日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
節目の10年目を迎えた今季のアジアリーグは、
昨日の試合をもって、レギュラーシーズンが終了しました。
9日にスタートするプレーオフの行方が、興味深いところですが、
その前に、、、
「語りべ」通信アウォード
を前編と後編の2回にわたって、お届けします!
週末の西東京での試合の際には、ファンの方から、
「今年は誰をMVPに選ぶのですか?」 というご質問や、
“独自予想” もいただいたほどの恒例企画となった(!?)、「語りべ」通信アウォード。
昨季に続いて、7回目の今季も、
「語りべ」の独断と偏見で選んだ各賞の顔ぶれをご覧になって、
レギュラーシーズンを振り返るとともに、プレーオフへの期待感を高めてくださいね !!
★ OUTSTANDING GOALTENDER / Yutaka Fukufuji (Ice Bucks)
守護神の働きは、チームの命運を握っていますが、
なかでも対戦相手のチームから、必ずキープレーヤーとして名前が挙がっていた、
日光アイスバックスの
福藤豊 選手の存在は絶大でした。
アイスバックスが、終盤までプレーオフ進出の可能性を繋ぎとめられたのも、
10月20日から、全試合で先発マスクを担い続けて、
セーブ率93.24%。4完封勝利と、(レギュラーGKの中で)トップの数字を残した、
福藤選手の働きがあったからこそ! だと言えますね。
★ OUTSTANDING DEFENSEMAN / Chris Harrington (Eagles)
ポイントだけを見れば、上回る選手はいるものの、
王子イーグルスの
クリス ・ハリントン 選手の、攻守両面にわたる働きはピカイチ!
「一番ケガをされたら困る選手なのに、一番体を張って守っている(笑)」
と山中武司監督が、冗談めかして話していたことがありましたが、
この言葉も、ハリントン選手が、
チームに欠かせない役割を担っていたことの表れに、違いないでしょう。
★ OUTSTANDING FORWARD / Michael Swift (High1)
昨季に続いて三冠王に輝いた、High1の
マイケル ・スウィフト 選手。
今季は、アシストの新記録を作ったとともに、自らが作った昨季のポイント記録も塗り替え、
ゴール、アシスト、ポイントのシングルシーズンレコードに、全て名前を刻みました。
“Historic Scorer” のプレーは、来季もアジアのファンを沸かせてくれそうですが、
3季目のシーズンを終えれば、世界選手権の出場資格も得るだけに、
ブロック ・ラドゥンスキ 選手(アニャンハルラ)に続いて、
二重国籍法を用いて韓国代表に! というニュースが届くかも???
★ OUTSTANDING TWO-WAY PLAYER / Go Tanaka (Free Blades)
北米出身の助っ人選手たちが上位に並ぶ中で、
アシスト、ポイント両部門で、アジア人トップの数字を残したのが、
東北フリーブレイズの
田中豪 選手。
トップラインのCFとして、オフェンスの中核を担っただけでなく、
アグレッシブなチェックと豊富な運動量で、ディフェンス面でも勝利に貢献。
ショートゴールを3つも決めるなど、
フリーブレイズを、2年ぶりのプレーオフへ導く立役者となりました。
★ UNSUNG HEROES
/ Seung-yup Lee (Halla) and Ryo Hashiba (Eagles)
ゴールやアシストといった個人記録では計り知れない働きをしたのが、
イ ・スンヨプ 選手(アニャンハルラ)と、
橋場亮 選手(王子イーグルス)。
イ ・スンヨプ選手の本職はDFですが、
今季は、ピョンチャン オリンピックへ向けての強化を目ろみ、
韓国ホッケー界は、“BIG CHANGE” を敢行!
ユーロハルラ創設への第一歩として、フィンランドへ選手を派遣し、FWが少なくなったため、
「スピードがある」とシム ・ウィシク監督から見込まれ、FWに転向。
その後、NHLのロックアウトの余波もあり、派遣された選手が戻ってきたのに続き、
サンム(尚武=国軍体育部隊)の復活に伴う、選手の入れ替わりなどもあって、
中盤以降は、本来のDFに戻ってプレー。
どちらのポジションでも、しっかり役割を果たして、チームの台所事情を支えました。
一方の橋場選手も、本職のDFとして、開幕から出場していましたが、
FWにケガ人が相次いだことから、コンバートされた上、
こちらも「器用な選手」だと山中監督に見込まれて、CFを務めた試合も。
「小さい時に、少し(FWを)やっていたことがあるだけ」
という本人の言葉とは裏腹に、コンバートされたばかりとは思えないプレーを披露しました。
異なるポジションを経験したことで、パスをどこに出せば次のプレーにつなげやすいのか?
といったFWの気持ちが分かったと話していた橋場選手。
本来のポジションに戻っての出場が予想される、プレーオフでの働きが注目されますね。
北米のマイナープロリーグなどでは、
チームの運営経費を考慮して、試合のロースターを15人程度にするリーグも多く、
ケガ人や、試合中のペナルティなどの状況に応じて、
FWでも、DFでもプレーできる選手が、珍しくはありません。
アジアリーグやプロリーグでプレーするシーンを夢見るチビッ子たちの中で、
「一流には、なれそうにないなぁ・・・」と、つい肩を落としがちな選手は、
どちらのポジションも、そつなくプレーができる、
“UNSUNG HERO(=縁の下の力持ち)” を目指すことが、
もしかしたら、夢への道を切り拓いていくかもしれませんよ!