日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
昨年の9月18日に開幕したアジアリーグのレギュラーシーズンは、
王子イーグルスが、初めてリーダーズフラッグを勝ち取って、昨夜 全日程を終了しました。
いよいよ26日からは、プレーオフが始まりますが、その前に!
もうすっかり恒例となった、
「語りべ」通信アウォード2011 を、お届けします。
今季もアジアをさまよった(!?)「語りべ」が、独断と偏見で選ぶ各賞をご覧いただいて、
レギュラーシーズンを振り返りながら、プレーオフへのワクワク感を高めてくださいね !!
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▼ベストGK賞
今季のレギュラーシーズンのベストGK賞は、日光アイスバックスの
福藤豊 選手です!
7季ぶりに、日本に戻ってきた福藤選手は、
アジアリーグの公式表彰対象となる規定滞氷時間(18時間)を上回るGKの中では、
シュートを打たれまくった(笑)チャイナドラゴンのアレクセイ ・アプラモフ 選手を除いて最も多い、
1試合平均37本 ものシュートを浴びながら、リーグトップのセーブ率(92.24%)をマーク。
残念ながら、13勝18敗と負け越してしまったとはいえ、
総得点がリーグ6位と、オフェンス面で見劣りしたバックスが、
終盤戦まで、プレーオフ進出争いに絡むことができたのも、
福藤選手の存在があったからだと言っても、過言ではないでしょう。
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▼ベストディフェンシブDF賞
福藤選手と同様に、チームの中で際立った存在感を誇っていたのが、
High1(ハイワン)の
#5 ブライアン ・ヤング 選手!
今季のHigh1は、DFが8人のみの登録だったのに加えて、
そのうち3人は、ルーキーと2年目の若手選手。
さらに、ケガをした選手が出たことも相まって、DFを5人で回す試合も見られましたが、
その中でヤング選手は、大きな体と、
NHLでもプレーした経験を武器に、フル回転しました。
記録を見ると、王子イーグルスの アーロン ・キャラー選手や、クリス ・ハリントン選手らの、
プラスマイナス レイティング(滞氷時の得失点差)が目立つのに対して、
ヤング選手の成績は、プラス5(得点50 失点45)だったものの、
失点の 1/3 以上は、ペナルティキリングや全員攻撃時のもの。
(アジアリーグでは、スペシャルプレーでの得失点も加算)
逆に、記録としてはカウントされていませんが、苦しいDFの台所事情を支え続けて、
リーグトップクラスのアイスタイムを誇ったヤング選手の働きは、
まさしく、ベストディフェンシブDF賞に値しますよね。
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▼ベストオフェンシブDF賞
本業の守りだけでなく、攻撃でも勝利に貢献したベストオフェンシブDF賞は、
文句なしに、東北フリーブレイズの
コール ・ジャレット 選手です!
この賞に関しては、あえて説明はいりませんね(笑)
アジアリーグ創設以来、初めてとなる DFプレーヤーのポイント王誕生か !?
という期待が高まったほどの活躍をしたジャレット選手。
タイトルには手が届かなかったとはいえ、
威力抜群のスラップシュートや、ゴール前での強さを武器に、
リーグ3位の51ポイントをマークしたのは、まさに圧巻。
今季の開幕前に、各チームのキャンプを取材した時、
ブラッド ・ファリヌック選手の攻撃力を警戒する声を、多く耳にしましたが、
各チームが警戒する中で、昨季よりもパワープレーの成功率がアップしたのは、
ジャレット選手の加入があったからこそ。
ジャレット選手とファリヌック選手の “ダブルキャノン” は、
プレーオフでも、フリーブレイズの大きな武器になりそうです。
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▼ベストプレーメイキングFW賞
続いてFWの各賞に移って、まずベストプレーメイキングFW賞は、
こちらも文句なしに、王子イーグルスの
今洋祐 選手!
日本リーグ時代から通じて、今季が10年目となる今選手。
西武鉄道時代は、ハードチェックや、時にはファイティングも辞さない、
アグレッシブなウイングの役目をしていましたが、
イーグルスに移籍してからは、押しも押されもせぬ主力CFに。
今季は、序盤こそ4試合連続ポイントなしということもありましたが、
百目木政人、久慈修平両選手と組むようになってからは、ポイントを量産!
12月18日の日本製紙クレインズ戦から、レギュラーシーズン終了まで、
11試合連続アシストをマークして、チームにリーダーズフラッグをもたらせただけでなく、
初めてのタイトルとなるアシスト王にも輝きました。
学生時代から、「目標のCF」に挙げていた桜井邦彦コーチは、
MVPに選ばれるほどの大活躍を披露して、イーグルスをアジアの頂点に導きましたが、
スコアリングラインのCFを担う今選手は、プレーオフで どんな活躍を見せてくれるでしょうか?
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▼ベストオフェンシブFW賞
スタンドのファンが最も沸き上がるのは、何と言っても、ゴールが決まった瞬間ですよね。
そんなシーンを何度も演出する攻撃的なプレーが光ったのは、
アニャンハルラの
#87 チョ ・ミンホ 選手です!
チョ ・ミンホ選手の今季の成績は、ゴールランキングの8位タイ。
ポイント部門でも9位タイと、決して突出していたわけではありませんが、
その内訳を見ると、ランキングの上位にいる各チームの主力FWたちに、
引けをとらない数字を残しています。
放ったシュート数は、アッシュ ・ゴールディ選手に続いて、2位タイ。
ポイントを記録できなかった試合数も、
田中豪選手(フリーブレイズ)に続いて、2番目に少ない8試合。
また今季は、プレーオフ進出のボーダーラインを境にして、
上位チームと下位チームの間に、例年以上の勝点差がついてしまいましたが、
チョ ・ミンホ選手は、44ポイントのうちの約半分にあたる21ポイントを、
プレーオフに進んだ上位チームとの試合でマーク。
これは、オフェンス部門のタイトルを手にした久慈選手(44ポイント中16ポイント)、
田中選手(59ポイント中25ポイント)、今選手(57ポイント中26ポイント)を、上回る割合です。
今季のハルラは、昨季までのアジアリーグ屈指のオフェンスが影をひそめたことから、
頻繁にラインの組み替えたため、第1セットから、第4セットまでにシフトされ、
CFも、ウイングも務める中で、これだけの成績を残したのは、お見事!
それだけにチョ ・ミンホ選手は、
ベストオフェンシブFW賞に、ふさわしい働きだったと言えるでしょう。
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▼ベストディフェンシブFW賞
ベスト6の最後となるベストディフェンシブFW賞として、「語りべ」が称えたいのは、
東北フリーブレイズの
田中豪 選手!
得点王とポイント王に輝いただけに、
ベスト “オフェンシブ” FWとして評価したいのは、もちろんなのですが、
その一方で、田中選手のディフェンシブな働きを、絶対に見逃すわけにはいきません。
ペナルティキリングにシフトされて、ショートハンドゴールを2回決めたのはもちろん、
アグレッシブかつ、タイミングのいいチェックで、
テイクアウェイ(相手からパックを奪ってチャンスにつなげる)というシーンが、何度も見られました。
そして、何よりも素晴らしいのは、決して手を抜くことのないバックチェック!
リンク上で華麗なプレーを披露する田中選手を、目標にしているチビッコも多いでしょうが、
どんな状況でも、全力でバックチェックをする姿も、ぜひ見習ってくださいね。
アジアリーグ参戦2年目にして、早くもプレーオフのチケットを手にしたフリーブレイズですが、
強力な攻撃力とは対照的に、1試合の平均失点は、
イーグルス、クレインズ、ハルラが2点台なのに対して、フリーブレイズは、3.1点。
この数字を見ると、田中選手の献身的なディフェスプレーは、
プレーオフを勝ち抜くために、必要不可欠となりそうです。
◆photo supported by
Nick19