日本全国津々浦々のホッケーファンの皆さん、こんにちは。
今日から2学期がスタートした学校も、多かったようなので、
久しぶりに顔を合わせたクラスメイトと、楽しかった夏の思い出を話し合う姿が、
全国各地の教室で見られたのでは?
しかし、楽しかった夏の思い出を話す姿が見られたのは、
何も日本だけではないようです。
ホッケー大国のカナダでは、U18代表のメンバーたちも、
きっと誇らしげに、夏の思い出を話しているに違いありません!
夏休みには、日本国内でも、子供や学生の大会が行われましたが、
ヨーロッパでは、今年も
「イバン・フリンカ メモリアルトーナメント」が開催されました。
1991年にスタートした大会は、参加国や開催国の変遷をたどった後、
チェコとスロバキアが、ホスト国に。
6年前からは、長野オリンピックや世界選手権で、
チェコ代表に金メダルをもたらせた名将の、生前の功績を称えて、
大会名が改まり、今年で23回目を迎えました。
先月5日(現地時間)から10日まで開催されていた、今年の大会には、
地元のチェコと、スロバキアをはじめ、
ロシア、フィンランド、スウェーデン、スイス、アメリカ、カナダ の8ヶ国から、
U18代表チームが参加。
トップレベルの各国から、有望な若手選手が一堂に会すとあって、
NHLをはじめとするプロチームのスカウトたちが、こぞって集結しました。
それに伴って、ホッケー先進国のメディアが大注目し、
テレビや新聞、ウェブサイトなどを通じて、連日報道。
日本の野球ファンが、ドラフト候補選手を見ようと、
夏の甲子園の高校野球や、都市対抗野球を観戦するように、
ヨーロッパや北米のホッケーファンたちも、熱心にチェックする、
注目度の高い国際大会なのです。
このような “ビッグトーナメント” で栄冠を勝ち取ったのは、カナダ!
先輩たちが続けてきた連続優勝を「6」に伸ばした上、
決勝戦では、ライバルのアメリカにシャットアウト勝利とあって、
新しいクラスメイトたちに、「テレビで見てくれた?」 と誇らしげに話す姿が、
カナダの学校では、見られたかもしれませんね(笑)
ところで、上の動画をご覧になって、「あっ!」と思われた方もいるでしょうが、
カナダを率いたのは、
NHLのヘッドコーチ(HC)も務めた デイル ・ハンター 氏!
もっとも、ハンター氏は、
以前の記事でもご覧いただいたように、
カナダのジュニアリーグの強豪チームで、社長兼HCを務めているとあって、
そんなに驚くことでは、なかったのですけれど、
「語りべ」は、ホスト国・チェコのGMの名前を聞いて、思わずビックリ!
長野オリンピック金メダルメンバーの
ミラン ・フニリチカ 氏 だったのです !!
名前と顔を見ても、「???」という人もいらっしゃるでしょうが、
フニリチカ氏は、長野では3人目のGKだったため、出場機会はなかったものの、
その後、世界選手権で守護神の座を託され、世界一に大きく貢献。
当時は、日本リーグを全試合中継していたテレビ局で、
毎年、世界選手権も放送していたことから、「語りべ」も何度も名前を実況し、
とても印象深いGKであるのとともに、
実は、、、
買い物に付き合った ことがあるのです。
経緯を紹介すると、長野オリンピックが終わった年の夏、
フニリチカ氏が所属していたチェコの
スパルタ プラハが来日。
札幌で、雪印、コクドと、エキシビションマッチを開催した際に、
大会を主催したアイスホッケー専門紙(を発行していた会社)から、ご依頼をいただき、
雪印スケートセンターで、
試合のオフィシャルアナウンサーを、担当させてもらいました。
その際、大会期間中に、スパルタプラハの選手たちが、
いくつかのグループに分かれて、ショッピングに行くことになり、
「語りべ」がガイド役を務めた一行の中に、フニリチカ氏がいたのです!
フニリチカ氏は、来日する以前に、北米でプレーしていた経験があり、
グループの中で、唯一英語を話すことができた選手。
他のチームメイトからの質問を、英語に訳してくれて、
それを「語りべ」が、店員さんに質問する合間に、
「日本では野球が盛んだよね。
(当時MLBでプレーしていた)吉井(理人氏)は、いいピッチャーみたいだね」
といった話題で、気さくに話しかけてきた姿が、とても印象に残っています。
このような出来事があったので、
それからも「フニリチカ」の名前を、しばしばチェックし続けて、、、
アトランタ スラッシャーズと契約を結び、NHLでプレーしたあと、
チェコに戻って、数年前にリタイアした。
というところまでは、知っていたのですが、
その後、エクストラ(トップ)リーグのチームから、GM役を託され、
心理学者の招へいを薦めるなど、改革に着手していた模様だったものの、
2年目に下部リーグへ降格してしまい、解任・・・。
しかしながら、チェコホッケー協会に見出され、
金の卵たちが揃うU18ナショナルチームのGMに、今年から就任したそうです。
フニリチカ氏が大役を担っているのも、スゴイことだと思いますが、
それより何より!
ホッケー強国であるチェコの中でも、超名門チームのスパルタプラハが来日したなんて、
今にして思えば、かなりスゴイことですよね !!
残念ながら、観戦に訪れたファンの数は、多くなかったですけれど、
例えて言うならば、読売ジャイアンツが、
わざわざチェコまで試合に行ったようなもの(笑)
当時のスパルタプラハには、そうそうたる顔ぶれが揃っていて、
シカゴ ブラックホークスなどで活躍し、長野で金メダルを手にした
フランタ ・クチェラ 氏や、
エドモントン オイラーズからドラフトで2巡目指名を受けた、
デビッド ・ヴィボルニー 選手も、来日メンバー。
そのうちヴィボルニー選手は、「語りべ」グループのショッピング御一行様で、
新札幌で買った日本製の腕時計を、
少年のように目を輝かせながら、チームメイトに自慢していた姿からは、
のちにコロンバス ブルージャケッツで、Aマークをつけてプレーするなんて、
まっっったく、想像できませんでした(笑)
さらに、NHLには縁がなかったものの、
来日したシーズンに、エクストラリーグでアシスト王に輝いた、
パトリック ・マルティネツ 氏も、札幌のファンの前で、華麗なプレーを披露。
6年後に、アニャンハルラの一員になってから、その時の話をすると、
とても楽しそうに、振り返っていました。
このような話を紹介していくと、
「うらやましいなぁ・・・」という ため息が聞こえてきそうですけれど・・・
数年前までは「長野カップ」や「プレシーズンゲーム」で、
ヨーロッパのトップリーグのチームが、毎年のように来日していましたよね。
それより以前には、シーズンオフながら、旧ソビエトやスウェーデンなどから、
ナショナルチームが来日したり、
NHLの公式戦も、東京と埼玉で合わせて6試合も開催されました。
さらに言えば、今回紹介した「イバン・フリンカ杯」は、
元を正せば「フェニックスカップ」(その後 パシフィックカップ)として、日本でスタート。
カナダ、アメリカ、ロシアの選手たちを見に来ていた、
モントリオール カナディアンズのスカウトの目に留まった
三浦浩幸 氏(元コクド)が、
「日本人で初めてNHLチームからドラフト指名される!」
という大きなニュースを、もたらせました。
当時は普通のことだと感じていましたけれど、
日本にいながらにして、世界のトップレベルを、目の当たりにする機会があったのは、
今にして思うと、とても貴重な体験だったようです。
15年前にスパルタプラハが来日した時の “夏の思い出” を思い起こすと、
このように痛感させられる「語りべ」なのでした。。。