日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
NHLのプレーオフ ファイナルは、
第5戦を終えて3勝2敗としたシカゴ ブラックホークスが、優勝に王手を掛けました。
これでシカゴは、今日(現地時間)の第6戦で、フィラディルフィア フライヤーズを下すと、
実に 49年ぶりのスタンレーカップを、手にすることに!
同じシカゴを本拠地とするMLBのカブスが、
65年前のワールドシリーズ以来、悩まされ続けている 「ヤギの呪い」を解くよりも先に、
4度目の栄冠を手にすることができるか、注目が集まりますが、
ここへ来て、もう一つ注目を集めているのが、コンスマイス トロフィーの行方です。
プレーオフで最も活躍した選手(MVP)に与えられる コンスマイス トロフィーは、
優勝が決まった試合後に、リンク上で発表され、
大勢のファンが見つめる中、ゲーリー ・ベットマン コミッショナーから手渡されます。
毎年、ファイナルが大詰めに差し掛かると、
現地のメディアは、コンスマイス トロフィー受賞者の展望を報じたり、
ホームページ上で、ファンからの予想を受け付けたりしていますが、
ここまでのところ、シカゴの #19
ジョナサン ・テイズ 選手を推す声が、多い模様。
テイズ選手は、ファイナルに入ってからは、まだゴールがないものの、
今季のプレーオフでは、チーム新記録の13試合連続ポイントをマークしたり、
フェイスオフの強さが光る上に、キャプテンとしての働きも見逃せないとあって、
コンスマイス トロフィー争いの “本命” と見られているようです。
ところが、ここへ来てグングン評価がアップしている、強力な対抗馬が出現しました。
それは、シカゴの FW#33
ダスティン ・バッフラン 選手!
バッフラン選手と言えば、アフリカ系アメリカ人の父親の血を引いた、この ↓ 風貌や、、、
ファンを沸かせる、このような ↓ パフォーマンスに、、、
闘志を前面に出した、こんな ↓ プレーが、、、
特筆されますが、かつては体の強さウリにしたDFや、
チェッキングFWとして、プレーしていた選手。
しかし、今季のプレーオフでは、ほとんどの試合で、トップラインに抜擢され、
ここまで、チームトップの10ゴールをマーク。
サンノゼ シャークスに4連勝したサードラウンド(カンファレンスファイナル)では、
3試合で決勝点をゲットするなどして、期待に十分応える大活躍をしているだけに、
有力候補の一人として、名前が上がっています。
ところで、NHLでは、1964−65シーズンから、
プレーオフでも、MVPを表彰するようになりましたが、
これまでにコンスマイス トロフィーを受賞した選手の中で、
ドラフト制度採用後に、各チームの指名を受けて入団した選手が、のべ29選手います。
その顔ぶれを見ると、1990年代前半に、ピッツバーグ ペンギンズを2連覇に導いて、
コンスマイス トロフィーを、2年続けて手にした
マリオ ・ルミュー 氏(現チェアマン)が、
1984年のドラフト全体1位指名。
同じピッツバーグでは、昨季の受賞者の
エフゲニ ・モルキン 選手(ピッツバーグ)が、
2004年のドラフト全体2位指名。
デトロイト レッドウイングスの黄金期を支えて、1998年のプレーオフMVPに輝いた、
スティーブ ・アイザーマン 氏(現タンパベイ ライトニングGM)は、
1983年の全体4位指名 というように、上位指名選手が大半を占め、
これまでに、コンスマイス トロフィーを受賞した選手たちは、
アマチュア時代から脚光を浴び続けてきた “ホッケーエリート” が、ほとんど。
対して、ドラフト下位指名で、コンスマイス トロフィーを受賞した選手と言うと、
一昨季の
ヘンリク ・ゼッターバーグ 選手(デトロイト)が、
1999年の全体210位で、これまで最も低い指名順位ですが、
これは、既にスウェーデンのチームでプレーしていた、
当時18歳のゼッターバーグ選手を、“青田買い指名” したようなもの。
(デトロイトに指名されてからも、スウェーデンで3年間プレー)
それを除くと、1987年に、ファイナルで敗れながらも、
フィラディルフィアの守護神として、好セーブを連発したことが評価された、
ロン ・ヘクストール 氏(現ロサンゼルスキングス アシスタントGM)の、
全体119位指名(1982年)が際立つくらいで、
プレーオフのような大舞台で強いのは、やはり “ホッケーエリート” なのでしょうか?
ところが、バッフラン選手は、2003年の全体245位指名!
もし、コンスマイス トロフィーを手にすれば、NHL史上最も低い順位で指名された、
いわば “雑草男” が、プレーオフMVPに !!
バッフラン選手が、歴史に名を残すのか !?
それとも “ホッケーエリート”(2006年全体3位指名)のテイズ選手なのか !?
はたまた、逆転優勝を飾って、フィラディルフィアの選手が手にするのか !?
スタンレーカップとともに、コンスマイス トロフィーの行方も、注目されます。
◆ photo from
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