日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
前回の記事でも お伝えしたとおり、
NHLのプレーオフは、カンファレンス セミファイナル(SF=セカンドラウンド)に突入!
昨日(現地時間)から、ウエスタン カンファレンスのシリーズが始まったのに続いて、
今夜の試合を皮切りに、イースタン カンファレンスの戦いもスタートし、
この4チームが、カンファレンス ファイナル進出を目指します。
ワシントン キャピタルズ vs タンパベイ ライトニング
フィラディルフィア フライヤーズ vs ボストン ブルーインズ
マッチアップをご覧になって、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、
今季のカンファレンス クォーターファイナル(QF)では、大きな波乱がなく、
ディビジョン優勝を飾ったトップ3シードが、
東西両カンファレンスとも、全チーム勝利。
一方、レギュラーシーズンの下位チームが、上位チームを倒す「アップセット」は、
それぞれ1チームずつ。
ウエスタンでは、
“侮れないチーム” のナッシュビルが、
アナハイム ダックスを下したのに対して、
イースタンでは、
一昨季のチャンピオンの ピッツバーグ ペンギンズ 相手に、
タンパベイが、アップセット劇を演じました!
4年ぶりにプレーオフのチケットを手にしたタンパベイは、
ピッツバーグとのシリーズに挑みましたが、
こんなセレモニーで、気合が空回りしてしまったのか(笑)、
シドニー ・クロスビー、
エフゲニ ・モルキン 両選手を欠くピッツバーグに、
第4戦を終えて 1勝3敗と、王手を掛けられてしまいました。
しかし、ここで奮起したのが、
1月1日に、ニューヨーク アイランダーズから移籍した、
GK の
ドゥウェイン ・ロロソン 選手!
第5戦で、31セーブ。第6戦でも、27セーブの働きで、
ピッツバーグの攻撃を2点ずつに抑え、逆王手を掛けると、
天下分け目の第7戦では、虎の子の1点のリードを守り切って、36セーブのシャットアウト勝利。
土壇場に追い詰められてからの3試合で、
9割5分9厘という驚異的なセーブ率を記録したほどのスーパーセーブで、
アップセット劇の立役者となりました!
そんなロロソン選手に関する この数字 →
「6戦全勝!」
これが何の数字か、分かりますか?
実は、
プレーオフで相手チームに王手を掛けられた試合での成績 なのです!
ロロソン選手は、ミネソタ ワイルドに在籍していた8年前のプレーオフでも、
バンクーバー カナックスに、1勝3敗と王手を掛けられたところで、先発マスクを託され、
第5戦以降、3連勝を飾って、大逆転勝利を呼び込んだ経験がありますが、
今回も、その再現を演じて、王手を掛けられた試合では、ナント 6戦全勝!
カンファレンス SF で対戦するワシントンとは、
移籍直後に 2試合連続完封勝利を飾るなど、相性が良いとあって、
“土壇場に強い守護神” へのタンパベイファンの期待は、さらに高まりそうですね。
一方、タンパベイを迎え撃つ、
イースタンのナンバーワンチームのワシントンにも、“土壇場に強い守護神” がいます。
その GK とは、ルーキー(資格がある選手)の
マイケル ・ノイバー 選手です!
ハートトロフィー(レギュラーシーズンMVP)に輝いたこともある、
ベテランの
ジョゼ ・テオドア 選手と再契約を結ばず、
「若手 GK で戦う」との方針を、ジョージ ・マクフィー GM が掲げて、
シーズンインしたワシントンですが、
開幕前の下馬評では、
2年前のプレーオフで完封勝利を達成し、その名を知らしめた、
シミョン ・バーラモフ 選手が、正 GK の最有力候補と見られていました。
ところが、バーラモフ選手が、開幕前にケガをしたことで、ノイバー選手に出番が廻ってくると、
10月の月間最優秀ルーキーに選ばれるほどの活躍で、新たな守護神の座に君臨!
と思われたのですが、、、
その後、ノイバー選手は、調子を落としてしまい、バーラモフ選手に出場機会を譲ったり、
コンディション不良によって、
ファームチームから昇格してきた、
ブレイデン ・ホルトビー 選手に、
ブレイクのチャンスを与えてしまった時期も。
しかし、レギュラーシーズン終盤には、再び調子を上げて、
ブルース ・ブードロー ヘッドコーチの信頼を勝ち取ったノイバー選手は、
ニューヨーク レンジャーズとのカンファレンス QF で、先発を任されると、
セーブ率 9割4分6厘。平均失点 1.38 という抜群の成績を残したのに加えて、
完封勝利もマーク。
1つ黒星を喫してしまったとはいえ、
初めてのプレーオフとは思えないほどの落ち着いたプレーで、ゴールを守り続け、
ワシントンファンからの「ニュービー!(ノイバー選手のニックネーム)」コールが、
スタンドから何度も聞かれました。
そんなノイバー選手に関する この数字 →
「2試合連続完封勝利!」
これが何の数字か、分かりますか?
実は、
ノイバー選手がAHLのプレーオフで達成した記録 なのです!
え !? プレーオフの2試合連続完封は、そんなに珍しくないし、
それに、AHL(アメリカン ホッケーリーグ=NHLの一つ下のリーグ)での記録でしょう?
という声が聞こえてきそうですが、
ノイバー選手が、AHLのプレーオフで、2試合連続完封を達成したのは、
相手チームに、シリーズ王手を掛けられてからのこと!
NHLデビューを飾った一昨季は、わずか5試合のみの出場に終わりましたが、
ワシントンのファームチームの ハーシー ベアーズでは、
押しも押されぬ守護神として大活躍。
当然のごとく、プレーオフでも先発起用されたノイバー選手は、
ピッツバーグのファームチームの、
ウィルクスバリ スクラントン ペンギンズとのシリーズでは、
2勝3敗と王手を掛けられた土壇場から、第6戦と第7戦で、2試合連続完封勝利!
AHL73年(当時)の歴史で初めての快挙を達成したノイバー選手は、
その後も、ハーシーのゴールを守り続けて、
3年ぶりのカルダーカップ(AHLの優勝カップ)獲得に、大きく貢献したのと同時に、
プレーオフ記録を更新する 1.92 の平均失点が評価されて、MVPに輝きました !!
14年前にデビューを飾って、数々の修羅場を経験してきた41歳のロロソン選手と、
まだデビュー3年目で、先月23歳になったばかりのノイバー選手。
年齢は大きく離れているとはいえ、ともに “土壇場に強い守護神” は、
今夜から始まるシリーズを、きっと大いに沸かせてくれることでしょう!