日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
スタンレーカップを目指して、激しい戦いが続いている NHL のプレーオフは、
ウエスタンでは、バンクーバー カナックスが、
昨夜(現地時間)サンノゼ シャークスを4勝1敗で下して、ファイナルに進出!
対するイースタンは、ボストン ブルーインズが、
タンパベイ ライトニング相手に、3勝2敗とリードして、今夜の第6戦を迎えます!
このように、佳境へと差し掛かり、多くのメディアやファンが注目しているようですが、
それに劣らぬほどの…
というよりも、それ以上の注目を集めているニュースがあります !!
既に目にされた方も多いでしょうが、そのニュースとは、、、
「ウィニペグに NHL のチームが戻ってくる !?」
というものです。
カナダ中部に位置するマニトバ州の州都 ・ウィニペグには、
かつてWHA(ワールドホッケーアソシエーション)で、3度の優勝を果たした、
「ジェッツ」という名のチームがありました。
WHAが(事実上)吸収されて、1979年に NHL へ加盟してからは、
優勝こそできなかったものの、
ホッケー殿堂入りを果たした
デイル ・ハワチャック 氏や、
ティム ・セラニ 選手ら、
スターたちのプレーが、ファンを沸かせていましたが、
財政難により、1997年にフェニックスへ移転し、チーム名はコヨーテスに。
しかし、ホッケー好きが揃うウィニペグの人たちは、
再び NHL のチームが戻ってくることを願い続けると、その気持ちが叶って、
2004年の秋には、ダウンタウンに 15000 人収容の MTSセンターが完成。
ジェッツと入れ替わって、ミネソタから移転してきた、
AHL(アメリカン ホッケーリーグ=当時はIHL)のマニトバ ムースのホームゲームや、
NHLのプレシーズンゲームを開催するなどして、高い気運を保ち続けてきました。
その後、カナダドルの貨幣価値が上昇したのを追い風にして、
ウィニペグや、同じようにNHLのチームを失った ケベックなどのファンが、
NHLのチームを熱望。
それに合わせたかのように、ここ数年の間、
財政難のため、フェニックスの存続が危ぶまれたり、
ニューヨーク アイランダーズのオーナーが、
ホームアリーナ一帯の再開発プランを、地元住民に反対されたのに対して、
移転をほのめかしたことで、
「カナダにNHLのチーム戻ってくる!」との噂も!
しかし、フェニックスに関しては、
NHL の ゲーリー ・ベットマン コミッショナーが、移転を認めず、
地元も財政支援することを決定。
また、アイランダーズの移転話にも進展が見られず、
この噂は、立ち消えになってしまうのかと思われたところで、新たに聞こえ始めたのが、
「アトランタ スラッシャーズ が移転する !?」
とのニュースです。
1999年に、NHLへ加盟したアトランタは、
ゼロからスタートした新チームとあって、低迷が続きましたが、
2006-07シーズンには、
マリアン ・ホッサ選手や、
イリヤ ・コバルチャク選手ら、ポイントゲッターが大活躍。
ディビジョン制覇を果たし、初めてプレーオフへ進みました。
ところが、その後は、再び低迷が続き、
今季も、レギュラーシーズン中盤までは、好位置につけながら、徐々に失速してしまい、
終わってみれば、イースタン カンファレンスで、下から4番目(12位)。
ホームゲームの平均観客動員数(13469人)も、全30チーム中 28 位と、こちらも低迷。
対戦カードによっては、フィリップスアリーナのスタンドで閑古鳥が鳴き、
試合があるのに、コンコースのショップは、シャッターを下ろしたままということも多く、
チームの経営は、苦心続きとの声が…。
そのような状況を見て、さらに気運を高めたのが、ウィニペグのファンたち。
市長自ら、「NHLのチームが移転してくるのを熱望している」と報じられ、
ジェッツ時代を知っているオールドファンから、若いファンまで、早くもお祭り騒ぎに!
対して、31年前に、フレームスがカルガリーへ移っていった、苦い歴史があるアトランタでも、
遅まきながら、チーム存続への動きがスタート!
NBA の アトランタ ホークスのファンを巻き込んだり、
MLB の アトランタ ブレーブスなどでプレーした元サイヤング賞投手で、
ロサンゼルス キングスから、ドラフト指名された経歴を持つ、
トム ・グラビン 氏らを中心とする投資家グループに対して、
出資を要請しているとの報道も見られました。
しかしながら、昨日、アトランタの市長が、
チームの移転は決定的! とも思わせる発言をするなど、
まだ正式な決定事項は、何一つ発表されていないとは言うものの、
現地メディアの報道を総合すると、ウィニペグへの移転は濃厚な情勢。
そこで、(少し早いかもしれませんが)考えてみたいのは、、、
「もし、アトランタからウィニペグへチームが移転したら、どんな影響があるのか?」
についてです。
まず第一に、ウィニペグは、ミネソタよりも西に位置するため、
(初年度には間に合わなくとも)所属するカンファレンスが、
イースタンから、ウエスタンへ移ることが、確実視されます。
すると、ナッシュビル プレデターズの新規加盟に合わせて、
ウエスタンから、イースタンへ移ったトロント メイプルリーフスのように、
既存のチームのカンファレンス変更があるはず。
ホームタウンの位置で見ると、
タイムゾーンはイースタンながら、ウエスタン カンファレンスに所属している、
デトロイト レッドウイングスや、コロンバス ブルージャケッツの名前が、
有力候補として挙げられそう。
そのうち、過去11回もの優勝経験を誇り、
1991年以来、毎年プレーオフに勝ち進んでいる強豪のデトロイトが、
イースタン カンファレンスへ移ることになったら???
エリア的に、同じディビジョンになりそうなトロントや、バッファロー セイバーズは戦々恐々 !?
逆に、これまで同じデイビジョンのライバルだった、シカゴ ブラックホークスは、
年間の対戦試合数が減ってラッキー! かもしれません(笑)
いずれにしても、カンファレンス分けが変われば、
それに伴って、各ディビジョンの所属チームの変更も予想されるだけに、
NHLの勢力分布図に影響を与えるのは、間違いないでしょう。
また、それとともに、マイナーリーグのチームにも、影響を及ぼしそうです。
というのも、ウィニペグをホームタウンとしているAHLのマニトバは、
同じアリーナで、NHLの試合も行なわれるようになった場合は、
新たなマーケットを求めて、6年前まで、トロントのマイナーチームがあった、
カナダ最東端のニューファンドランド島へ、移転するのではないか? との報道も。
この件に関しては、その後、チームから否定的なコメントが聞かれたものの、
アトランタのマイナーチームにあたるシカゴ ウルブスなども含めて、
NHLのチームと、AHLのチームのアフィリエイト関係の変更と、
それに伴う若手選手たちの動きも、十分予想されます。
NHLを頂点とする北米のホッケー界では、
アフィリエイト関係が変わることは、珍しいことではありませんが、
ホームタウンと、カンファレンス構成の変化を伴うとあって、
大きな動きを招くことになるでしょう。
「ウィニペグに NHL のチームが戻ってくる !?」
「アトランタ スラッシャーズが移転する !?」
北米のホッケーファンを騒然とさせている、このニュースの結末次第では、
“ホッケー界再編へ” 向かっていくのは必至だけに、
スタンレーカップの行方以上に、目が離せそうにありません!
〜「語りべ」より〜
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