(ワシントン)が、
「NHLの選手会へ、働きかけをしていきたい」と話している一方で、
レギュラーシーズンの日程が中断することや、
所属選手がケガをしてしまうことを心配する チーム経営者側の意見も考慮して、
「まだ決定すべき時期ではない」
とベットマン コミッショナーは、態度を保留中。

そこで、FSN−W は、ホッケーファンに対して、
「2014年に開催されるソチ オリンピックに、NHL選手が出場するのを支持しますか?」
という質問をしたところ、視聴者からの電話投票の結果は…
               YES 89%        NO 11%

この日の試合には、ロサンゼルスを支える若手DFの
ドリュー ・ダウティ 選手(カナダ)と、ジャック ・ジョンソン 選手(アメリカ)。

対するバンクーバーにも、
国を代表する超人気プレーヤーの ロベルト ・ルオンゴ 選手(カナダ)や、
ダニエルヘンリク のセディンツインズ(スウェーデン)など、
バンクーバー オリンピックを沸かせた選手が、数多く揃っていたとはいうものの、
89% という高い支持率は、日本の各政党が、うらやむほどの驚異的な数字ですね〜(笑)

ベットマン コミッショナーは、この数字を聞かされても、
生放送中に、明確な方向性を、口にすることはありませんでしたが、
政治の世界も、ホッケー界も、庶民の声が反映されるようになって欲しいですよね!


NHL | comments(2) | trackbacks(0)
2010.04.21
王子イーグルス新体制発表!
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

今日、王子イーグルスが、来季の新体制を発表しました。

それによると、新たに下記の4選手が、イーグルスの一員に!(敬称略)

成澤優太 (なりさわ ゆうた=#39 GK 179cm 71kg 釧路工−東洋大)
久慈修平 (くじ しゅうへい=#21 FW 172cm 73kg 駒大苫小牧高−早稲田大)
金子亮介 (かねこ りょうすけ=#18 FW 172cm 69kg 東京出身−駒大苫小牧高−早稲田大)
三田村康平 (みたむら こうへい=#10 FW 175cm 78kg 白樺学園高)

この4選手は、いずれもシニアやジュニアの世界選手権で、
日本代表としてプレーした実績の持ち主だけに、1年目からの活躍が期待されます。

一方、今季限りで、3年間にわたってチームを率いた 城野正樹 監督と、
19年もの間、中心FWとして活躍した 桜井邦彦岩田康範 両選手に加えて、
多田恭平 選手、追切慎吾 選手が退団。

また、城野監督の後任として、山中武司 コーチ(写真)が、監督に昇格し、
現役を引退した桜井選手が、コーチとして参謀役を務めることになったそうです。

一昨季に、アジアリーグ初優勝を飾ったものの
ここ2年間は、アジアリーグと全日本選手権のタイトルを、手にすることができなかっただけに、
山中新監督の下で王座奪還を目指す、来季のイーグルスに注目ですね!
       山中武司新監督
アジアリーグ | comments(5) | trackbacks(0)
2010.04.19
気合十分!
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

先週末から、NBAのプレーオフが始まりましたが、
14日(現地時間)にスタートしたNHLのプレーオフは、
ファーストラウンド(カンファレンス クォーターファイナル)の真っ只中。

ファーストラウンドからファイルまで、4つのラウンドは、いずれも7回戦制で争われ、
はじめにレギュラーシーズンの上位チームのホームアリーナで、2試合を戦ったのち、
下位チームのホームアリーナに移って、第3戦と、第4戦を開催。

どちらかのチームが4連勝しない限りは、
その後、上位のホーム → 下位のホーム → 上位のホーム と、
1戦ずつ会場を移しながら、決着がつくまで続いていきます。

現在、各シリーズともに、第1戦と、第2戦が終了し、
昨日の試合を皮切りに、下位チームのホームアリーナへと、舞台を移しているところですが、
今季のプレーオフは、最初の2試合を終えた時点で、全てのシリーズが1勝1敗に。

その上、16試合のうち 11試合が1点差という、タイトな試合が続いているだけに、
どの選手も、気合十分! 例年にも増して、ハードなプレーが見られます。


しかし、気合十分なのは、選手だけではありません。
各チームのファンも、レギュラーシーズン以上の盛り上がりぶり!

NHLでは、ファン心理を あおるかのように、
プレーオフに入ると、チームカラーのグッズを、来場者全員に配布して、
スタンドの一体感を高める応援プロモーションが、よく行なわれ、
ワシントンのベライゾンランターは、キャピタルズカラーの赤に!
フィラディルフィアのワコビアセンターは、フライヤーズカラーのオレンジに!
というように、アリーナが チームカラーに染まります !!

なかでも、そんな応援プロモーションが、大成功しているのは、
フェニックスコヨーテスのホームゲームが行なわれている、ジョビングドットコム アリーナ。
     ジョビングドットコムアリーナ Jobing.com Arena

低迷期を脱して、8年ぶりのプレーオフ出場を果たしたフェニックスは、
白いTシャツとタオルを配って、「White out」 と銘打った応援プロモーションを実施!

White out は、今季のレギュラーシーズンでも、行なわれたことがありましたが、
プレーオフでは、パワーアップ。
地元のテレビ局では、CMもオンエアされました。
    

大々的なPRの甲斐もあって、デトロイト レッドウイングスを迎えた第1戦と、第2戦には、
熱〜いファンが、続々と詰め掛けて、スタンドが白一色となり
こんなファンの姿も!  【Photo1】  【Photo2】  【Photo3

今季の序盤戦までは、様々なファンサービスに取り組みながら、
ほとんどの試合で、スタンドに閑古鳥が鳴いていたアリーナとは思えないほど、
フェニックスのファンは気合十分! のようですね。


ところが !! そんなファンに勝るとも劣らないほど、
気合十分の姿で、アリーナにやってきた人がいました。

それは、元日本製紙クレインズのFW タイソン・ナッシュ 氏!

以前の記事でも お伝えしましたが、
2季前に、クレインズでプレーしたナッシュ氏は、シーズン終了後、現役生活にピリオドを打ち、
今季から、フェニックスのホームゲームを中継している FOX SPORTS NET ARIZONA で、
解説者を務めていますが、
第2戦の放送席に、この出で立ちで登場!

クレインズ時代に、釧路の街を、同じファッションで歩いていたら、
すれ違う人が、みんな よけてしまったでしょうけれど…、
放送席でも White out という姿は、まさしくプロフェッショナル!(かな?)
ハードなプレーを身上とした現役時代と同様に、解説者としても、気合十分だったようです。

もしかしたら、来季のアジアリーグでも、
FMくしろ の放送席に、クレインズカラーの黒一色でやってくる 重野賢司 さんや、
八戸テレビの中継に、フリーブレイズカラーの青色のファッションで登場する 佐藤弘一 さん
というように、気合十分の解説者さんの姿が、見られるかもしれませんね(笑)


尚、ナッシュ氏の “晴れ姿” での仕事ぶりをチェックしてみたいという方は、
試合中継後に放送されたポストゲームショーの模様 を。

White out の盛り上がりを見てみたいという方は、
こちらのレポートビデオ を、ご覧ください。
NHL | comments(5) | trackbacks(0)
2010.04.16
世界選手権ディビジョン1開幕!
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

前回の記事で紹介しましたが、
14日(現地時間)から、NHLのプレーオフが開幕しました。

昨季の王者の ピッツバーグ ペンギンズや、
レギュラーシーズンで、ナンバーワンの成績を残した ワシントン キャピタルズが、
いきなり黒星スタートとなったり、
初日と2日目に行なわれた7カードが、いずれも1点差という、スリリングな試合の連続に、
北米のホッケーファンは、一喜一憂しているようですが、
明日からは、アジアのホッケーファンが、一喜一憂しそうな戦いが始まります。

それは、「世界選手権ディビジョン1」です!

スロベニアで開催される グループB には、
昨年のディビジョン2で優勝した、韓国代表 が出場。

3年前の地元での大会で優勝し、ディビジョン1へ昇格した際には、
1つの白星を挙げることもできずに降格してしまったため、
昨年から韓国代表を率いている、キム ・ヒウ監督は、
「何としても、ディビジョン1に残留する!」
という目標を、力強く掲げています。

そのために、オリンピックブレイクの間と、アジアリーグのファイナル終了後には、
ドラマの舞台にもなった、ソウル北東部のテルン選手村のスケートリンクで、代表合宿を実施。

これまでにない強化体制を敷いて、2年ぶりのデイビジョン1に挑む韓国代表は、
2月に発表された22人のうち、
兵役任務に就いた GKの#30 ソン ・ホソン 選手と、
故障のため、プレーオフを欠場した DFの#58 イ ・スンヨプ 選手(ともにアニャンハルラ)が、
出場することができなくなったため、二人の選手が、新たに加わりました。

まず一人目は、High1のポイントゲッター #16 クォン ・テアン 選手!
       クォン・テアン選手

12月の日本遠征で、肩を痛めてしまって、
レギュラシーズン終盤を、棒に振ってしまったものの、
プレーオフには戦列へ復帰して、
セミファイナルの第1戦で、先制点をゲットするなど、元気な姿を披露。

DFが7人になってしまうにもかかわらず、2月に発表されたメンバーの中に、
「レフトハンドのFWが少ない(3人のみ)ので、各ラインのバランスをとるのが難しい」
というキム ・ヒウ監督の考えもあって選出された クォン ・テアン選手には、
昨季のディビジョン2で、ベストFWに輝いたような大活躍が望まれます。

そして、もう一人は、延世大学のGK #31 パク ・ソンジェ 選手(この春から4年生)。
       パク・ソンジェ選手

潜在能力の高さと、将来性に期待する声を、数多く耳にするほどの選手だけに、
アジアリーグで活躍中の #31 オム ・ヒョンスン 選手(High1)とともに、
キム ・ヒウ監督が、どのようなGKの起用をするのか、注目されますね。


ところで、GKの起用といえば、韓国代表だけでなく、
グループBより2日遅い19日から、オランダで行なわれる グループA に参加する、
日本代表 にも、注目が集まります。

苫小牧でのセレクション合宿終了後に、
日本アイスホッケー連盟から、23選手が発表されましたが、
GKの顔ぶれを見ると、
王子イーグルスの 春名真仁 選手と、日本製紙クレインズの 石川央(ひさし)選手に加えて、
ECHL のベーカーズフィールドから、今季はオランダに活躍の場を移して、
大会開催地のティルブルフでプレーした 福藤豊 選手の名前が!
       ベーカーズフィールド時代の福藤豊選手

「ソチオリンピックを目指すために、今年こそトップディビジョン昇格を果たしたい」

このように意気込んでいるマーク ・マホン ヘッドコーチは、
長野カップを戦い終えて、世界選手権の展望を聞かれた時に、
「ディビジョン1では、タフな試合が続くから、一人のGKで、5試合を乗り切るの難しい」
と話していただけに、
昨年のディビジョン1でマスクを被った、春名、石川両選手と、
6年ぶりに日の丸のジャージを着て戦う福藤選手に、どの試合の先発を託すのか 興味津々!

NHLのプレーオフの真っ最中のため、
抜群のスコリングセンスを誇る トーマス ・バネク 選手(バッファロー セイバース)が、
優勝候補筆頭のオーストリア代表に、加わることができず、
日本代表にとっては、“追い風” が吹いているだけに、
GKの頑張りで、ロースコアの試合に持ち込んで、勝機を見出すことができるでしょうか?


韓国代表はもちろん、日本代表にとっても、
世界ランキングで上回る、格上のチームとの対戦が続くだけに、
GKの働きが、勝敗の行方を左右するのは、間違いなさそう。

一足早く始まっているディビジョン2(グループB)では、
中国代表が苦戦を強いられ、早々に再昇格への道を絶たれてしまっただけに、
ディビジョン1では、韓国代表と日本代表が、
アジアのホッケーをアピールするような好試合を、演じてくれることを期待しましょう!

                (本文中に紹介した韓国代表選手の背番号は、所属チームのものです)
アイスホッケー | comments(10) | trackbacks(0)
2010.04.14
History will be made
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

11日(現地時間)の試合をもって、レギュラーシーズンの全日程を終えたNHLは、
今日から、東西両カンファレンスの上位8チームによる、プレーオフがスタート。

レギュラーシーズンの最終順位によって、ファーストラウンドの組み合わせも決まり、
スタンレーカップを目指しての、激しいバトルが始まりますが、
注目されるのは、何と言っても、ワシントン キャピタルズ の戦い!

以前の記事でも紹介したように、今季のワシントンは、
NHL史上3位タイとなる14連勝を飾るなどして、常にディビジョントップをキープ。

年間勝利数や勝点で、チームレコードを樹立するほどの強さを見せつけて、
レギュラーシーズンのナンバーワンチームに与えられる プレジデンツトロフィー を、
初めて獲得しました。

しかし、その戦いぶりを見ると、レギュラーシーズンの終盤は、
勝点こそ積み重ねていったものの、それまでの勢いが感じられない試合も・・・。

ところが、チームを率いる ブルース ・ブードロー ヘッドコーチ(HC)は、全く意に介さず、
メディアに対して、こんな言葉を口にしました。

「プレーオフへの備えをしてきた」
     ブルース・ブードロー Bruce Boudreau ヘッドコーチ

今季のワシントンは、早々にプレーオフ出場を確実としたことから、
“勝負の年” と位置づけ、トレード期限の直前に、
DFの ジョー ・コーポ 選手や、CFの エリック ・ベランジェ 選手ら、
プレーオフ戦線から脱落したチームの主力を獲得して、戦力アップ。

それに加えて、マイナーチーム(AHLのハーシー ベアーズ)からも選手を昇格させ、
5つのセットを組める布陣を整えた プードローHC は、
様々なラインの組み合わせを試しながら、選手を競わせたのと同時に、
プレーオフで想定される、あらゆる状況を視野に入れた戦いをしてきました。

幸か不幸か(?)、オリンピックブレイク以降は、本来のパワーとスピードが見られず、
ケガを押して出場しているのでは? と心配される、
アレックス ・オベチキン 選手に加えて、
第1セットの CFの ニクラス ・バックストローム 選手も、
コンディション不良のため、第1戦に出られないかも? と報じられているだけに、
いきなり 「備えをしてきた」成果が、発揮されることになるかもしれません。


さらにプードローHCは、プレーヤーだけでなく、GKに関しても、
8季前のMVP ジョゼ ・テオドア 選手(写真左)と、
デビュー2年目の シミョン ・バーラモフ 選手(写真右)を併用。
     ジョゼ・テオドア Jose Theodore 選手(左)とシミョン・バーラモフ Semyon Varlamov 選手(右)

その結果、モントリオール カナディアンズとのファーストラウンド初戦には、
昨季のデビュー戦で、いきなり初勝利を飾った相性の良さを誇る バーラモフ選手ではなく、
23試合続けて、レギュレーションタイムでの黒星がない内容の良さを評価して、
テオドア選手を先発に起用すると宣言。

テオドア選手は、古巣との対戦となることから、
早くも、かつてのチームメイトとの “舌戦” が演じられているようですが
ワシントンが1位。モントリオールが2位と、
パワープレーが強力なチーム同士の激突となるだけに、
バンクーバーオリンピックで、スロバキアの躍進に貢献した、
ヤロスラフ ・ハラク 選手との “守護神対決” が、勝敗のカギを握りそうです。


NHLでは、1985−86シーズンに、プレジデンツトロフィーが授与されるようになって以来、
これまで、のべ24チームのうち 7チームが、スタンレーカップを獲得!

しかし、昨季のサンノゼ シャークスをはじめ 4チームは、
ファーストラウンドで敗退しています…。

果たして、今季の “最強チーム” の座に輝いたワンシントンは、
初めての頂点に立つことができるでしょうか?

もちろんワシントン以外にも、一昨季、昨季と、2年連続ファイナルで対戦した、
ピッツバーグ ペンギンズ と、デトロイト レッドウイングスや、
最終戦でシュートアウトの死闘を制して勝ち上がった、フィラディルフィア フライヤーズ

さらに、ともに8年ぶりのプレーオフ進出を果たした、
フェニックス コヨーテス や、ロサンゼルス キングス など、
各チームが、スタンレーカップを目指して虎視眈々。

NHLの歴史に、新たな1ページを刻む戦いが、いよいよ始まります!
 History will be made
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2010.04.10
Who is the ROCKET ?
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

アジアリーグは、アニャンハルラの初優勝で、幕を下ろしましたが、
NHLは、レギュラーシーズンの戦いが、大詰めに差し掛かっています。

既に、プレーオフに進む8チームが確定した ウエスタン カンファレンスに対して、
イースタン カンファレンスは、残り3枚のチケットを目指して、

     ボストン ブルーインズ
     モントリオール カナディアンズ
     フィラディルフィア フライヤーズ
     ニューヨーク レンジャーズ

の4チームが、サバイバルマッチを展開中!

レギュラーシーズンの日程は、あとわずかとなりましたが、
フイラデイルフィアと、レンジャーズの直接対決2連戦が残っているなど、
11日(現地時間)の最終日まで、目が離せそうにありません。


ところで、目が離せないといえば、個人タイトルの行方も気になりますが、
なかでも、得点王争いは、し烈を極めています。

開幕前から “大本命” と目されていたのは、
一昨季と昨季の得点王に輝いた、 アレックス ・オベチキン 選手(ワシントン キャピタルズ)!
        アレックス・オベチキン Alex Ovechkin 選手

しかし今季は、ケガとペナルティによるサスペンションのため、10試合欠場したことが響いて、
現在、得点ランキングの2位タイ(48ゴール)。

以前の記事でも紹介したように、
デビュー以来、常にリーグナンバーワンの数字を記録しているシュート数は、
今季もトップをキープしているとはいえ、1試合の平均本数を見ると、、、
昨季 → 6.7 今季 → 5.1 とダウン。
(平均5本以上のシュートを放っているのはスゴイですが…)

この数字が示すように、各チームとも、スペースや、シュートコースを与えないようにする、
“オベチキン封じ” を講じている影響が、出ているようです。

さらに、もう一つ気になる数字は、オリンピックブレイク以降のゴール数。

敵地 ピッツバーグに乗り込んだ前の試合では、
第3ピリオドに2得点して、ペンギンズに引導を渡してみせましたが、
その2得点を含めても、オリンピックブレイク以降の16試合で、6ゴールのみ。

その上、3/4にあたる12試合で、ノーゴールと、
オベチキン選手にしては、物足りない数字が並んでいます。

プレーぶりを見ても、絶好調時のパワフルでスピーディーなスケーティングが影を潜め、
もしかしたら、ケガを押してプレーしているのかも?
と疑いたくなるようなシーンも…。

チーム創設史上初めて、プレジデンツトロフィー(レギュラーシーズン第1位)を手にして、
早々に、プレーオフ進出を決めたワシントンですが、
悲願の初優勝のためには、オベチキン選手はもちろんのこと、
好不調の波が大きい アレクサンダー ・セミン 選手や、
ファンをハラハラさせるプレーが目立つ(苦笑) シミョン ・バーラモフ 選手といった、
“ロシアンパワー” のコンスタントな活躍が、期待されます。


そのオベチキン選手を抑えて、得点王に最も近い位置にいるのが、
シドニー ・クロスビー 選手(ピッツバーグ)!
       シドニー・クロスビー Sidney Crosby 選手

CFらしく、これまではアシストの多さが際立っていたクロスビー選手ですが、
今季は積極的にシュートを放ち、1試合あたりのシュート数は、
オベチキン選手とは対照的に、5年目にして、最も多い数字(3.7本)を記録しています。

それが功を奏し、ルーキーシーズンに記録した39ゴールを大きく上回って、
自己最多の 49ゴールをゲット。
それに加えて、ゲームウイニングショットでは、10回の起用で、8ゴールを決めるなど、
オリンピックでも見せつけた “勝負強さ” が光ります。

ピッツバーグも、既にプレーオフ進出を決めていますが、
プレーオフで対戦することも予想される、ワシントンとニュージャージーの、ライバルチームに対して、
今季のレギュラーシーズンでは、まさかの全敗…。

それだけに、クロスビー選手が、プレーオフでも勝負強さを発揮できるかが、
ピッツバーグの2連覇へのカギとなりそうです。


オペチキン選手と、クロスビー選手という、“NHLの顔” と互角の戦いを演じて、
得点ランキング2位タイ(48ゴール)につけているのが、
弱冠20歳の スティーブン ・スタムコス 選手(タンパベイ ライトニング)!
       スティーブン・スタムコス Steven Stamkos 選手

ドラフト全体1位指名を受けて、
昨季は、ルーキーながら、46ポイント(23ゴール23アシスト)の好成績を残しましたが、
2年目の今季は、一気に飛躍!

シュートの精度がアップして、
どの角度からでも、どんな距離からでも、鋭いシュートを放つようになり、
昨季の倍にあたる 91ポイントをマーク。
特に、パワープレーになると輝きを増して、リーグトップの22得点を決めています。

残念ながら、タンパベイは、プレーオフのチケットを手にすることができませんでしたが、
カナダ代表のGMを務める マーク ・メシエ 氏が、
世界選手権のメンバーとして、視野に入れている模様。

昨季の世界選手権でも、9試合で7ゴール4アシストをマークして、
カナダの銀メダル獲得に、大きく貢献しましたが、
今季は、NHLの得点王を手土産に、世界選手権へ臨むことができるでしょうか?


49ゴールでトップを走るクロスビー選手も、
わずか1ゴール差で追うオベチキン選手と、スタムコス選手も、
レギュラーシーズンは、残り2試合。

NHLの得点王には、初めて通算500得点を記録するなど、ゴールゲッターとして大活躍した、
元モントリオール カナディアンズの選手の名前がつけられている、
「モーリス ・リシャール トロフィー」が手渡されます。

映画にもなったほどの名選手は、「ロケット」と呼ばれ、ファンに親しまれていましたが、
果たして、今季のNHLで、“ロケット” の異名を手にするのは誰か !?

プレーオフ出場権を懸けた戦いとともに、最後まで、激しい争いが続きそうです。
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2010.04.01
熱戦!プレーオフ2010<10>新たなスタート
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

4月になりました!
新年度を迎えたことで、今日から新たなスタートという方も、多いのではありませんか?

そこで、加藤じろう直営!「語りべ」通信でも、
新たなスタートを切ることになった二人の選手に、スポットライトを当てて、お届けしましょう!


前回の記事でも紹介したように、
今季のアジアリーグは、5試合中、実に4試合がオーバータイムに及ぶという、
“アジアのホッケー界の伝説に残るファイナル” を制して、アニャンハルラが初優勝。

昨季から制定されたプレーオフMVPには、
2試合連続ゲームウイニングゴールを決めるなど、
セミファイナルからの9試合で、6ゴール 7アシストをマークする活躍を見せた、
#25 ブロック ・ラドゥンスキ 選手(写真中)が、選ばれました。

しかし、ラドゥンスキ選手に引けを取らない働きで、
初優勝の原動力となった二人のことも、見逃すわけにはいきません。

その二人とは、#43 パトリック ・マルティネツ 選手(写真右)と、
#30 ソン ・ホソン 選手(写真左)!
   ハルラ初優勝の原動力となったソン・ホソン、ブロック・ラドゥンスキ、パトリック・マルティネツの各選手

「オタカー ・ヴェイヴォダ ヘッドコーチ(当時)に、
アジアのチームでプレーしてみないか? と誘われたから」
とハルラとの契約に至った理由を教えてくれたマルティネツ選手。

実は、かつてヴェイヴォダ ヘッドコーチが、
古河電工(日光バックスの前身)を指導していたことから、
「てっきり日本のチームでプレーするのだと思っていた(笑)」 そうですが、
韓国にやって来てからは、異なる文化を積極的に取り入れ、
奥さまと、二人のお嬢さんと一緒に、コリアンライフを満喫しています。

そして、肝心の氷の上では、
目の肥えたチェコのファンを沸かせてきた高いスキルを、存分に披露!
アジアリーグ屈指のプレーメーカーとして、
対戦するチームから、恐れられるほどの存在感を発揮し続けました。

「あと1年。あと1年と言っているうちに、
韓国へ来てから、もう5年になっていたよ(笑)」
というマルティネツ選手は、もう38歳。

「将来はコーチをしてみたいから、そろそろ引退するかも?」
と数年前から、冗談めかしていましたが、
今季は、開幕前に 「最後のシーズンにする」 と宣言。

その強い決意が、プレーにも表れていたマルティネツ選手は、
レギュラーシーズンMVPに輝いたほどのプレーで
ハルラの2年連続リーダーズフラッグ(第1位)獲得に大きく貢献し、
プレーオフでの活躍にも、期待が集まりました。
           パトリック・マルティネツ Patrik Martinec 選手

しかし、「好事魔多し」との言葉があるように、
マルティネツ選手は、セミファイナルの第1戦で右足を負傷し、救急車で病院へ。

診断の結果は、全治6週間。
最後のシーズンを、不本意な形で終えることに…。

ところが、ファイナルの開幕前に会ったマルティネツ選手には、全く悲愴感はなく、
穏やかな笑みを浮かべながら、こんな風に話していました。

「これもホッケーなんだよ」


不完全燃焼で、現役生活にピリオドを打つこととなったにもかかわらず、
プレーイングコーチの肩書きを持つマルティネツ選手は、
すぐさま気持ちを切り替えて、対戦相手の分析に着手。

「昨季のセミファイナルで負けた時は、クレインズの研究が足りなかったと思う。
でも、今季は彼がいろいろと研究して、対策を考えてくれました」

キャプテンの #5 キム ・ウジェ 選手から、こんな声が聞かれたように、
マルティネツ選手の経験と頭脳は、
シム ・ウィシク監督と、ペ ・ヨンホ コーチをサポートして、
初優勝への大きな力になりました。

しかし、マルティネツ選手は、自分の仕事ぶりを、決して評価することなく、
笑みをたたえながら、こんな言葉を口にしました。

「ラッキーだっただけさ」
          コーチとして初優勝の力となったマルティネツ選手


穏やかな表情だったマルティネツ選手の表情とは対照的に、
ハルラのゴールを守り続けたソン ・ホソン選手の瞳は、涙で潤んでいました。
         涙で目を潤のせていたソン・ホソン選手


それもそのはず、以前の記事で、お届けしたとおり、
ソン ・ホソン選手は、韓国の成人男子に課せられた、約2年の兵役任務に就くことから、
開幕前から、「今季を区切りのシーズンにする」 と決意していたため、
優勝の瞬間は、体全体で喜びを表現!
           喜びを体全体で表現していたソン・ホソン選手

しかし、歓喜の表情を浮かべる24時間前に、
ソン ・ホソン選手は、かつてない程の悔しさを味わっていました。

ファイナル第4戦。
試合終了2秒前に、同点ゴールを許し、
オーバータイムで、決勝点を奪われての逆転負け。

試合終了後、ハルラのドレッシングルーム前の廊下に、
腰を下ろしたまま動けずにいたソン ・ホソン選手は、
キム ・ソンベGKコーチから、言葉を掛けられても、全く表情を動かさずじまい…。

「ハートが弱い」
対戦相手のチームの選手から、
こんな厳しい評価を耳にすることもあっただけに、
翌日の試合への影響が心配されましたが、
「最後の試合だと思わずに、プレーに集中するように心掛けました」
というソン ・ホソン選手は、
第5戦では、幾度となく訪れたピンチを凌いで、ついにアジアの頂点へ!

「厳しい状況の中で、彼が頑張ったのが勝因だよ」
と守護神を称えたマルティネツ選手と、力強く抱き合っていました。
      抱き合って祝福し合うマルティネツ選手とソン・ホソン選手

「アジアのホッケーファンの皆さんに、お礼を言いたいです」
優勝後のインタビューで、ようやく笑顔を見せてくれたソン ・ホソン選手。
最後に、こんな一言を残して、リンクをあとにしました。

「また2年後に戻ってきます!」


家族とともに、もうすぐチェコに帰国する マルティネツ選手と、
世界選手権代表を辞退して、兵役任務に就く手続きを済ませた ソン ・ホソン選手。

“新たなスタート” を切る二人が、
またリンクに戻ってくる日を、心から待ち望みたいですね。

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2003年11月にスタートしたアジアリーグは、
これまで毎年、日本のチームがチャンピオンに輝いていましたが、
今季は、7年目にして初めて、韓国のチームが優勝を飾りました。

頂点に立ったハルラはもちろん、
High1(ハイワン)も、4年続けてプレーオフに進出しているとあって、
「韓国の両チームの外国人選手枠を見直すべきでは?」
という声が、日本の関係者やファンから、ずい分と聞こえるようになっています。

しかし、約2年間の兵役任務という、
避けることのできない国の決まりがあることで、
長期的な戦力強化のプランを立てられない現状を考えると、
外国人選手によるチーム力アップは、必然と言えるでしょう。

また、昨季のセミファイナルで、
ハルラの強力なオフェンスと対峙したことで、
「ファイナルの試合は、ずい分と楽に感じました」
という声が、何人ものクレインズの選手から聞かれたように、
力のある外国人選手が揃う韓国チームとの対戦が、
日本の選手たちの財産になっているのは、明らかなところ。

この事実を考えれば、韓国チームの外国人枠を減らして、
チーム力がダウンしたところで、アジアリーグの均衡化を図るよりも、
負けじと日本のチームが腕を磨いていって、
リーグ全体のレベルアップを目指していくほうが、
日本のホッケー界にとって、得策であるのではないでしょうか?


ハルラが初優勝したことで、ライバルの High1 も闘志満々のはず。
さらに、王座奪還を狙う日本のチームだけでなく、中国チームも力をつけて、
どこが勝つか分からない大混戦となっていくように、
アジアリーグが “新たなスタート” を切ることを期待しましょう !!

◆photo supported by YONSU , TOMOKI OTANI
and OSAMU KIMURA  editor of K-HOCKEY!
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