日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
ここのところ、すっかり秋めいてきましたが、
10月2度目の週末となる今日からは、
「王子イーグルス vs 日本製紙クレインズ」 の2連戦と、
「東北フリーブレイズ vs アニャンハルラ」 の3連戦が、
それぞれ苫小牧と八戸で行われます。
このうち苫小牧のカードは、今季のアジアリーグでは初顔合わせ。
日本のアイスホッケー界を牽引し続ける “盟主の座を争う戦い” の第1ラウンドは、
どんな戦いになるのか、楽しみですね。
一方、フリーブレイズとハルラの対戦は、既に、先月29日に横浜で第1戦が行われ、
4-2 のスコアでハルラが勝利しました。
この試合のターニングポイントになったのは、
第1ピリオド12分34秒に、ハルラが 2-2 の同点に追いついたところで、
シム ・ウィシク 監督が、GKを交代させたこと!
開幕以来、フルマスクの守護神
#31 オム ・ヒョンスン 選手が、
9分過ぎまでに2失点してしまったため、「調子が悪い」と見切りをつけ、
同点に追いついたところで、
#38 パク ・ソンジェ 選手へスイッチ。
パク ・ソンジェ選手は、今季初マスクながら、
「急な交代にも対応してくれたのが大きかった」
とシム ・ウィシク監督が、試合後に称えていたように、
31本のシュートを全てセーブして、ハルラに勝利を呼び込みました!
とは言っても、まだ第1ピリオド中盤で、試合も同点だっただけに、
観戦されていた方の中には、
「え !? ここで交代させてしまうの?」 とピックリされた人も、いらっしゃったのでは?
実は「語りべ」も、GKの交代に限らず、ハルラの試合を取材している時、
それまでパワープレーにシフトされていた選手が、
途中から4つ目のラインに降格してしまったり、
それとは逆に、勝負どころで、経験の少ない選手を起用したり、
「え !?」 と、“シム ・ウィシク采配” に何度も、ビックリさせられました。
その度に、試合後に理由を尋ねるのですが、
シム ・ウィシク監督の口からは、
「語りべ」が、いくつか予想していたものとは異なる答えが、よく返ってくるのです。
だからと言って、ヤマ勘に基づいたり、一か八かというものではなく、
「あ ! そんなところを見ていたのか !!」
と感心させられる答えばかり。
メディアとしてホッケーを取材するようになって、20年近くになりますが、
他の人とは異なる視点で、なおかつ思わず感心させられる理由から、
試合中の選手起用や、采配を振っていた監督は、
シム ・ウィシク監督の他に、もう一人。
それは、
運上(うんじょう)
一美 元コクド監督!(現長野パルセイロ ヘッドコーチ)
シム ・ウィシク監督も、運上氏も、ともに現役時代は、
“天才” と呼んでも異論はないほどの得点センスを誇っていましたが、
それも監督になってからの選手起用に通じる、
他の人とは違う、鋭い観察眼の賜物だったのでしょうか?
話が逸れてしまいましたが、今日から始まるフリーブレイズとの3連戦で、
シム ・ウィシク監督は、どんな選手起用を見せるか必見。
特にGKに関しては、
兵役任務を終えて2年ぶりに復帰した
#30 ソン ・ホソン 選手も含め、
3人全員が、韓国代表でプレーした経験を誇るとあって、甲乙つけ難いところ。
ソン ・ホソン選手は、ブランクの影響から、ここまで出場機会がないため、
韓国代表でもメインGKを務めている オム ・ヒョンスン選手か !?
フリーブレイズ戦は、通算4勝1敗(=GWS負けのみ)と、
相性抜群の パク ・ソンジェ選手か !?
今日からの3連戦で、GKの起用がズバリと当たって勝利を呼び込み、
試合後に笑顔を見せるシム ・ウィシク監督の姿は、見られるでしょうか?
対して、ハルラを迎え撃つフリーブレイズの
クリス若林 監督は、
日本代表や、SEIBUプリンスラビッツなど、豊富なキャリアを有するだけに、
「なるほど!」と思わず膝を打ってしまうような、
“納得のいく選手起用” に関する答えを、返してくれます。
ハルラと同様に、今季のGKの起用に注目すると、
苫小牧での開幕マスクは、実績十分の
橋本三千雄 選手でしたが、
イーグルス相手に7失点。
しかも、「7点のうち6点は、ファーストショットを決められていた」と見定めた若林監督は、
開幕第2戦に先発し、敗れはしたものの「落ち着いて守っていた」と映った、
ルーキーの
畑享和(はた みちかず)選手とともに、こう伝えたのです。
「(翌週の地元開幕戦の)一週間の練習内容を見て、先発を決める」
その言葉に強く応えたのは、畑選手でした。
ホームオープニングゲームの先発に抜擢された畑選手は、
落ち着いたプレーに終始して、八戸のファンに今季初勝利をプレゼント。
実績にこだわらない選手起用を見せた若林監督の采配が、
地元のファンを沸かせました。
その後も畑選手は、90%台のセーブ率をキープして、ここまで6勝3敗と白星先行。
一方の橋本選手は、対照的にセーブ率も80%台で、2勝2敗と波に乗れずにいますが、
そろそろ本領発揮が期待されます。
また、今季はマネージャー業務がメインとなっている
白鳥洋 選手が、
「自分より年下のGKが入ってきたので、ものすごく練習をしていました」
とサマーキャンプなどの取り組む姿勢を評価していた
木本栄人 (しげひと)選手も、
チャンスをうかがっているはず。
横浜の借りを八戸で返すべく、クリス若林監督のGK起用も見逃せませんね。
「勝敗を分けるポジション」
こう言っても過言ではないだけに、両監督のGKの起用がカギを握ることになりそうな、
フリーブレイズ vs ハルラ の八戸シリーズ3連戦は、
全試合
八戸テレビ でオンエア!
また併せて、テクノルアイスパーク新井田では、
場内FM(87.0MHz)の生中継 も行われます !!
放送の解説には、
2007年の世界選手権で、
中奥梓 選手と、
藤本那菜 選手という二人のGKを起用して、
見事に全勝優勝を飾った実績を誇る、
佐藤弘一(こういち)氏(前女子日本代表監督)をお招きします。
どうぞ、お楽しみに !!