日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
先月14日(現地時間)から始まったNHLのプレーオフは、
今日から、サードラウンド(カンファレンス ファイナル)に突入します。
スタンレーカップ ファイナル進出を懸けたシリーズのマッチアップは、、、
【ウエスタン カンファレンス】
サンノゼ シャークス vs シカゴ ブラックホークス
【イースタン カンファレンス】
フィラディルフィア フライヤーズ vs モントリオール カナディアンズ
このように、ウエスタンは、1位(サンノゼ) vs 2位(シカゴ)という、
“トップ2チーム” が、しのぎを削るのに対して、
イースタンは、“ボトム2チーム” が勝ち上がったことから、
NHLのプレーオフでは初めてとなる!
7位(フィラディルフィア) vs 8位(モントリオール)のカンファレンス ファイナルに !!
とは言っても、イースタンのファイナルが、決して見劣りするわけではありません。
モントリオールが、
プレジデンツトロフィーを手にした ワシントン キャピタルズと、
昨季の王者・ピッツバーグ ペンギンズを撃破してきたのは、
これまでに、お伝えしてきたとおりですが、
対するフィラディルフィアも、セカンドラウンドで、ボストン ブルーインズに3連敗を喫し、
土俵際まで追い詰められたところから4連勝して、勢いに乗っています。
そのフィラディルフィアに関する、この数字 →
「3度目」
これが何の数字なのか、分かりますか?
正解は、
プレーオフで “3連敗後に4連勝” という大逆転劇が演じられた数 なのです。
ベストオブセブン(7回戦制)のシリーズで、第1戦から、3連敗を喫したチームは、
今回のフィラディルフィアを含めて、これまでに、のべ162チーム。
そのうち、第4戦から4連勝してシリーズを制したチームは、長いNHLの歴史の中で、
1942年の トロント メイプルリーフスと、
1975年の ニューヨーク アイランダーズに続く、3度目の快挙!
先日の記事でも紹介しましたが、北米4大プロスポーツに範囲を広げても、
(NFLのプレーオフは、ベストオブセブンではありませんが)、
MLBのプレーオフで、ボストン レッドソックスが演じた、わずか1度しかありません。
このように、“超レアケース” ともいえる大逆転劇を演じる立役者となったのは、
ポイントゲッターの
シモン ・ガニエ 選手!
ガニエ選手は、ソルトレイクと、トリノオリンピックで、カナダ代表に選ばれたように、
卓越したスコアリングセンスが、高く評価されているものの、
近年は、ケガに泣かされることが、目立っています。
今季のプレーオフでも、ファーストラウンド第4戦で足を負傷し、戦列を離れていましたが、
セカンドラウンドで、ボストンに3連敗を喫したところで、出場を志願。
決して万全の状態ではなかったものの、ガニエ選手は、復帰初戦で、
いきなりオーバータイムに、ゲームウイニングゴールを決めたのに続いて、
第5戦でも、2ゴールの活躍。
そして、一昨日の第7戦では、第3ピリオド中盤に、勝越しのパワープレーゴールをゲットして、
チームを、サードラウンドへと導きました。
ガニエ選手の働きで、大逆転劇を演じたフィラディルフィアですが、
実は、第7戦で、もう一つ
「3度目」 の大逆転劇をやってのけました!
それは、
3点以上リードされたところからの逆転勝利 です。
文字どおり “天下分け目の戦い” となるプレーオフの第7戦では、
いつにも増して、先制点がポイントになるのは明らかで、
過去のプレーオフでの、先制点を上げたチームの成績は、
勝率7割1分2厘(94勝38敗)!
この数字を実証するかのように、今季も、第7戦まで もつれた3つのシリーズでは、
いずれも先制したチームが、勝利を収めています。
ところが、この日のフィラディルフィアは、
立ち上がりから、ペナルティキリングで連続失点。
さらに、第1ピリオド14分過ぎにも、ゴールを決められてしまって、0−3…。
ここで、昨年の12月からチームを率いている
ピーター ・ラビオレット ヘッドコーチ(HC)が、
動きを見せました。
「タイムアウト!」
浮き足立ち始めた選手たちに、
一人ずつ視線を投げ掛けていたラビオレットHCからは、こんな言葉が。
「このピリオドが終わるまでに、まず1点返そう!」
指揮官の一言が、流れを変える呼び水となり、
第1ピリオドの残り時間が、3分を切ったところで、1点を返したフィラディルフィアは、
第2ピリオドにも2得点して、試合を振り出しに戻すと、
第3ピリオドに、ガニエ選手のパワープレーゴールで、4−3!
NHLのプレーオフ史上、天下分け目の第7戦で、
3点差以上のビハインドを引っくり返したのは、実に19年ぶり3度目のこと。
こんな大逆転劇を演じることができたのも、
カロライナ ハリケーンズのHCとして、4年前にスタンレーカップを手にした実績を誇る、
“ラビオレット采配” を見逃すわけには、いかないですね。
「3度目となる 3連敗後の4連勝」
「3度目となる 第7戦で3点以上リードされたところからの勝利」
“3&3の大逆転劇” を演じて、サードラウンドに勝ちあがったフィラディルフィアは、
このまま35年ぶりの優勝への道を、進み続けることができるでしょうか?