加藤じろう直営!「語りべ」通信
 
2022.01.14
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2012.03.31
Win after learn !
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

ここのところ、各地から春の便りが届いていますが、
3月も今日で終わり、明日からは新年度に。

まだホッケーシーズンは続きますが、
日本アイスホッケー連盟が、昨年に公益財団法人へ移行したのに伴って、
他の国々より3ヶ月早く、
日本のアイスホッケー界も、明日から新年度を迎えることになります。


新年度の始まりを前に、今季を振り返ると、
記憶に新しいのは、何と言っても、王子イーグルスのアジアリーグ優勝!

今季のイーグルスは、レギュラーシーズンを首位で戦い終えたのに加えて、
プレーオフも制して、完全優勝を達成。

レギュラーシーズンとプレーオフで、揃って勝利したのは、
2006-07シーズンの日本製紙クレインズと、
一昨季のアニャンハルラに続く、3度目の快挙となりました !!

  Oji eagles victory


「(イーグルスには)隙がないんですよ」

プレーオフで対戦した選手から、こんな言葉が聞かれたように、
堅実なディフェンス力を軸にした今季のイーグルスの強さは、
誰もが認めるところでしょうが、
開幕からの足取りを振り返ってみると、決して順風満帆だったわけではありません。

「正直に言って、恥ずかしいスタートでした」
齊藤哲也 キャプテンが、話していたとおり、
いきなり開幕から3連敗を喫したのに始まって、
10月を終えた時点で 3勝5敗とスタートダッシュに失敗。

ところが、山中武司 監督は、
今季のスケジュールでは、中盤以降に試合が多く組まれていることも熟知した上で、
「負けた試合から学んでいく」
と常に言い続け、決して慌てることはありませんでした。

  Takeshi Yamanaka Head coach


指揮官の落ち着いた舵取りが、成績に反映されてきたのは、
11月に入ってからのこと。

イーグルスは一気に加速し、11連勝したのを皮切りに、
その後も着実に勝点を積み重ね、
1月の韓国遠征でトップに立ってからは、首位の座をキープ。

その戦いぶりを見る限り、
2月の全日本選手権でも、優勝候補の大本命だと思われましたが、
決勝戦で、“最大のライバル” 日本製紙クレインズに逆転負けを喫し、
7年ぶりの日本一を逃すことに・・・。



しかし、イーグルスは、この敗戦を決して無駄にはしませんでした。

桜井邦彦 コーチの話によれば、
「もう一度、チームのシステムを見直すことができた」
のだそうで、さらにプレーの精度を高めるための礎に。

また、ファイナル第4戦で3点をリードした直後に、30秒間で2点を返され、
タイムアウトをとった理由について、
「わずか(2分42秒)な間で、クレインズに3連続失点して、
全日本選手権の決勝で負けた時は、
流れを切って、落ち着かせることができなかったですから」
と山中監督が教えてくれたとおり、試合の流れを掌握し続けるための布石に。

そして何よりも、「もがいて、苦しんで、経験を積んでいったシーズンだった」
と齊藤哲也キャプテンが、振り返っていた言葉の重みが示すように、
勝利への欲望を高める、選手たちのエネルギーにもなったのです。

  T. Saito , S Sato , K Mitamura and T Yamashita (form left)


そんな気持ちの表れだと言えるでしょう、
イーグルスの選手たちの誰もが、自分の役割を心得ていたのは、特筆に値します。

たとえば、小川将史(まさふみ) 、勝也(かつや)兄弟に、石塚武士 選手のラインは、
第4セットの登録で、アイスタイムは少なかったですが、
ペナルティキラーとしての仕事を、十全に果たしていたのはもちろん、
ケガなどでプレーできない選手が出た時には、
主力ラインにシフトされ、全く遜色のないプレーを披露。

  M Ogawa , K Ogawa and T Ishizuka (from left)


このようなことは、自分の役割を心得ていた、
選手たちの強い意識の表れに違いありません。

なかでも印象的だったのが、20歳の 三田村康平 選手の言葉でした。

2年目にして、不動のレギュラーとなった三田村選手ですが、
今季のアジアリーグでは、12月11日のチャイナドラゴン戦で得点して以来、
何度もチャンスはありながら、ゴールを決めらないまま、プレーオフへ突入。

それだけに、ファイナル第2戦で、
3ヶ月ぶりのゴールを決めた時の、うれしそうな表情が光っていましたが、
「ゴールがなかったのは、かなり気になっていましたけれど、
自分たちの役割は、相手の強いセット相手に、失点をしないことですから」
と三田村選手は、すぐさま表情を引き締めていました。

  Kohei Mitamura


一方、ベテランに目を転じても、
今季は出場機会が減ってしまったにもかかわらず、
「悔しい気持ちもあるだろうけれど、チームのために、よく尽くしてくれている」
と本間貞樹 GM が称えていた 荻野順二 選手。

そして、10月の High(ハイワン)戦で負傷し、手術が必要だとの声も聞かれたものの、
「(マーク)カヴォシーと、(齊藤)哲也の二人がケガをしていたので」
と CF 不在の状況に配慮して、
ベストコンディションでないまま、フル出場した 今洋祐 選手のように、
チームを最優先に考え続けていた選手の存在も、優勝への大きな力となりました。

  Yousuke Kon


苫小牧民報社が報じたところによると
優勝を決めた4日後に、苫小牧市内で開催された祝勝会で、
山中監督は、会場に集まった人たちへ向けて、こう話したそうです。

      選手たちは、負けた試合、失敗から学んで勝ち切るチームになり、
      プレーオフ優勝に、つなげてくれました。
      来季は、全日本選手権との2冠と、
      皆さんから愛される強い王子イーグルスを目指します。


「負けた試合から学んでいく」
という姿勢を全員が貫き続け、極めた末に、アジアの頂点に立ったイーグルス。

まるでホッケー先進国のプロチームを見るかのように、
シーズンが進むにつれて、チーム力を高めていった姿は、高く評価されますが、
プレーオフ終了後、山中監督は、
喜ぶ選手たちの姿に、笑顔で視線を送りながら、こんな言葉を口にしていました。


「ウチの選手たちは、まだ学び終わっていないですよ。
(ファイナル第4戦で3点差を追いつかれて)あんな風に試合を面白くしてしまうんですから、
まだまだ学んでいかないと、本当の強いチームにはならないです(笑)」

今季のアジアリーグ最優秀監督は、冗談めかして話していましたが、
ディフェンディングチャンピオンとして臨むイーグルスは、
どんな姿を見せてくれるのか?

そして、アジアのライバルたちは、どうやって王者に立ちはだかるのか?

春になったばかりだというのに、
来季への期待は、高まっていきそうですね。

  Oji eagles victory



アジアリーグ | comments(3) | trackbacks(0)
2012.03.30
Korea national team advance to gold medal game
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

ノルウェーのハーマルで、25日(現地時間)に開幕した「世界選手権」は、
予選リーグを終了し、昨日から順位決定トーナメントに突入しましたが、
準決勝の第1試合で、韓国が 2-0 のスコアでチェコに完封勝利。
史上初の決勝進出を果たしました!

以前の記事でも紹介したように
地元で開催される2018年のピョンチャン パラリンピックへ向けて、
強化に力を入れている韓国ですが、
“今季最大の戦い” で、その成果を発揮してみせました。

決勝戦では、バンクーバー パラリンピックで、金メダルに輝いたアメリカと激突。
来月1日に、アジア勢初の世界一を目指して戦います。


一方、皆さんも期待されていた日本は、
初戦でチェコに敗れて歯車が狂ってしまったのか、決勝トーナメントに進めず、
31日に行われる7位決定戦で、エストニアと対戦。

思い返せば、銀メダルに輝いたバンクーバーへの道のりでも、
屈辱を味わった苦い経験を、その後の財産にしていただけに、
今大会の悔しさを、ソチ パラリンピックへの糧にして欲しいですね!

尚、世界選手権についての情報や、ライブ中継に関しては、
大会のオフィシャルホームページを、ご覧ください。





パラアイスホッケー(スレッジホッケー) | comments(0) | trackbacks(0)
2012.03.28
North American tastes blend in with Team Korea
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

来月15日に開幕する「アイスホッケー世界選手権ディビジョン1」を控えた、
日本代表(グループAに参加)と、韓国代表(グループBに参加)が、
今週末、西東京で顔を合わせます。

それに先駆け、15日に発表された日本代表(候補)のメンバーに続いて、
このほど韓国アイスホッケー協会も、韓国代表の陣容を明らかにし、
現地のメディアなどが、紹介しているとのことです。

それによると、代表メンバーには、アニャンハルラから13人。
High1(ハイワン)から7人が選ばれたそうで、
日本のファンの皆さんにも、お馴染みの選手たちばかりのようですが、
その一方で、今季は北米でプレーをしていた二人の名前も。

その二人とは、キム ・ギソン 選手と、ソン ・ウジェ 選手です!


キム ・ギソン 選手は、皆さんも よくご存知でしょうが、
ヤングガイ オブ ザイヤー賞に輝くなどの実績を誇る
韓国ホッケー界屈指のウイングプレーヤー。

今季は “アジアのゴールデンデュオ” と呼ばれる、
パク ・ウサン選手(現イギリス ・コベントリー)と一緒に、海外挑戦を希望。

アメリカ CHL(セントラルホッケーリーグ)のタルサと契約しましたが、
シーズン途中からの加入だった上、ケガに泣かされてしまい、
プレーしたのは、わずか3試合のみ…。

それだけに、韓国代表の一員として、悔しさを晴らして欲しいところです。

    Ki-Sung KIM



対して、韓国代表の中で最年少(20歳)となる ソン ・ウジェ 選手は、
一昨季からカナダに渡り、AJHL(アルバータ ジュニアホッケーリーグ)のチームに在籍。

186cm 87kg の恵まれたサイズを武器に、
多くのNHLプレーヤーたちを育ててきたリーグの中で、腕を磨いています。

キャプテンとして臨んだ一昨季の「U18世界選手権」では、
日本代表に大差で敗れてしまったとあって、
ソン ・ウジェ選手も、悔しさを晴らしたい気持ちが強そうです。

    Woo-Je SUNG



一方、今季の韓国代表のベンチには、ビョン ・ソンウク 氏が、4年ぶりに監督へ復帰し、
昨季まで監督を務めていた キム ・ヒウ 氏は、
アシスタントコーチとして、指揮官を支えることに。

新体制となり、北米での経験を積んだ二人も加わった韓国代表が、
どんな戦いをするのか、今から楽しみですね!


尚、今週末に開催される 日韓代表戦 の会場では、
日本と韓国のアイスホッケー事情や、Must Check ! の選手を紹介した、
「アイスホッケー日韓代表戦オフィシャルプログラム」が販売されます。

ご観戦の際には、ぜひお買い求めください!


◆ 1st photo by iSONIC







アイスホッケー | comments(3) | trackbacks(0)
2012.03.27
CRANES & OJI big support for an advancing TOHOKU
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

日本製紙クレインズからのリリースによると、
東日本大震災の復興支援を目的に、
王子イーグルスと合同で製作したチャリティリストバンド
の総売り上げより、
必要経費を除いた 317800円 が、
今日、西脇雅仁 副キャプテンから、日本赤十字社へ義援金として手渡されたそうです。

   西脇雅仁選手から日本赤十字社へ手渡された義援金

ホッケーファンの皆さんからの気持ちが後押しになって、
復興への歩みが、少しでも早まることを願いたいですね。


   【小原大輔 キャプテン からの御礼コメント】

   今回の復興支援活動「チャリティーリストバンド」販売に、
   ご協力していただきありがとうございました。
   ファンの皆様方の温かい善意にとても感謝しています。
   震災から1年が過ぎましたが、復興にはまだまだ多くの時間がかかると思いますが、
   アイスホッケーを通して、今後も何か活動をしていければと思っています。
   これからもファンの皆様方のご協力を、お願い致します。ありがとうございました。


◆ photo by NIPPON PAPER CRANES



アジアリーグ | comments(2) | trackbacks(0)
2012.03.25
CONGRATULATIONS to the WINNERS !!
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

昨夜、日光で行われたアジアリーグのプレーオフ ファイナル第4戦で、
王子イーグルスが、延長戦に及ぶ接戦の末、日光アイスバックスを 4-3 のスコアで下し、
4年ぶり2度目の優勝を果たしました!

アジアの頂点に立った男たちの表情を、ご覧いただきましょう !!



 Mark Cavosie

「どこの国、どんなリーグでプレーしても、プレーオフは、フィジカルでタイトな試合になる。
だから、きれいなゴールを狙うのではなく、とにかく一生懸命プレーする」

こんな思いを抱いて臨んだプレーオフでは、群を抜くキープ力で、何度もチャンスを演出し、
リーグトップの12ポイントをマークした マーク ・カヴォシー 選手。
来日初年度ながら、アジアリーグの栄冠を勝ち取ったのとともに、プレーオフMVPを受賞しました。



Masahito Haruna

「初戦は(古巣のバックスとの対戦に)入れ込みすぎてしまって、硬さがありましたけれど、
イーグルスの一員として、自分の仕事をしようと、気持ちを切り替えました」
との言葉どおりに、続く第2戦で完封勝利を演じた 春名真仁 選手。

自身2度目の優勝に華を添える、
プレーオフ全ラウンドでのシャットアウトという、アジアリーグ初の快挙も達成!




 Yuji Sasaki

長年チームを支え続けている 佐々木勇次 マネージャーも、
4年ぶりの優勝には、さすがに喜びもひとしお。

「宿泊先の食事が、すごく美味しくて、食べ過ぎてヤバイ!
って選手たちが言っていたのが、心配の種でした(笑)」
と、おどけた表情を見せたのとは裏腹に、その目は潤んでいました。



 S.Kuji , Y.Haga , M.kawashima and K.Mitamura (from left)

「優勝できるメンバーが揃っていたので、勝たせてあげることができて、ホッとしました」
桜井邦彦コーチが、安堵の表情を浮かべていたのが物語るように、
イーグルスの強みは、ベテランから若手まで、全ての選手がチームの力になっていたこと。

(左から)文字どおりのVゴールを決めた 久慈修平 選手。
攻守両面でフル回転した 芳賀陽介 選手と、川島誠 選手。
さらに、ディフェンシブな役割でも大きな戦力となった 三田村康平 選手らをはじめ、
実に15選手もが、世界選手権代表候補に名を連ねているのは、まさしく圧巻!



Chris Harinton (L) and Sho Sato

「シーズンが終わるまで、ヒゲを剃らずにいられるか?」と友人に言われたのがキッカケで、
開幕時には、もうプレーオフモードの顔になっていた(笑) クリス ・ハリントン 選手と、
「クリスを見て伸ばしてみようかな?」と思い立った 佐藤翔 選手。

どちらも見事な働きで、優勝の原動力となり、美酒に酔いましたが、
大きな仕事を終えて、もうスッキリとした顔になっているでしょうか???



Tetsuya Saito

セミファイナルで、日本製紙クレインズのトップラインを封じたのに続いて、
ファイナルでも、バックスの最強ラインと対峙した 齊藤哲也 キャプテン。
失点してしまうシーンも、何度かあったとはいえ、最後まで自分の役割を遂行。

「イーグルスのホッケーができれば、絶対に負けない自信があります!」
と言い続けていたチームリーダーの言葉にウソはなく、見事にアジアの頂点へ返り咲きました。



全ての戦いが終わって、高野紘三チェアマンから手渡されたチャンピオントロフィーは、
王子イーグルスの選手、スタッフ、ファミリー、
そしてファンが、一つになって勝ち取った証しに、違いないですね!


 CONGRATULATIONS to the WINNERS !!




アジアリーグ | comments(3) | trackbacks(0)
2012.03.23
Japan national team ready for big tournament !
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

前々回と、前回の記事でも紹介したとおり、
世界のトップ8が集まる「世界選手権」が、いよいよ25日に開幕します!


17日に成田空港から旅立った日本代表チームは、
地元ノルウェーとの合同合宿や、テストマッチを行った後、開催地のハーマルへ移動。

  JAPAN NATIONAL TEAM


直前合宿を行ったことで、時差の影響も解消し、
青木栄広 (よしひろ)コーチによれば、
「順調な調整ができている」という日本代表の選手たちは、
熱戦の舞台となるオリンピックアムフィで、ライバルチームたちに続いて、汗を流しました。

  HAMAR OLYMPIC AMFI


ノルウェーとのテストマッチ2試合を終えて、青木コーチは、
「ファーストセットが、コンスタントに得点してくれるようになったので、
如何にして失点を減らすかが課題」
だと今大会のポイントを話していましたが、
そんな日本代表にとって心強いのは、永瀬充 選手の復帰です!

先日の記事でも お伝えしましたが
バンクーバー パラリンピック以降、氷から離れていた永瀬選手ですが、
ノルウェーとのテストマッチでは、2年のブランクを感じさせないプレーを披露。

「日本代表チームの中で一番クレバーな選手で、
大会初戦から逆算して調整を行っているので、きっとチームの力になってくれると思います」
と青木コーチも、全幅の信頼を置いています。

また、その一方で、バンクーバー パラリンピックで、金メダルを勝ち取った、
前アメリカ代表ヘッドコーチの レイ ・マルタ アドバイザーからは、
ターンオーバーを防ぐことを目的に、
アタッキングゾーンでの守備のフォーメーションの指示が出るなど、
世界選手権へ向けての準備は、万端の様子!


明日の開会式に続いて、25日から始まる予選リーグで、日本代表(前回4位)は、
チェコ(同5位)、エストニア(同Bプール優勝)、アメリカ(同1位)と顔を合わせ、
上位2チームに入れば、決勝トーナメントに進みます。

「トップ4の座を死守する」
とのテーマを、中北浩仁(こうじん)監督が掲げて、準備を進めてきた日本代表が、
“今季最大の戦い” で好結果を残せるように、皆さんも応援してくださいね!


尚、大会を主催する 国際パラリンピック委員会が、
ウェブサイトを通じて、世界選手権の模様をライブ中継する予定だそうです。

詳しくは、大会の公式ホームページを、ご覧ください。


◆ photo by JAPAN ICE SLEDGE HOCKEY ASSOCIATION



パラアイスホッケー(スレッジホッケー) | comments(0) | trackbacks(0)
2012.03.22
Korea national team challenge for next step
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

前回の記事で紹介したとおり
先週土曜日に、成田空港を旅立った日本代表チームは、ノルウェーに到着。

休む間もなく、直前合宿や練習試合を行って、
25日に開幕する「世界選手権」へ向けての準備を進めていますが、
同じくアジアから出場する韓国代表チームも、昨日ノルウェー入りしました。


日本よりも、およそ10年遅れて、
21世紀の初め頃から、本格的に始動した韓国のスレッジホッケー界は、
2010年大会を皮切りにした、パラリンピック(とオリンピック)招致を追い風にして、
カンウォンド(江原道)にプロチームが誕生。

さらに、その後も、ソウルやキョンギド(京畿道)にクラブチームが新設されたのに続いて、
来季中には、プサン(釜山)にも、チームができる予定だそうです。

その中から選りすぐられた選手たちが集まる、
韓国代表を率いるのは、パク ・コジュン 監督!

 Geo-Joon Park


「あれ? どこかで見たような…」

という方が、いらっしゃるかもしれませんが、
パク ・コジュン監督は、韓国アイスホッケー協会の元レフェリー委員長で、
アジアリーグの試合でも、これまで何度もホイッスルを吹き、
今季のレフェリー特別功労賞を受賞しました。

しかし、監督に就任してからは、
「とても忙しくて、レフェリー委員長は辞退しました」と苦笑い。

今季のアジアリーグでは、
韓国内で、数試合だけレフェリーを務めるにとどまりましたが、
それもそのはず!

2018年のピョンチャン(平昌)パラリンピック開催決定を受けた今季は、
シーズン当初から、ヨーロッパへの海外遠征を何度も行い、
年が明けたあとも、1月には、チュンチョン(春川)で合宿を実施して、
長野での国際大会に出場

さらに、旧正月の休暇を終えると、
2月からはソウルに場所を移して合宿を開催し、
その合間には、所属チームに戻って、全国大会を戦うなど、
まさしく、スレッジホッケーに明け暮れるシーズンに!

「ジャパン アイススレッジホッケー チャンピオンシップ」では、
日本相手に初めて白星を上げたように、
強化策が功を奏して、韓国代表が急速に力をつけてきているのは、
明らかだと言えるでしょう。


とはいうものの、韓国のスレッジホッケー界には、
明るい展望だけが、開けているわけではありません。

「スレッジホッケーを広めるために、
あちらこちらにチームを作っていきたいけれど、選手がいないんです」

パク ・コジュン監督は、こう打ち明けて、また苦笑いを浮かべていましたが、
日本と同様に、韓国でもスレッジホッケーの認知度は、まだまだ低く、
選手が増えていかないために、
「世代交代も進まない」(パク ・コジュン監督)のが、悩みの種だそうです。


その象徴とも言えるのが、6年後のピョンチャン パラリンピックへの反応。

抜群のスピードを武器に、韓国代表の得点源となっている、
FWの チョン ・スンファン 選手(26歳)からは、
「ピョンチャンでメダルを獲得するのが目標です。自信はあります!」

こんな力強い言葉が聞かれた一方で、
キャプテンで、プレーメイクに長けた DFの ハン ・ミンス 選手(41歳)の口からは…
「(2年後の)ソチまでは、プレーを続けるつもりだけど、ピョンチャンは難しいかな?」

残念ながら、自国でのパラリンピックに対して、
現実的な目標を抱くことが難しいベテラン選手もいるようです。


もっとも、これは韓国に限ったことではなく、
日本も含めた各国共通の課題。

メディアやファンが、スレッジホッケーにも関心を抱くカナダや、
バッファローやコロラドをはじめ、NHLのチームが、
アフィリエイトのスレッジホッケーチームを保有するアメリカといった、北米は別格として、
多くの国が、競技人口の少なさに頭を悩ませているのです。


しかしながら、韓国にとっては、
ピョンチャン パラリンピックが、起爆剤となり得るだけに、
これから、どのような針路をとるのか、興味深いところですが、
パク ・コジュン監督は、こんな青写真を描いています。

         「アジアリーグと同じように、
        スレッジホッケーでも、韓国と日本が友好的な関係を築きながら、
        ヨーロッパはもちろん、北米の国とも対抗できるように、
        アジア全体で、レベルアップしていきたいです」


4年前の記事でも論じましたが
近年の世界のアイスホッケー界を見渡すと、
多くの選手たちが集まってくる北米はもちろん、
ヨーロッパでも、国やチームの対戦、そして選手たちの動きが活発なことで、競争が激しくなり、
全体的に上昇カーブを描いているのに対し、アジアは水を開けられ気味。

それだけに、スレッジホッケーでは、
日本代表の中北浩仁(こうじん)監督が、自らマッチメイクや、資金集めに奔走し、
毎年、国際大会を開いたり、積極的に海外遠征を実施。

その流れに追いつこうと、パク ・コジュン監督も、
韓国代表の強化に重点を置いて、日本を追走し、
お互いが切磋琢磨していくことで、世界の中での競争力をつけていこうと、目ろんでいるのです。



            2018年3月。 ピョンチャンパラリンピック決勝戦。

                日本と韓国が金メダルを賭けて激突!



こんなシナリオが、現実のものとなるように、
日本代表はもちろん、韓国代表の躍進にも、期待を馳せたいですね!

KOREA ICE SLEDGE HOCKEY TEAM

◆ 2nd photo by KIHAD
◆ special thanks to Yoon-Sung Lee and Jin-Sun Jeon






パラアイスホッケー(スレッジホッケー) | comments(0) | trackbacks(0)
2012.03.18
Japan national team fly to the world championship
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

今月25日から始まる「世界選手権」に参加する日本代表チームが、
昨日、成田空港から、開催地のノルウェーに向けて出発。


ノルウェーでは直前合宿を行ったのち、大会に臨む予定ですが、
今回の日本代表には、心強い選手が戻ってきました。

それは、永瀬充 選手です!


永瀬選手は、1998年の長野大会以来、
パラリンピック4大会連続出場を果たしている、日本代表の守護神。

一昨年のバンクーバー大会では、好セーブで日本のゴールを守り抜き、
銀メダル獲得に、大きく貢献しました!


しかし、その後は、仕事との兼ね合いにより、氷から離れていましたが、
この世界選手権から、本格復帰を果たすことになり、
「大事な大会なので、最低限の仕事をしたいと思っています」
と静かな闘志を内に秘めて、世界選手権に臨みます。

「現状で考えうる最高のメンバーにて、日本代表チームが結成された」
と中北浩仁(こうじん)監督も、永瀬選手の復帰を歓迎。

「トップ4の座を死守する」
との目標を掲げる日本代表のために、守護神の活躍が期待されますね!






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2012.03.16
やまびこスケートの森へ功労賞!
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

信濃毎日新聞社が報じたところによると
長年にわたるスレッジホッケーへの支援と、競技発展への寄与を評価され、
長野県岡谷市の やまびこスケートの森 へ対し、
日本障害者スポーツ協会より、功労賞が贈られたそうです。

同施設内にあるインドアスケートリンクは、
日本代表の強化合宿や、長野サンダーバーズチームの練習拠点となっているだけでなく、
国内ナンバーワンチームを決める、「クラブ選手権」の会場としても利用されています。

競技の特性から、リンクの表面が傷つきやすく、
メンテナンスに時間を要するのとともに、
施設内に段差が多いと、選手たちの移動の妨げにもなってしまうため、
スレッジホッケーに適したアリーナは、少ないのですが、
やまびこスケートの森は、長年にわたり積極的にサポート。

また、同施設に勤務する 笠原芳文 氏(写真中央)は
遠方から合宿に来るチームの送迎バスを運転したり、
汗だくになって、駐車場の雪かきをしたりと、多忙を極めている中で、
国際大会でもホイッスルを吹く、
スレッジホッケー界で、指折りのレフェリーとして活躍しています。

   Yoshifumi Kasahara(C)


笠原氏をはじめとする、やまびこスケートの森の皆さんの熱意が、
バンクーバー パラリンピックの銀メダル獲得への後押しになったのは、
言うまでもありませんね!

◆photo by HATAPYON





パラアイスホッケー(スレッジホッケー) | comments(2) | trackbacks(0)
2012.03.15
THE PROXY WAR
日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。

今季のチャンピオンを決める、アジアリーグのプレーオフ ファイナルは、
「王子イーグルス vs 日光アイスバックス」 の顔合わせで、明後日からスタート。

頂上決戦が始まるのを前にして、
セミファイナルの戦いを振り返ってみると、
やはりイーグルスのチーム力の高さが、特筆されます!


以前の記事でも紹介しましたが
最大のライバルである日本製紙クレインズを攻守で圧倒し、3連勝を飾ったとあって、
平均得点、平均失点、パワープレー成功率、ペナルティキリング防御率と、
どのチームスタッツを見ても、バックスを上回っています。

レギュラーシーズンでの直接対決こそ、3勝3敗で星を分け合ったものの、
イーグルスは、ディフェンス力を問われる平均失点、得失点差、ペナルティキリング防御率で、
いずれもリーグトップの成績!

昨季に続いて、リーダーズフラッグを勝ち取った、
“実力ナンバーワンチーム” の強さは、数字でも実証されています。

 2011-12 LEADERS FLAG WINNER  OJI EAGLES



このようなデータを見る限り、イーグルス優勢は否めないかもしれませんが、
実は、ほぼ両チームが互角な、こんな数字 ↓ もあるのです。
   
  イーグルス のべ16人  バックス のべ17人


これが何の数字か分かりますか?

正解は、両チームの在籍選手のアジアリーグ優勝回数 です。


今洋祐、佐藤翔(イーグルス)、外崎慶(バックス)各選手の3回を筆頭に、
この両チームには、アジアリーグの優勝経験者が、合わせて22人いますが、
それぞれの優勝回数を合計した のべ人数は、ほぼ互角。

さらに、その顔ぶれを見ると、
3年前をもって活動を終了した SEIBUプリンスラビッツの OBが、
イーグルスは、前述の今、佐藤両選手だけなのに対して、
バックスには、最後のキャプテンを務めた 鈴木貴人選手をはじめ、7人も揃っています。

それだけに、経験豊富な選手が多いバックスは、
シリーズを もつれさせることができれば、
セミファイナルと同様に、勝機が生まれてくるかもしれません。



21季前に、当時の日本リーグで、初めてプレーオフ制度が導入されて以来、
4年続けて頂上決戦を繰り広げたのをはじめ、
日本のアイスホッケー界で、数えきれないほど好勝負を演じてきた、王子製紙と国土計画。

日本リーグからアジアリーグへと移ろい、チームも変遷を遂げてきましたが、
3季ぶりに日本勢同士の対決となった、今季のファイナルで戦う男たちの顔ぶれを見ると、
まるで “王子 vs 国土の代理戦争” といった雰囲気も ──


チケットを手に入れるのは困難を極め、
立見の場所をとるために、いつも早朝から長蛇の列ができていた、
かつての好勝負に引けを取らない、熱いシリーズになるといいですね。

   OJI vs KOKUDO



アジアリーグ | comments(4) | trackbacks(0)
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